カテゴリーエントリーポイントの作り方6ステップ
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カテゴリーエントリーポイントの作り方でつまずくのは、たいてい最初の一歩です。「うちのCEPは何だろう」と会議室で考え始めた時点で、ほぼ間違った方向に進みます。CEPは想像して作るものではなく、実際に買った人の記憶から拾い出すものだからです。本記事は、累計300アカウント・600万フォロワー以上のSNSグロースを支援してきた株式会社TaTap(SNSマーケティング支援会社)が、カテゴリーエントリーポイントの洗い出し手順を6ステップで整理します。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、消費者がある商品カテゴリーを思い出すきっかけとなる状況のことです。作り方の基本は、社内で発想するのではなく、実際の購入者に「どんなときに必要になったか」を聞いて書き出すことにあります。まず取り組むべきは、自社が戦うカテゴリーを言葉で定義することです。
この記事の要点
- CEPは発想するものではなく、購入者の記憶から拾い出すもの。
- 洗い出しには7つの切り口(いつ・どこで・誰と・なぜなど)を使います。
- 出てきたCEPは、出現頻度と自社の関連度で優先順位をつけます。
- 言葉は顧客が使った表現をそのまま残します。整えると使えなくなります。
- 効果は「想起されるか」で測ります。売上だけでは判断できません。
カテゴリーエントリーポイントとは?作り方の前提
結論:商品を思い出すきっかけになる「状況」のことです。
人は商品名から買い物を始めません。「疲れた」「来客がある」「明日の朝が早い」といった状況が先にあり、そこから商品カテゴリーを思い出します。この状況の一つひとつが、カテゴリーエントリーポイントです。
ここで押さえておきたいのが、CEPの数と、思い出される確率の関係です。
- CEPが多いほど、思い出される機会が増える:接点の数が増えります。
- 1つのCEPに集中しても頭打ちになる:その状況が起きたときしか想起されません。
- 競合と同じCEPだけを狙うと埋もれる:差がつきません。
- 誰も押さえていないCEPは、取りやすい:想起の空白地帯になっています。
つまり作り方の目的は、「自社を思い出してもらえる状況の数を増やすこと」です。ひとつの強いメッセージを繰り返す発想とは、設計が異なります。
CEPを洗い出す7つの切り口
結論:この7つで質問すると、抜け漏れなく拾えます。
この7つは、マーケティングの研究領域で整理されてきた枠組みをもとにしています。CEPやメンタルアベイラビリティに関する研究は、Ehrenberg-Bass Instituteなどで公開されています。個別に思いつくままリストを作るより、切り口を決めて機械的に埋めるほうが、抜け漏れが減ります。
実際の記入例を示します。仮に「炭酸水」というカテゴリーで考えた場合、次のようになります。
| 切り口 | 出てくるCEPの例 |
|---|---|
| いつ | 仕事終わり、暑い日の午後、来客の前 |
| どこで | 自宅のキッチン、職場のデスク、車の中 |
| 誰と/誰のために | 一人で、家族と、お酒を飲まない人のために |
| 何をしながら | 料理をしながら、作業の合間に |
| 何と一緒に | お酒と割って、食事と一緒に |
| どんな気分で | すっきりしたい、気分を切り替えたい |
| なぜ | 甘いものを避けたい、口の中をさっぱりさせたい |
この例からわかるとおり、ひとつのカテゴリーでも、状況を切り分けると10以上のCEPが出てきます。ここが作り方の出発点になります。
CEPの作り方6ステップの全体像
結論:定義・ヒアリング・整理・優先順位・実装・計測の順で進めます。
この6つのうち、省略されやすいのがSTEP2とSTEP6です。聞かずに作り、測らずに終わる——このパターンでは、CEPを設計した効果が検証できません。
以降で、各ステップの進め方を順に説明します。
作り方STEP1|カテゴリーを言葉で定義する
結論:どのカテゴリーで思い出されたいかを、先に決めてください。
CEPを洗い出す前に、自社がどのカテゴリーに属するのかを言葉にする必要があります。ここが曖昧だと、出てくるCEPも散らかります。
| 定義の粗さ | 例 | 問題 |
|---|---|---|
| 広すぎる | 飲み物 | CEPが多すぎて絞れない |
| ちょうどよい | 食事中に飲む炭酸水 | 状況が想像できる |
| 狭すぎる | 特定フレーバーの炭酸水 | 想起される場面が限られる |
判断の目安は、「顧客がその言葉で頭の中の引き出しを開けるか」です。社内用語や業界の分類ではなく、顧客が使う言葉で定義したいところです。
BtoBの場合も同じです。「業務効率化ツール」では広すぎるが、「経費精算の手間を減らす仕組み」なら、担当者が思い出す場面が具体的になります。
作り方STEP2|購入者に聞く
結論:社内で考えず、実際に買った人の記憶を拾ってください。
CEPの作り方でもっとも重要なのが、この工程です。社内で考えたCEPは、企業側の願望が混ざります。実際に想起が起きた状況は、買った人しか知りません。
