TaTap SNS調査 第2回(2026年8月)

Z世代のSNS購買行動調査(TaTap SNS調査 第2回)

公開日:2026.08.12

「Z世代はSNSで買い物をする」とよく言われます。ただ、どのSNSで、どんな投稿を見て、何日で、いくら使っているのか──その中身までは、あまり語られてきませんでした。株式会社TaTap(東京都千代田区/SNSマーケティング支援)は、全国の15〜29歳の男女363名を対象に、SNSと購買行動の関係を12問にわたって調査しました。

結果は、いくつかの通説を裏切るものでした。商品・サービスを調べるとき最初に開くサービスは、検索エンジンが33.6%であるのに対し、SNS4媒体(Instagram・TikTok・X・YouTube)の合計は45.2%。すでに検索エンジンを上回っています。また「#PR表記があると参考にしない」と答えた人は13.2%にとどまり、68.3%は#PR付きの投稿でも参考にすると回答しました。さらに、SNSで「保存」「いいね」した商品を後日購入した経験がある人は56.9%。保存機能は、事実上の”あとで買うリスト”として働いています。

本記事では、Z世代のSNS購買行動を14のグラフで解説し、企業がSNS運用・インフルエンサー施策をどう設計し直すべきかを整理します。

調査結果サマリー(1分で読む要点)

  • SNSの投稿・広告がきっかけで購入した経験は64.9%。うち39.5%は「直近1か月以内」に購入している。
  • 商品・サービスを調べるとき最初に使うサービスは、検索エンジン33.6%に対し、SNS4媒体の合計が45.2%。買い物の起点はすでにSNSに移っている。
  • 直近1か月の利用SNSは、YouTube 63.6%、Instagram 63.1%、LINE 58.4%、X 55.6%、TikTok 50.7%と5媒体が横並び。
  • 購入のきっかけになったSNSは、Instagram 47.0%、TikTok 42.9%、X 39.2%、YouTube 36.4%。特定の1媒体に集中していない。
  • きっかけになった投稿は「一般ユーザーの口コミ・レビュー投稿」42.9%が最多。インフルエンサーの通常投稿39.6%、PR投稿37.3%がこれに続く。
  • 「#PRがつくと参考にしない」は13.2%のみ。68.3%は#PR付きでも参考にすると回答した。
  • SNSで保存・いいねした商品を後日購入した経験は56.9%。「保存」は購買の待機列として機能している。
  • 投稿を見てから購入までの期間は「3日以内」が50.7%、「1週間以内」が76.0%。検討期間は極端に短い。
  • SNSきっかけの買い物の月額は「1,000円以上5,000円未満」が48.4%で最多層。
  • 同じZ世代でも10代と20代で行動量が違う。直近1か月の購入経験は15〜19歳25.5%に対し20〜29歳49.2%。
Z世代のSNS購買導線の概念図
【図1】Z世代のSNS購買導線(本調査より作成)

調査概要

調査名Z世代のSNS購買行動調査(TaTap SNS調査 第2回)
調査主体自社調査(株式会社TaTap)
調査手法インターネットリサーチ(外部モニターパネルを利用したセルフ型調査)
調査対象全国の15〜29歳男女(SNS・動画サービス利用者)
有効回答数363名(15〜19歳141名/20〜29歳222名、男性206名・女性157名)
調査期間2026年7月28日
設問数12問(単一回答・複数回答のみ、マトリクス設問なし)
集計全体集計および性別・年代別クロス集計

※本文中の数値は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※設問により集計ベースが異なります。Q1・Q11は全体(n=363)、Q2・Q3はSNS利用者(n=334)、Q5・Q9・Q10はn=341、Q4・Q6・Q7・Q8・Q12はSNSきっかけの購入経験者(n=217)をベースにしています。各グラフのキャプションにベースを明記しています。
※標本誤差は、n=363で最大±5.1ポイント、n=341で±5.3ポイント、n=334で±5.4ポイント、n=217で±6.7ポイントです。年代別は15〜19歳(n=141)で±8.3ポイント、20〜29歳(n=222)で±6.6ポイント。年代差については、差が15ポイント以上あるものだけを本文で「差がある」と表現しています。

