AI検索時代の購買行動調査|AI利用者の57.2%が「AIきっかけで購入」、しかしAIだけで判断は2.4%
公開日:2026.07.24 / 更新日:2026.08.03

ChatGPTやGoogleのAI Overviewで商品を探す人が増えています。では、AIが商品名を答えたあと、生活者は本当にそのまま買っているのでしょうか。株式会社TaTap(東京都千代田区/SNSマーケティング支援)は、全国20〜49歳の男女321名を対象に、AI検索の利用実態と、AIで知った商品をどこで確かめているかを調査しました。
結果は明快でした。AI利用者の57.2%がAIの回答をきっかけに購入しており、AIはすでに購買の入口として機能しています。一方で、AIの回答だけで判断する人はわずか2.4%。ほとんどの人は購入前に別の場所で「裏を取り」、その裏取り先の上位にSNSが並びました。さらにSNSに口コミが見つからないと62.0%が不安を感じ、34.4%は購入をやめることがあると回答しています。
本記事では、AI検索時代の購買行動を11のグラフで解説し、企業がいま何を整えるべきか(LLMO対策とSNS運用の関係)を整理します。
調査結果サマリー(1分で読む要点)
- 生成AI・AI検索の利用経験は77.9%。「現在も使っている」は70.7%、「ほぼ毎日」だけで36.4%。
- AI利用者の57.2%が「AIの回答がきっかけで購入・申込・来店した経験がある」。20代は「何度もある」だけで44.2%。
- AIで知った商品を購入前に調べる先は、Google 41.2%に次いでX 34.0%、Instagram 28.4%、YouTube 25.6%。SNS・動画の延べ選択数は259件で、Google(103件)の約2.5倍。
- 「調べずにAIの回答だけで判断する」はわずか2.4%。AIは”最終回答”ではなく”最初の入口”として使われている。
- AIにすすめられた商品にSNSの口コミがほとんど無い場合、62.0%が不安を感じ、34.4%は「購入をやめることがある」。
- AIの回答に企業のSNS投稿やYouTube動画が引用元として表示されると、59.6%が「信頼が上がる」。
- 情報探索の起点は、Google 44.9%に対し生成AI 16.5%で、すでにSNS単独(12.1%)を上回り第2位。

調査概要
| 調査名 | AI検索時代の購買行動調査(TaTap SNS調査 第1回) |
|---|---|
| 調査主体 | 自社調査(株式会社TaTap) |
| 調査手法 | インターネットリサーチ(外部モニターパネルを利用したセルフ型調査) |
| 調査対象 | 全国の20〜49歳男女 |
| 有効回答数 | 321名(20代112名/30代105名/40代104名、男性168名・女性153名) |
| 調査期間 | 2026年7月30日〜8月1日 |
| 設問数 | 9問(単一回答・複数回答のみ、マトリクス設問なし) |
| 集計 | 全体集計および性別・年代別クロス集計 |
※本文中の数値は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※Q2〜Q5・Q8は「生成AI・AI検索の利用経験がある人(n=250)」を、Q1・Q6・Q7・Q9は「全体(n=321)」をベースに集計しています。
※全体n=321の場合の標本誤差は最大±5.5ポイント、n=250の場合は最大±6.2ポイント、年代別(各n≒100〜112)は最大±9.8ポイントです。年代差については、差が15ポイント以上あるものを本文で「差がある」と表現しています。
Q. 生成AI・AI検索は、もう「一部の人のもの」ではないのか?
A. いいえ。20〜49歳の77.9%が利用経験を持ち、36.4%は「ほぼ毎日」使っています。
生成AIやAI検索(ChatGPT、Google の AI Overview など)の利用頻度を聞いたところ、「ほぼ毎日利用している」が36.4%と最も多く、「週に数日」24.3%、「月に数日」10.0%を合わせると、70.7%が現在も継続的に利用していました。「利用したことがない」は22.1%にとどまります。
かつて「一部のITリテラシーが高い層のツール」とされていた生成AIは、20〜49歳においては、すでに日常的な情報行動のインフラになっています。

