インフルエンサー施策のデメリット7つと回避策【2026】
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結論:インフルエンサーマーケティングの最大のデメリットは、法的な責任と炎上のリスクが発注した企業側に一本化される点です。景品表示法の規制対象は広告主であり、起用したインフルエンサーは対象外とされています。投稿してもらう前に、PR表記のルールと二次利用の範囲を決めておけば、ほとんどのデメリットは費用と手順に置き換えられます。
株式会社TaTap(SNSマーケティング支援会社)は、累計300アカウント以上のSNS運用とインフルエンサー施策を支援してきました。相談で最も多いのは、成果が読めないという悩みよりも、表記と権利の取り決めをしていなかったことによる後戻りです。
この記事の要点
- デメリットは7つに整理できます。いずれも発注した企業側に返ってきます。
- 景品表示法の規制対象は広告主であり、依頼を受けたインフルエンサーは対象外とされています。
- 違反が認められると措置命令(行政処分)が行われ、内容によっては課徴金の対象になることがあります。
- 報酬を渡して個別に依頼した投稿は「事業者の表示」に該当する可能性が高いとされています。
- リプライだけの表記や動画冒頭だけの表示では、明瞭とはいえない場合があります。
- 投稿の二次利用は別途の取り決めが必要で、TaTapでは1件2,000円のオプションとして明示しています。
- デメリットを避けるために施策をやめる判断は、SNSに口コミがない状態を作るという別のリスクを生みます。
インフルエンサーマーケティングのデメリットは何ですか?
結論:7つあります。共通しているのは、リスクの行き先が発注した企業側だという点です。
図:インフルエンサーマーケティングのデメリット7つ
一般的なデメリットの解説では、費用が高い、成果が読めない、炎上する可能性がある、といった3点にまとめられることが多くあります。ただし実務で後戻りが発生するのは、そこではありません。表記のルールと権利の範囲を決めずに走り出したケースです。
| デメリット | 何が起きるか | 回避の手当て |
|---|---|---|
| 責任が広告主に集中します | 措置命令の対象は発注企業です | 表記ルールを契約書に書きます |
| 依頼の形で判定が変わります | 自由投稿でも該当し得ます | 報酬の有無と依頼内容を記録します |
| 表記の位置で無効になります | 開示したことになりません | 投稿前に位置を自社で確認します |
| 投稿を転用できません | 広告や自社サイトに使えません | 二次利用を発注時に金額化します |
| 過去の投稿が残ります | あとから問題になり得ます | 投稿URLを一覧で保管します |
| 費用と成果が対応しません | 売上に連動しない支出になります | 認知の指標で評価を分けます |
| 投稿主体が社外にあります | 本人の言動が波及します | 起用前に過去の発信を確認します |
7つのうち1から5は、景品表示法と権利の取り決めに関わるものです。担当者の熱量ではなく、書類と確認の工程で決まります。残る6と7は、施策の性質そのものから生じるもので、完全には消せません。
裏を返せば、7つのうち5つは発注前の書類作業で潰せます。残る2つは構造上残るため、施策の位置づけを社内で合わせておく必要があります。
措置命令を受けるのは誰ですか?
結論:発注した企業です。起用したインフルエンサー側は規制の対象外とされています。
図:景品表示法の規制対象と、発注側が負う責任の範囲
消費者庁の解説ページには「規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません」と明記されています。令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反の対象です。
違反が認められた場合について、消費者庁のQ&Aでは「不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずる『措置命令』(行政処分)を行います」と説明されています。課徴金納付命令の対象にはならないものの、優良誤認表示または有利誤認表示が含まれる場合には課徴金の対象になることがあるとされています。
違反の事実が認められない場合でも、おそれのある行為がみられたときは指導(行政指導)が行われます。つまりインフルエンサー側に落ち度があったとしても、公表されるのは発注企業の名前です。ここが「デメリット」として最も重く、外注先の選定基準にも直結します。
| 立場 | 景品表示法上の扱い | 負うもの |
|---|---|---|
| 発注企業(広告主) | 規制の対象です | 措置命令・指導・公表 |
| 依頼を受けたインフルエンサー | 対象外とされています | 自身の評判のみ |
| 共同して商品等を供給する場合 | 例外的に対象となります | 広告主と同様 |
| 仲介したキャスティング会社 | 供給者でなければ対象外です | 契約上の責任のみ |
「自由に投稿してください」と伝えれば問題ないのですか?