Q. Z世代は、本当にSNSきっかけで買っているのか?

A. 買っています。64.9%が購入経験を持ち、うち39.5%は「直近1か月以内」の購入です。

SNSの投稿や広告がきっかけで商品・サービスを購入(申し込み)した経験を聞いたところ、「直近1か月以内にある」が39.5%、「直近1か月にはないが、それより前にはある」が25.4%。合計64.9%が購入経験ありと回答しました。「一度もない」は35.0%です。

注目すべきは、購入経験者の6割強が「直近1か月以内」に集中している点です。SNS経由の購買は「昔一度やったことがある」という過去の体験ではなく、いま毎月起きている日常の行動になっています。

SNSきっかけの購入経験。64.9%が購入経験あり
【図2】SNSきっかけの購入経験(SNS利用者 n=334/単一回答)

Q. Z世代は、いまどのSNSにいるのか?

A. 5媒体が横並びです。YouTube 63.6%、Instagram 63.1%、LINE 58.4%、X 55.6%、TikTok 50.7%。

直近1か月間で利用したSNS・動画サービスを複数回答で聞いたところ、YouTube 63.6%とInstagram 63.1%がほぼ並んで首位。以下LINE 58.4%、X(旧Twitter)55.6%、TikTok 50.7%と続き、上位5媒体すべてが過半数を超えました。BeRealは15.2%、Pinterest 11.3%、Threads 9.1%、Facebook 7.2%です。

Z世代というと「TikTokの世代」と括られがちですが、実態は特定媒体への偏りではなく、5媒体を並行して使う多媒体型です。1媒体だけを運用して届く相手ではない、という前提から設計を始める必要があります。

直近1か月に利用したSNS・動画サービス。上位5媒体が過半数
【図3】直近1か月に利用したSNS・動画サービス(n=363/複数回答)

ただし「最も長く使う」1媒体はYouTubeとInstagramに割れる

その中で最も利用時間が長かったサービスを1つ選んでもらうと、YouTube 32.9%、Instagram 26.0%、TikTok 17.7%、X 16.2%の順。LINEは58.4%が利用しているにもかかわらず「最も長い」は4.8%にとどまり、連絡手段としての利用が中心であることがうかがえます。

利用率では横並びでも、可処分時間はYouTubeとInstagramの2媒体に集まっています。この2つで合計58.9%と、滞在時間のほぼ6割を占める計算です。

最も利用時間が長いSNS。YouTube32.9%、Instagram26.0%
【図4】最も利用時間が長いSNS・動画サービス(SNS利用者 n=334/単一回答)

Q. 買い物を調べるとき、最初に開くのはGoogleか?

A. いいえ。検索エンジン33.6%に対し、SNS4媒体の合計は45.2%です。

本調査で最も示唆的な結果のひとつです。商品・サービスについて調べるとき最初に使うことが最も多いサービスを1つ選んでもらったところ、単一のサービスとして最多はGoogle・Yahoo!などの検索エンジンで33.6%。しかしInstagram 15.4%、TikTok 12.7%、X 9.9%、YouTube 7.2%を合計すると45.2%(363名中164名)となり、検索エンジンを11.6ポイント上回りました。

Z世代にとって、買い物の情報探索はもはや検索窓から始まっていません。「検索エンジンに出てくること」を前提にした情報設計は、この層の入口の半分を取りこぼすことになります。なお「特にない」も15.2%あり、能動的に調べる前にSNSのフィードで商品に出会っている層が一定数存在することも示唆されます。

商品を調べるとき最初に使うサービス。SNS4媒体合計45.2%が検索エンジン33.6%を上回る
【図5】商品・サービスを調べるとき最初に使うサービス(n=363/単一回答)

Q. 購入のきっかけになるのは、どのSNSか?

A. Instagram 47.0%を筆頭に、TikTok・X・YouTubeが40%前後で拮抗しています。

SNSきっかけの購入経験がある217名に、そのきっかけになったSNSを複数回答で聞いたところ、Instagram 47.0%が最多。次いでTikTok 42.9%、X(旧Twitter)39.2%、YouTube 36.4%と続き、上位4媒体の差は10.6ポイント以内に収まりました。LINEは15.2%、BeRealは10.6%です。