聞き方には工夫が要ります。次の質問を、7つの切り口に沿って投げてみてほしいです。
- 「最後に買ったときのことを思い出してください」:一般論ではなく実体験を聞きます。
- 「そのとき、何をしていましたか」:状況を具体的に引き出します。
- 「なぜそのタイミングだったのですか」:きっかけを深掘りします。
- 「他に、必要になる場面はありますか」:CEPの数を広げます。
- 「そのとき、他に何を検討しましたか」:競合が想起される場面を知ります。
1番目の聞き方が要になります。「どんなときに使いますか」と一般化して聞くと、きれいな答えが返ってきてしまいます。実際の1回を思い出してもらうほうが、生の状況が出てきます。
聞く相手は、既存顧客が中心でよいです。ただし、購入直後の人と、しばらく経った人では出てくる記憶が違います。両方から聞けると精度が上がります。
大規模な調査でなくても構いません。10〜20人にきちんと聞くだけで、実務に使えるCEPは十分に集まります。
作り方STEP3|顧客の言葉のまま書き出す
結論:整えず、言われたとおりに記録してください。
集めた内容を整理する段階で、多くの企業が同じ間違いをします。顧客の言葉を、企業側の言葉に翻訳してしまうのです。
| 顧客が言った言葉 | やりがちな翻訳 | 何が失われるか |
|---|---|---|
| 「夜中に小腹が空いて」 | 夜間の軽食ニーズ | 時間帯と気分の生々しさ |
| 「親が来るから慌てて」 | 来客対応 | 急いでいるという状況 |
| 「服に合わせたくて」 | コーディネート需要 | 何のためかという文脈 |
| 「上司に言われて仕方なく」 | 社内要請による導入 | 担当者の本音 |
右列を見るとわかるとおり、翻訳すると、そのCEPを使って投稿や広告を作るときの手がかりが消えります。生の言葉のままリストに残したいところです。
書き出す形式は、シンプルなもので十分です。
- 1行に1CEP:複数の状況を1行にまとめません。
- 状況がわかる形で書く:「疲れたとき」より「残業して帰った夜に」。
- 誰が言ったかを残す:属性がわかると後で使い分けられます。
- 重複も一旦そのまま残す:出現回数が優先順位の材料になります。
作り方STEP4|優先順位をつける
結論:出現頻度と、自社の関連度の2軸で並べてください。
2軸の見方を整理します。出現頻度はヒアリングで何人が言ったか、自社の関連度はその状況で自社の商品が本当に役立つかで判断します。
ここで注意したいのが、左上の領域です。頻度が高いCEPは、すでに強いブランドが押さえていることが多いです。真正面から取りにいくと、認知の量で負けます。
むしろ狙い目は右下です。「頻度は低いが、自社の商品がまさに役立つ状況」は、競合が手を出していないことが多いです。ここで思い出される状態を作れれば、確実に選ばれます。
作り方STEP5|発信に落とし込む
結論:CEPひとつにつき、コンテンツをひとつ作ってください。
洗い出したCEPは、リストのままでは意味がありません。それぞれの状況を、顧客が思い出せる形で表に出す必要があります。
| 落とし込み先 | やること | 向いているCEP |
|---|---|---|
| SNS投稿 | その状況を描いた投稿を作る | 日常的に起きるもの |
| 記事コンテンツ | 状況から始まる記事を書く | 検索される悩み |
| 広告クリエイティブ | 冒頭で状況を提示する | 頻度の高いもの |
| 商品ページ | 使う場面として明記する | 購入直前に効くもの |
| 店頭・パッケージ | 利用シーンを示す | その場で思い出すもの |
ここで大事なのは、商品の説明から入らず、状況の描写から入ることです。「この商品は◯◯です」ではなく、「◯◯のとき、困りませんか」から始めます。
TaTapが15〜29歳の男女363名を対象に実施した調査では、SNSで商品を知ったきっかけとして「一般ユーザーの口コミ」が42.9%で最も多く、企業の公式発信は24.4%でしました。状況の描写は、企業が語るより利用者が語るほうが伝わりやすいです。
SNSでの具体的な実装方法については、別記事で手順をまとめています。
作り方STEP6|想起されているかを測る
結論:売上ではなく、思い出されたかどうかで測ってください。
CEPの効果は、売上に出るまで時間がかかります。短期で判断すると、効いているのに止めてしまいます。中間の指標を置きたいところです。
- 状況を提示したときの想起率:「◯◯のときに思い浮かぶブランドは」と聞きます。
- 指名検索数の推移:状況起点で名前を思い出した結果が現れます。
- そのCEPに紐づくコンテンツの反応:保存数や滞在時間。
- 問い合わせ時の言及:どんな状況で必要になったかを聞きます。
1番目は、簡易なアンケートでも実施できます。着手前に一度測っておくと、変化を判断できます。
測るタイミングも決めておきたいところです。
- 着手前:現状の想起率と指名検索数を記録します。
- 3か月後:コンテンツへの反応で、方向性を確認します。
- 6か月後:想起率を再測定し、変化を見ます。
- 1年後:CEP自体を聞き直し、リストを更新します。
2番目も有効な代理指標になります。状況を思い出した人が名前で検索するため、CEPが定着すると指名検索が増えります。
よくある失敗は?