結論:問題になり得ます。投稿内容を指定していなくても、事業者の表示と判断される場合があります。
消費者庁のQ&Aでは、報酬を渡して個別に投稿を依頼したケースについて「個別に投稿の依頼を受け、報酬を受領する場合は、当該投稿は『事業者の表示』に該当する可能性が高いといえます」と示されています。投稿内容の指定がないことは、判定の決め手になりません。
判断にあたっては、やり取りの態様や内容、対価の内容とその提供理由、過去から将来にわたる関係性の状況などを総合的に考慮するとされています。商品を無償提供するギフティングも同様で、特定のインフルエンサーを選んで提供する場合は一定の関係性が認められることがあると説明されています。
| 依頼の形 | 事業者の表示になるか |
|---|---|
| 報酬を渡して個別に投稿を依頼します | 該当する可能性が高いとされています |
| 特定の相手を選んで商品を無償提供します | 事情により該当する場合があります |
| 街頭で不特定多数に試供品を配ります | 通常は該当しないとされています |
| 星5を付けることを条件に割引します | 該当すると考えられています |
| 具体的な感想の記載を応募条件にします | 該当すると考えられています |
| 投稿内容が抽選結果に影響しません | 通常は該当しないとされています |
実務では、該当するかどうかを都度判定するより、報酬や商品を渡したものはすべて表記する前提で運用するほうが安全です。判定の線引きを社内で議論する時間のほうが、表記を入れる手間より大きくなります。ギフティングに絞った整理はギフティングはなぜ失敗するのか|ステマ規制対応と8チェックリストを累計300社支援のプロが解説にまとめました。
PR表記はどこに入れれば「明瞭」になりますか?
結論:本文の冒頭です。リプライや動画冒頭だけの表示では足りない場合があります。
図:PR表記の可否と、投稿を二次利用するときの整理
消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aでは、投稿の本文ではなくツリー(リプライ)に記載した場合について「通常、一般消費者が当該記載に気付かないおそれがあり、事業者の表示であることが明瞭とはいえない場合が多いと考えられます」と説明されています。
動画についても、冒頭だけの表示では見逃すおそれがあるとされ、「画面上に常に『広告』と表示するなど、動画全体を通して『事業者の表示』であることが明瞭となるようにしておくことが望ましい」と示されています。ショート動画は途中から視聴されることが多いため、この論点は避けられません。
表記の言葉は「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」が挙げられていますが、これ以外が禁止されているわけではありません。「A社から商品の提供を受けて投稿している」という文章での記載も適切な対応として示されています。一方で「私は◯◯社の社員です」といった所属の明示だけでは、明瞭とは必ずしもいえないとされています。
表記の確認は、投稿が公開されてからでは間に合いません。下書きのスクリーンショットを送ってもらう運用を依頼書に書いておくと、ほとんどの表記漏れは公開前に止まります。
| 媒体 | 推奨される表記の置き方 | やりがちな不足 |
|---|---|---|
| Instagramフィード | 本文の1行目に記載します | ハッシュタグの列に混ぜます |
| ストーリーズ | 画面内のテキストで表示します | リンクスタンプだけに頼ります |
| リール・ショート動画 | 画面上に常に表示します | 冒頭の数秒だけ表示します |
| X(旧Twitter) | 本文の冒頭に記載します | リプライに追記します |
| ブログ・アフィリエイト | 該当箇所の近くに記載します | ページ冒頭に小さく書くだけです |
各プラットフォームの表記ルールと運用はギフティングのPR表記ルール【2026年最新】|X公式ポリシーが求める開示とステマ規制の両対応で解説しています。
投稿は広告に転用できますか?費用はどう変わりますか?