「購買につながるのはInstagramとTikTok」という理解は半分しか正しくありません。XとYouTubeも4割弱が購入のきっかけとして挙げており、購買動線は4媒体に分散しています。特にXは、利用率55.6%・購入きっかけ39.2%と、ビジュアル型SNSに劣らない存在感を示しました。

購入のきっかけになったSNS。Instagram47.0%、TikTok42.9%
【図6】購入のきっかけになったSNS(購入経験者 n=217/複数回答)

媒体ごとの位置づけを、利用率と購入きっかけの2軸で並べると次のようになります。

媒体利用率(n=363)購入きっかけ(n=217)本調査からの解釈
Instagram63.1%47.0%購買きっかけの筆頭。滞在時間も長く、主戦場になりやすい
TikTok50.7%42.9%利用率は5媒体中最下位だが購入きっかけは2位。発見から購買への距離が短い
X(旧Twitter)55.6%39.2%口コミ・評判の流通路。ビジュアル型に劣らず購買に効く
YouTube63.6%36.4%利用率・滞在時間ともに首位。理解を深める役割
LINE58.4%15.2%利用率は高いが購買きっかけは限定的。連絡手段としての利用が中心

※利用率と購入きっかけは集計ベースが異なるため(前者は全体n=363、後者は購入経験者n=217)、両者の比率から転換率を算出することはできません。あくまで媒体ごとの相対的な位置づけを示すものです。

Q. どんな投稿が、購入のきっかけになっているのか?

A. 最多は「一般ユーザーの口コミ・レビュー投稿」42.9%。インフルエンサー投稿がそれに続きます。

購入のきっかけになった投稿・広告の種類を複数回答で聞いたところ、「一般ユーザーの口コミ・レビュー投稿」が42.9%で最多。次いで「インフルエンサーの通常投稿(PR表記なし)」39.6%、「インフルエンサーのPR投稿(#PR付き)」37.3%、「ブランド公式アカウントの投稿」24.4%、「友人・知人の投稿」16.6%、「SNS上の広告」14.3%となりました。

整理すると、生活者側の投稿(一般ユーザーの口コミ42.9%+友人・知人16.6%)が延べ129件、インフルエンサー投稿(通常39.6%+PR 37.3%)が延べ167件、企業側の投稿(公式アカウント24.4%+広告14.3%)が延べ84件。企業が自ら発信した投稿が購入のきっかけになった割合は、生活者やインフルエンサーの投稿に比べて明確に小さいということです。

ライブ配信・ライブコマースは5.5%にとどまり、購買チャネルとしてはまだ限定的でした。

購入のきっかけになった投稿の種類。一般ユーザーの口コミ42.9%が最多
【図7】購入のきっかけになった投稿・広告の種類(購入経験者 n=217/複数回答)

Q. 「#PR」は、本当に嫌われているのか?

A. 嫌われていません。「#PRがつくと参考にしない」は13.2%だけです。

ステルスマーケティング規制以降、PR表記の明示が広告主・インフルエンサー双方の負担として語られることが増えました。しかし本調査では、その前提が実態とずれている可能性が示されました。

「#PR」「#プロモーション」の表記があるSNS投稿について最も近いものを1つ選んでもらったところ、最多は「投稿の内容や投稿者によって決める」27.0%。次いで「#PRでも参考にはするが、購入まではしたことがない」24.6%、「#PR表記に気づいたことがない」17.9%、「#PRでも気にせず参考にし、購入したこともある」16.7%と続き、「#PRがつくと参考にしない」は13.2%にとどまりました。

参考にする側(内容・投稿者で判断27.0%+参考にはする24.6%+購入もした16.7%)を合計すると68.3%PR表記そのものが購買のブレーキになっているわけではなく、判断軸は「PRかどうか」ではなく「誰が、何を言っているか」に移っていると読めます。同時に「#PR表記に気づいたことがない」が17.9%あることは、表記の視認性という別の課題も示しています。

#PR表記のあるSNS投稿への態度。参考にしないは13.2%のみ
【図8】「#PR」表記のあるSNS投稿への態度(n=341/単一回答)