年代別に見ると20代の突出が大きい
「ほぼ毎日利用している」は20代54.5%、30代27.6%、40代26.0%。20代と40代では28.5ポイントの開きがあり、20代の半数以上が毎日AIに触れている計算になります。逆に「利用したことがない」は20代15.2%に対し40代27.9%でした。
Q. AIの回答は、実際の購買につながっているのか?
A. つながっています。AI利用者の57.2%が「AIの回答がきっかけで購入・申込・来店した」と回答しました。
AI利用者(n=250)に、AIの回答がきっかけで商品・サービスを購入(申し込み・来店)した経験を聞いたところ、「何度もある」27.2%、「1〜2回ある」30.0%で、合計57.2%が購入経験ありと回答しました。「ない」は36.4%です。
AI検索は「調べもの用のツール」という認識が一般的ですが、実態としては半数を超える利用者がすでに購買行動まで到達しています。企業から見れば、AIの回答内に自社が登場するかどうかは、認知だけでなく売上に直結する変数になりつつあるということです。

20代は「何度もある」が44.2%
「何度もある」と答えた割合は、20代44.2%、30代18.8%、40代14.7%。20代は40代の約3倍で、AIを購買の意思決定に組み込む習慣がすでに定着しています。また、AIの用途として「商品・サービス選び(おすすめを聞く・比較する)」を挙げた人も20代は37.9%(30代17.5%、40代18.7%)と突出していました。
Q. AIで知った商品を、人はそのまま買うのか?
A. 買いません。AIの回答だけで判断する人は2.4%。大半はSNSや検索で「裏を取って」から買っています。
本調査で最も重要な結果です。「AIの回答で初めて知った商品・ブランドを、購入前にさらに調べるとしたらどこで調べるか」を複数回答で聞いたところ、最多はGoogle等の検索エンジンで41.2%。次いでX(旧Twitter)の投稿・評判34.0%、Amazon・楽天などECサイトのレビュー28.8%、Instagram 28.4%、YouTubeのレビュー・解説動画25.6%と続きました。
そして「調べずにAIの回答だけで判断する」は、わずか2.4%(250人中6人)。つまり生活者にとって、AIの回答は「答え」ではなく「候補の提示」であり、そこから必ず確認作業が入ります。

SNS・動画の延べ選択数はGoogleの約2.5倍
X・Instagram・YouTube・TikTokの4サービスの選択数を合計すると259件となり、Googleの103件の約2.5倍にのぼります。単一のサービスとして最も強いのはGoogleですが、「SNSで確かめる」という行動全体で見れば、その規模は検索エンジンを大きく上回っています。
なお年代別では、20代はX 44.2%、Instagram 38.9%、TikTok 23.2%とSNSでの裏取りが強く、40代はGoogle 46.7%、Amazon・楽天40.0%、店頭で実物を確認25.3%と、従来型の確認手段が中心でした。一方でYouTubeだけは20代24.2%・40代28.0%とほぼ差がなく、全年代共通の確認先として機能しています。

Q. SNSに口コミがない商品は、どうなるのか?
A. 62.0%が不安を感じ、34.4%は「購入をやめることがある」と答えています。
「AIにすすめられた商品を調べたとき、SNSに投稿や口コミがほとんど見つからなかったらどう感じるか」という問いに対し、「不安になり、購入をやめることがある」が34.4%、「少し不安になるが、購入はする」が27.6%。合わせて62.0%が何らかの不安を覚えると回答しました。「特に気にならない」は20.8%にとどまります。
これは企業にとって、AIに拾われる情報を整えるだけでは購買が完了しないことを示しています。AIが商品名を挙げても、その名前でSNSを検索した先に何も無ければ、3人に1人は購入を取りやめる。SNS上の情報の”量と鮮度”が、そのまま購入のブレーキ/アクセルになっているわけです。