結論:そのままでは使えません。二次利用を発注時に金額として決めておく必要があります。
消費者庁のQ&Aでは、依頼して投稿してもらったものを自社サイトに載せる場合について「『事業者の表示』に当たるインフルエンサーの投稿を、『お客様の声』として自社のウェブサイト上に掲載することは適当ではありません」と示されています。掲載する場合は、自社が依頼した投稿であることが分かる形にする必要があります。
あわせて、著作権と肖像権の取り決めも必要です。投稿の著作権は撮影した本人にあり、本人が写っていれば肖像権も関わります。広告に転用したい場合は、この2つの許可を発注時に取っておいてください。
| メニュー | 費用 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| UGC Studio(成果報酬ギフティング) | 1件8,000円〜 | 選定・依頼・投稿確認 |
| UGC Studio(発送込み) | 1件12,000円〜 | 上記+商品の発送対応 |
| 二次利用許可(オプション) | 1件2,000円 | 投稿素材の自社利用許可 |
| インサイト回収(オプション) | 1件1,000円 | 投稿の実数値の取得 |
| 有償タイアップ | フォロワー単価2.5〜5円(300,000円〜) | 企画・交渉・進行・投稿確認 |
二次利用は1件2,000円です。後から広告に使いたいと相談すると、本人が断ることもあり、そこで企画が止まります。最初から含めておくほうが、総額でも手間でも小さくなります。
規模別の費用感はインフルエンサーマーケティングの費用相場と効果|規模別料金・成功事例つき【2026年版】を参照してください。
よくある失敗にはどんなものがありますか?
結論:投稿後に発覚するものが最も痛手になります。順序を変えるだけで防げます。
| 失敗 | 起きること | やるべきこと |
|---|---|---|
| 投稿前の確認を省きます | 表記漏れが公開されます | 下書きの段階で確認します |
| 依頼書に表記ルールを書きません | 相手ごとに書き方が変わります | 文例まで指定します |
| 投稿URLを保管しません | あとから確認できません | 一覧表で管理します |
| 過去案件を放置します | 表示が続く投稿が残ります | 過去の投稿を棚卸しします |
| 好意的な投稿だけを抜粋します | 事業者の表示と判断され得ます | 恣意的に選ばず明示します |
| フォロワー数だけで選びます | 反応が伴いません | 直近投稿の反応率を見ます |
4番目は見落とされやすい項目です。消費者庁のQ&Aでは、告示の施行日より前に行われた投稿についても「施行後も継続して表示されている場合、『事業者の表示』であることが明瞭となっていなければ、告示に違反する不当表示として、行政処分の対象となる可能性があります」と説明されています。数年前の案件でも、投稿が残っていれば確認の対象です。
発注先の選定基準そのものは【2026年最新】インフルエンサーPR会社の選び方とは?失敗しない5つの基準と費用相場をプロが解説にまとめています。
他の施策と比べると、どの企業に向いていますか?
結論:確認体制を持てる企業に向いています。持てないなら、UGC中心に切り替えるほうが安全です。
| 状況 | 向いている進め方 |
|---|---|
| 投稿前の確認を回せる人がいます | 有償タイアップを含めて設計できます |
| 確認する人を置けません | 件数を絞り、確認込みで外注します |
| 広告への転用を前提にします | 二次利用を含めて発注します |
| 口コミの量を増やしたいだけです | ギフティング中心に組みます |
| 成果を売上で測りたいです | SNS広告と組み合わせます |
| 法務の確認に時間がかかります | 先に表記ルールの雛形を通します |
確認体制という言葉が重く聞こえる場合もありますが、実態は下書きを見る担当者を1人決めるだけです。月に数件であれば、既存のSNS担当者の業務に収まります。件数が10件を超えるあたりから、確認だけで手が止まるようになります。
デメリットが大きいなら、やらないという選択肢もあります。ただしその判断は、SNS上に自社の口コミがない状態を作ることでもあります。
TaTapが全国の20〜49歳男女321名を対象に実施した「AI検索時代の購買行動調査」では、AI検索の回答で気になった商品について、SNSに口コミがないと不安に感じる人は62.0%でした(AI検索の利用経験がある250名ベース。購入をやめることがある34.4%と、少し不安に感じる27.6%の合計)。口コミがない状態も、それ自体がリスクになります。
始める前の手順と、効果が出る期間はどれくらいですか?