Q. インフルエンサーは、どこまで信頼されているのか?

A. 48.1%が「信頼している」。ただし「とても信頼している」は17.3%にとどまります。

インフルエンサーの商品紹介投稿(PR投稿を含む)への信頼度を5段階で聞いたところ、「とても信頼している」17.3%、「やや信頼している」30.8%で、信頼計は48.1%。「どちらともいえない」が24.3%、「あまり信頼していない」17.3%、「まったく信頼していない」10.3%で、不信計は27.6%でした。

信頼が不信を20.5ポイント上回る一方、無条件の信頼(「とても信頼している」)は17.3%と限定的です。前問の「投稿の内容や投稿者によって決める」27.0%と合わせて読むと、Z世代はインフルエンサーを一括りに信頼も不信もしておらず、個別に見極めているという像が浮かびます。起用時に重要なのはフォロワー数よりも、その人物と商材の一致度だということです。

インフルエンサーの商品紹介投稿への信頼度。信頼計48.1%
【図9】インフルエンサーの商品紹介投稿への信頼度(n=341/単一回答)

Q. SNSの「保存」は、何をしているのか?

A. あとで買うためのリストとして機能しています。56.9%が保存した投稿から後日購入しています。

SNSで「保存」「いいね」した商品を、あとから購入した経験を聞いたところ、「よくある」18.2%、「たまにある」38.7%で、合計56.9%が保存起点の購入を経験していました。「保存はするが購入はほとんどしない」は20.5%、「保存もしないし購入もしない」は14.7%です。

保存は、これまで「エンゲージメント指標のひとつ」として扱われてきました。しかし本調査の結果は、保存が購買の待機列(あとで買うリスト)として実際に機能していることを示しています。保存された投稿は、その場では売上にならなくても、数日後の購買として戻ってくる可能性が高い。逆に言えば、保存されたあとに投稿が削除されていたり、リンク先が切れていたりすると、その待機列はそのまま失われます

保存・いいねした商品の後日購入経験。56.9%が購入経験あり
【図10】保存・いいねした商品の後日購入経験(n=341/単一回答)

Q. 購入までのスピードは、どれくらい速いのか?

A. 50.7%が3日以内、76.0%が1週間以内に購入しています。

きっかけになった投稿・広告を見てから購入までの期間(直近の購入について)を聞いたところ、「見たその日のうち」19.4%、「3日以内」31.3%で、3日以内の累計は50.7%。「1週間以内」25.3%を加えると76.0%が1週間以内に購入していました。「1か月より後」は8.8%にとどまります。

前問の「保存」の結果と合わせて読むと、Z世代の検討プロセスは「その場で買う層」と「保存して数日以内に戻ってくる層」の二層構造になっていることが分かります。いずれにせよ、意思決定のウィンドウは1週間しかありません。キャンペーンの在庫・LP・クーポンの有効期間を1か月単位で設計している場合、実際の購買のピークは初週に来ている可能性が高いということです。

投稿を見てから購入までの期間。3日以内50.7%、1週間以内76.0%
【図11】投稿を見てから購入までの期間(購入経験者 n=217/単一回答)

Q. Z世代は、何を、いくら買っているのか?

A. コスメ・美容44.7%が最多。月額は「1,000円以上5,000円未満」が48.4%を占めます。

SNSがきっかけで購入した商品・サービスのカテゴリを複数回答で聞いたところ、「コスメ・美容」44.7%が最多。次いで「ファッション・アパレル」38.7%、「食品・スイーツ」33.2%、「推し活グッズ」22.1%、「日用品・生活雑貨」18.9%、「飲料」18.4%、「ガジェット・家電」17.1%と続きました。

上位3カテゴリは、いずれも単価が比較的低く、失敗しても取り返しがつく商材です。一方で「推し活グッズ」が22.1%と4位に入り、「旅行・体験」4.6%を大きく上回った点は、Z世代特有の消費として注目に値します。

SNSきっかけで購入したカテゴリ。コスメ・美容44.7%が最多
【図12】SNSきっかけで購入したカテゴリ(購入経験者 n=217/複数回答)