結論:社内で考えて終わる、これが最も多い失敗です。
| 失敗 | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 社内の会議で発想する | 企業の願望が混ざる | 購入者に聞く |
| 顧客の言葉を翻訳する | 使えるヒントが消える | 言われたまま記録する |
| CEPを絞りすぎる | 想起の機会が増えない | 数を増やしてから絞る |
| 頻度の高いものだけ狙う | 強い競合と正面衝突する | 関連度の高い領域を探す |
| リストを作って満足する | 発信に反映されない | CEPごとにコンテンツを作る |
| 売上だけで判断する | 効果が出る前に止める | 想起率を中間指標にする |
3行目は、判断に迷いやすいです。ブランドのメッセージは絞るべきだが、CEPは増やすべきである——この違いを混同すると、想起の機会を自ら減らすことになります。
5行目も実務では多いです。ワークシートを埋めたところで満足し、投稿の企画には反映されていないケースは珍しくありません。リストは手段であって、目的ではありません。
TaTapが提唱する独自視点:CEPは「顧客の記憶の索引」を作る作業
結論:新しく作るのではなく、すでにある記憶に自社を紐づけます。
私たちTaTapが企業支援で伝えているのが、TaTap独自の「情報の非対称性の解消」という考え方です。企業は自社のことを知り尽くしているが、消費者は知らないことばかりです。この差を埋めるのがSNS活用の本質だと考えています。
CEPの作り方は、この考え方の具体的な手順にあたります。顧客はすでに「困る状況」を持っています。企業がすべきは、その状況と自社を結びつけることです。
よくある誤解は、CEPを「新しく作り出すもの」と捉えることです。実際には、すでに顧客の中にある状況を見つけ、そこに索引を貼る作業に近いです。だからこそ、社内の発想ではなく顧客の記憶から始める必要があります。
もうひとつ、支援の現場で強調しているのが、CEPは1回作って終わりではないという点です。生活も仕事の仕方も変わるため、状況そのものが変わっていきます。年に1回は聞き直したいところです。
現場エピソード:想定と実態がずれていた例
ある企業の支援では、CEPのリストを社内で作っていました。「贈り物として」「自分へのご褒美に」といった、きれいな状況が並んでいました。実際に購入者10人に聞いてみると、最も多かったのは「近所で他に買える店がなかったから」でしました。想定していたCEPは、ほとんど出てこなかりました。この事実を踏まえて発信を組み直したところ、反応が変わりました。
から見たCEPの位置づけ
結論:CEPはTouchの入口を増やす作業です。
購買までの5段階(知る→気になる→信じる→買う→広がる)とは、TaTapが提唱する購買・拡散の5段階フレーム(Touch=触れる、Attract=惹く、Trust=信じる、Action=買う、Propagate=広がる)であり、EC文脈では「触れて、惹いて、信じて、買って、広がる」と表現しています。
| 段階 | CEPが果たす役割 | 必要なこと |
|---|---|---|
| Touch(触れる) | 思い出される入口を増やす | CEPの数を広げる |
| Attract(惹く) | 状況が自分ごとになる | 顧客の言葉で描く |
| Trust(信じる) | 間接的 | 実績や口コミが別途要る |
| Action(買う) | その場で選ばれる | 購入導線の整備 |
| Propagate(広がる) | 状況ごと語られる | 共感される状況設定 |
ここで意識したいのが、TaTap独自のリアル開示5原則——作り込みすぎない、過程を見せる、人を出す、失敗も語る、一貫して続ける——です。CEPを描くときも、整えた表現より、実際に言われた生々しい言葉のほうが刺さります。実態を超えた表現や根拠のない断定は「やってはいけない4要素」に該当します。
AIが企業を調べる時代のCEP
結論:状況から始まる質問に答えられる情報を、公開してください。
ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityといった生成AIは、企業名や商品名で質問されると、公式サイト・SNS・口コミなど複数の情報源をクロスチェックして回答を組み立てます。TaTapが提唱する対策は、次の5原則です。