結論:準備に2週間、成果の判断に3か月を見てください。
- 表記ルールの雛形を作り、法務の確認を通します。案件ごとに確認すると毎回止まります。
- 二次利用の範囲と費用を決めます。広告に使うかどうかを先に決めておきます。
- 候補者の直近の発信を確認します。フォロワー数ではなく反応率と発言内容を見ます。
- 依頼書に表記の文例と位置を明記します。「本文の冒頭に記載」まで書きます。
- 下書きの段階で表記を確認します。公開後の修正はほぼ手遅れです。
- 投稿URLを一覧に記録します。あとから棚卸しできる状態にします。
- 3か月で保存数と指名検索を見ます。単月の売上では判断できません。
| 期間 | 見る数字 | やること |
|---|---|---|
| 1か月目 | 投稿数、表記の適合率 | 運用が回るかを確認します |
| 2か月目 | 保存数、プロフィール遷移 | 反応の良い相手を絞ります |
| 3か月目 | 指名検索、UGC件数 | 継続する相手と件数を決めます |
よくある質問
Q1. インフルエンサーマーケティングの一番大きいデメリットは何ですか?
法的な責任が発注した企業に集中することです。消費者庁は、景品表示法の規制対象は商品やサービスを供給する事業者(広告主)であり、依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とならないと説明しています。違反が認められれば措置命令の対象となり、公表されるのは発注企業の名前です。
Q2. 投稿内容を指定しなければステマにはなりませんか?
なる場合があります。消費者庁のQ&Aでは、個別に投稿の依頼を受けて報酬を受領する場合、その投稿は事業者の表示に該当する可能性が高いとされています。判定はやり取りの内容や対価の提供理由、関係性の状況を総合的に考慮して行われます。報酬や商品を渡したものはすべて表記する前提で運用するほうが安全です。
Q3. PR表記はハッシュタグで末尾に入れれば足りますか?
位置と見え方によります。消費者庁のQ&Aでは、リプライに記載した場合は気付かないおそれがあり明瞭とはいえない場合が多いとされています。表示内容全体から見て明瞭であることが必要とされているため、本文の冒頭に置き、他のハッシュタグに埋もれない形にしてください。
Q4. インフルエンサーの投稿を自社サイトに載せてよいですか?
載せ方に条件があります。消費者庁のQ&Aでは、依頼した投稿を「お客様の声」として自社サイトに掲載することは適当ではないとされています。自社が依頼した投稿であることが分かる形で表示する必要があります。あわせて著作権と肖像権の許可も別途必要です。
Q5. 数年前の案件の投稿はそのままでよいですか?
確認したほうがよいです。消費者庁のQ&Aでは、告示の施行日より前の投稿でも、施行後も継続して表示されている場合は、事業者の表示であることが明瞭でなければ行政処分の対象となる可能性があるとされています。過去の案件の投稿URLを洗い出し、表記の有無を確認してください。
Q6. デメリットを避けるためにやらないという判断は妥当ですか?
目的によります。TaTapの調査では、AI検索の回答で気になった商品について、SNSに口コミがないと不安に感じる人は62.0%でした(AI検索利用経験者250名ベース)。口コミがない状態も別のリスクになります。表記と権利の取り決めを型にすれば、件数を絞って続けるという選択も取れます。
最終更新:2026年9月24日/執筆:株式会社TaTap 編集部(監修:代表取締役 富田竜介)
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