金額は「月1,000〜5,000円」に半数が集中

SNSがきっかけの買い物に1か月あたり平均でいくら使っているかを聞いたところ、「1,000円以上3,000円未満」29.0%、「3,000円以上5,000円未満」19.4%で、この2区分に48.4%が集中しました。「1,000円未満」21.7%、「0円」6.5%を合わせると、5,000円未満が76.6%です。一方で「1万円以上」は5.1%にとどまりました。

1人あたりの単発の金額は大きくありませんが、購入経験者の64.6%が月1,000円以上を継続的に使っている計算になります。SNS起点の消費は、高単価の一撃ではなく、少額の反復として積み上がっているということです。

SNSきっかけの買い物の月間支出。1,000円以上5,000円未満が48.4%
【図13】SNSきっかけの買い物の月間支出(購入経験者 n=217/単一回答)

同じZ世代でも、10代と20代は違う

本調査は15〜29歳を対象としていますが、15〜19歳(n=141)と20〜29歳(n=222)を比べると、購買行動の濃さに明確な差がありました。差が15ポイント以上あった項目は次のとおりです。

  • 直近1か月以内にSNSきっかけで購入した:15〜19歳25.5%/20〜29歳49.2%(23.7ポイント差)
  • インフルエンサーを「とても信頼している」:15〜19歳5.8%/20〜29歳25.0%(19.2ポイント差)
  • 「保存はするが購入はほとんどしない」:15〜19歳35.0%/20〜29歳10.8%(24.2ポイント差)

一方、「保存した投稿から後日購入することがよくある」(15〜19歳10.9%/20〜29歳23.0%)や「#PR投稿から購入したことがある」(同8.8%/22.1%)は12〜13ポイント差で、本調査の基準(15ポイント以上)では差があるとは判断していません。

主要指標の年代内比較。15〜19歳と20〜29歳
【図14】主要指標の年代内比較(15〜19歳 n=141/20〜29歳 n=222)

読み方はシンプルです。10代は「見て、保存して、買わない」。20代は「見て、保存して、買う」。行動のかたちは同じで、可処分所得と決済手段の有無が結果を分けています。10代への施策は、その場の購買ではなく保存を積ませておくことに意味がある、と設計し直すべきです。

なお、利用媒体そのものにも差が出ています。YouTube(15〜19歳81.6%/20〜29歳52.2%)、LINE(同75.9%/47.3%)、Instagram(同75.2%/55.4%)は、いずれも10代のほうが利用率が高くなりました。また購入カテゴリでは「ファッション・アパレル」が15〜19歳22.4%(n=76)に対し20〜29歳47.5%(n=141)と25.1ポイントの差がありました。

※15〜19歳の購入経験者はn=76と小さく、標本誤差は最大±11.2ポイントです。この層の設問別数値は参考値としてお読みください。

調査からの示唆:Z世代のSNS運用は「カート設計」である

本調査の結果を、企業のマーケティング施策に翻訳すると次の3点になります。

① 目的は「見られること」ではなく「保存されること」

56.9%が保存した投稿から後日購入し、購入者の76.0%は1週間以内に決めています。つまり保存は、単なるエンゲージメント指標ではなく、購買の待機列そのものです。投稿設計の目標をリーチやいいね数ではなく保存数に置き換えるだけで、施策の中身は大きく変わります。保存したくなる情報(価格・サイズ・使用シーン・購入先)が1枚に収まっているか。保存された数日後にアクセスしても、投稿とリンク先が生きているか。この2点は、投稿本数を増やすことより優先度が高い施策です。

② インフルエンサー施策の論点は「#PRを隠すこと」ではない

「#PRがつくと参考にしない」は13.2%にとどまり、68.3%は#PR付きでも参考にすると回答しました。一方でインフルエンサーへの無条件の信頼(「とても信頼している」)は17.3%と限定的で、最多回答は「投稿の内容や投稿者によって決める」27.0%です。

PR表記の有無を気にする段階はすでに過ぎており、見られているのは投稿者と商材の一致度です。キャスティングの評価軸をフォロワー数やリーチ単価から、「その人がその商品を使っていて不自然でないか」に移すこと。これが#PR時代の実務的な結論になります。なお「#PR表記に気づいたことがない」が17.9%あることは、規制対応の観点から表記位置の見直しが必要なことも示しています。