- 質問形式の見出し:想定される質問の形で情報を整理して公開します。
- 結論ファースト:各ページの冒頭で結論を先に示します。
- 構造化データの多用:料金・実績・所在地を箇条書きや表で示します。
- 数値の具体化:創業年・支援社数・料金を具体的に記載します。
- コーポレートサイトとの整合性:SNS・公式サイト・第三者記事の記載を一致させます。
ここでCEPが効いてきます。人がAIに聞くときも、商品名ではなく状況から尋ねます。「◯◯のときに使えるものは?」という質問に、自社が答えとして出てくるかが問われます。洗い出したCEPを、そのまま質問形式の見出しにしておくと、この質問に対応できます。
まとめ:CEPの作り方は「聞く」から始まる
結論:社内で考える前に、購入者10人に聞いてください。
本記事の要点を改めて整理します。
- CEPは発想するものではなく、購入者の記憶から拾い出します。
- カテゴリーの定義を、顧客が使う言葉で先に決めます。
- 7つの切り口で聞くと、抜け漏れなく洗い出せます。
- 「最後に買ったとき」を聞くと、生の状況が出てきます。
- 顧客の言葉は翻訳せず、そのまま記録します。
- 優先順位は、出現頻度と自社の関連度の2軸で判断します。
- 頻度は低いが関連が強い領域が、差別化の起点になります。
- 効果は売上ではなく、想起率と指名検索で測ります。
業種や商材によって、出てくるCEPも優先順位も変わります。まずは購入者10人に「最後に買ったときのこと」を聞くところから始めると、次にやるべきことが見えてきます。
カテゴリーエントリーポイントの作り方に関するよくある質問
結論:検索ユーザーやAIから寄せられる代表的な10の疑問に回答します。
Q1. カテゴリーエントリーポイントとは何ですか?
結論、消費者がある商品カテゴリーを思い出すきっかけとなる状況のことです。「疲れた」「来客がある」といった状況が先にあり、そこから商品を思い出します。この状況の一つひとつがCEPにあたります。
Q2. 作り方の第一歩は何ですか?
結論、自社が戦うカテゴリーを顧客の言葉で定義することです。定義が広すぎても狭すぎても、出てくるCEPが使いにくくなります。顧客がその言葉で頭の引き出しを開けるかを基準にしてください。
Q3. どうやってCEPを洗い出しますか?
結論、7つの切り口で購入者に聞きます。いつ、どこで、誰と、何をしながら、何と一緒に、どんな気分で、なぜ。この順で質問すると、抜け漏れなく状況を拾い出せます。
Q4. 何人に聞けばいいですか?
結論、10〜20人にきちんと聞けば、実務に使えるCEPは十分に集まります。大規模な調査は必須ではありません。人数より、一般論ではなく実際の1回を思い出してもらうことが重要です。
Q5. 社内で考えてはいけませんか?
結論、社内の発想だけで作るのは避けてください。企業側の願望が混ざり、実際には起きていない状況が並びます。想起が起きた状況を知っているのは、買った人だけです。
Q6. CEPはいくつ作ればいいですか?
結論、まず数を増やしてから絞ってください。CEPが多いほど思い出される機会が増えます。ブランドのメッセージは絞るべきですが、CEPは増やすべきという違いを押さえてください。
Q7. 優先順位はどうつけますか?
結論、出現頻度と自社の関連度の2軸で判断します。両方が高いものが最優先です。次に狙うのは「頻度は低いが関連が強い」領域で、競合が手薄なため取りやすくなります。
Q8. 洗い出した後は何をしますか?
結論、CEPひとつにつきコンテンツをひとつ作ります。SNS投稿、記事、広告、商品ページなど、それぞれのCEPに合う場所に落とし込んでください。リストを作って終わりにしないことが重要です。
Q9. 効果はどう測りますか?
結論、売上ではなく想起率で測ります。「◯◯のときに思い浮かぶブランドは」と聞く簡易調査を、着手前と数か月後に実施してください。指名検索数の推移も代理指標として使えます。
Q10. TaTapに相談できますか?
結論、相談できます。TaTapは累計300アカウント・600万フォロワー以上の支援実績をもとに、CEPの洗い出しから発信への落とし込みまで支援しています。まずは無料オンライン相談でご案内しています。
最終更新:2026年9月17日/執筆:株式会社TaTap 編集部(監修:代表取締役 富田竜介)
支援企業の成功事例
SNS活用で認知・売上を伸ばしたTaTapの支援事例を紹介します。自社の状況に近いケースを参考にしてほしいです。