③ 企業自身の投稿より、生活者とインフルエンサーの投稿が効いている

購入のきっかけになった投稿は、一般ユーザーの口コミ・レビューが42.9%で最多。企業の公式アカウント投稿は24.4%、SNS上の広告は14.3%でした。公式アカウントの運用を否定するものではありませんが、それだけでは購買のきっかけとして力不足だということです。

さらに、買い物を調べるとき最初に開くサービスはSNS4媒体の合計で45.2%と検索エンジン(33.6%)を上回っています。Z世代に商品名で検索されたとき、SNS上に一般ユーザーの投稿が存在しているかどうか。UGCの量そのものが購買の前提条件になっており、新商品やUGCの少ない商材ほどこの空白が直接の取りこぼしになります。

企業がとるべき対応(実務チェックリスト)

  1. 自社の商品名でInstagram・TikTok・X・YouTubeを検索し、一般ユーザーの投稿が存在するかを確認する。ゼロなら最優先で埋める(買い物の起点の45.2%はSNS)。
  2. 投稿のKPIに「保存数」を加える。保存した投稿から後日購入する層が56.9%いる以上、保存はリーチと同格の指標として扱う。
  3. 保存されることを前提に、1投稿の中に価格・サイズ・使用シーン・購入先までを収める。数日後に見返される前提で情報を欠かさない。
  4. キャンペーンの山を初週に置く。購入までの期間は3日以内50.7%、1週間以内76.0%で、1か月スパンの設計では機会を逃す。
  5. インフルエンサーの選定基準を、フォロワー数から「投稿者と商材の一致度」に切り替える。#PR表記は隠さない(参考にしない層は13.2%のみ)。
  6. #PR表記の位置と視認性を点検する。17.9%が「表記に気づいたことがない」と回答しており、規制対応として不十分な可能性がある。
  7. 10代向けの施策は、その場のコンバージョンではなく保存の蓄積をゴールに置く(15〜19歳は「保存はするが購入しない」が35.0%)。
  8. YouTubeとInstagramを主軸に据える。この2媒体で滞在時間の58.9%を占め、購入のきっかけとしても上位に入る。

TaTapでは、Z世代を含むSNS世代への到達設計から運用までを支援しています。UGCを増やす施策やインフルエンサーの起用はインフルエンサーマーケティング/UGC支援、保存される投稿設計を含むアカウント運用はSNS運用代行、滞在時間の首位であるYouTubeの整備はYouTube運用代行でそれぞれご案内しています。

株式会社TaTapについて

株式会社TaTapは、Instagram・TikTok・YouTube・Xを中心としたSNSマーケティング支援およびインフルエンサーマーケティングを提供する企業です。SNS運用代行、インフルエンサーキャスティング、ギフティング、EC・D2Cの売上グロース支援、AI検索対策(LLMO)コンサルティングまでを一気通貫で支援しています。

本調査は、生活者のSNS・AI利用実態を継続的に把握するために定期的に実施している「TaTap SNS調査」の第2回です。今後も、SNSと購買行動に関するテーマで調査結果を公開してまいります。

※本記事の数値は2026年7月28日に実施した調査に基づくものです。

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完全版レポート(全設問クロス集計付きPDF)

本記事では調査結果の一部を紹介しています。完全版では以下をすべてご覧いただけます。

  • 全12問の単純集計データ
  • 性別・年代別(15〜19歳/20〜29歳)クロス集計表
  • 図表14点の高解像度版

    本調査の引用・転載について

    本調査結果の引用・転載は、報道・記事・資料等で自由にご利用いただけます。その際は下記の出典を明記のうえ、本レポートページへのリンクを設置してください。グラフ画像もそのままご利用いただけます。

    出典:株式会社TaTap「TaTap SNS調査 第2回(2026年8月)」 https://tatap.jp/research/z-gen-sns-shopping-2026/
    グラフ画像一式をダウンロード(zip・無償) 報道・記事作成用の素材です。出典明記のうえご自由にお使いください。

    詳細は調査データの引用についてをご覧ください。

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