なお「購入をやめることがある」は20代43.2%、40代36.0%と全年代で3〜4割を占め、若年層に限った現象ではありません。
Q. 情報源として、AIとSNSはどちらが信頼されているのか?
A. AI寄り33.1%に対しSNS寄り37.7%。ほぼ拮抗しており、どちらか一方では足りません。
商品・サービスの情報として、より信頼できるのはAIの回答かSNSの口コミかを聞いたところ、AI寄り(「AIのほうが信頼できる」9.7%+「どちらかといえばAI」23.4%)が33.1%、SNS寄り(「どちらかといえばSNS」24.6%+「SNSの口コミのほうが信頼できる」13.1%)が37.7%。わずかにSNSが上回るものの、統計的には拮抗しています。「どちらも信頼していない/わからない」も29.3%ありました。
特徴的なのは20代で、「AIの回答のほうが信頼できる」と言い切った人が20.5%(30代・40代はいずれも3.8%)。若年層ほどAIへの信頼が厚い一方、前述のとおり同じ20代がSNSでの裏取りも最も熱心に行っています。AIとSNSは代替関係ではなく、「AIで当たりをつけ、SNSで確信を得る」という補完関係にあると読むのが自然です。

情報探索の起点では、生成AIがすでにSNSを上回る
商品・サービスを調べるとき最初に使うサービスを1つ選んでもらったところ、Google・Yahoo!などの検索エンジンが44.9%で首位。続いてChatGPTなどの生成AI・AI検索が16.5%で、Instagram/TikTok/X/YouTube(12.1%)やAmazon・楽天などのECサイト(10.9%)を上回り第2位となりました。
20代では生成AIが21.4%、SNSが16.1%。「検索の入口」というポジションで、生成AIはすでにSNSを追い越しています。

Q. AIの回答に引用元が表示されると、信頼は変わるのか?
A. 変わります。59.6%が「引用元があると信頼が上がる」と回答しました。
AIの回答に企業のSNS投稿やYouTube動画が引用元として表示されていた場合の信頼の変化を聞いたところ、「引用元があると信頼が上がる」28.4%、「引用元の内容によっては信頼が上がる」31.2%で、合計59.6%が信頼向上と回答。「引用元の内容によっては逆に下がる」は6.4%でした。
引用元は、AIにとっての参照先であると同時に、生活者にとっての「信頼の担保」としても機能しています。裏を返せば、引用元として表示された投稿や動画の中身が薄い場合、6.4%は逆に信頼を落とすということでもあります。AIに拾われることと、拾われた先のコンテンツの質を保つことは、セットで考える必要があります。

Q. 生活者が企業に求めている「発信」は何か?
A. 公式サイトのFAQ(28.7%)とYouTubeの解説・レビュー動画(26.2%)が上位。SNS3媒体の合計は延べ212件にのぼります。
商品・サービスを選ぶとき企業にあると助かる発信を複数回答で聞いたところ、「公式サイトの詳しい商品情報・FAQ」28.7%が最多。次いで「YouTubeなどの詳しい解説・レビュー動画」26.2%、「購入者の口コミ・体験談の紹介」23.1%、「InstagramやTikTokでの実際の使用シーンの投稿」21.5%、「X(旧Twitter)での最新情報・ユーザーとの交流」18.4%と続きました。
SNS・動画3媒体(YouTube/Instagram・TikTok/X)の選択数を合計すると延べ212件となり、公式サイト(92件)の2倍以上。「公式情報も欲しいが、それだけでは足りない」という生活者像が浮かび上がります。
年代別では、20代は「InstagramやTikTokでの実際の使用シーンの投稿」33.0%が最も高く(30代12.4%、40代18.3%)、40代は「公式サイトの詳しい商品情報・FAQ」38.5%が最上位。世代によって「安心する情報の形」が異なることも示されました。


調査からの示唆:LLMO対策は「AIに拾われる」だけでは完成しない
本調査の結果を、企業のマーケティング施策に翻訳すると次の3点になります。
① AIは「認知の入口」、SNSは「確信の場」──役割が分かれている
AI利用者の57.2%がAI経由の購入経験を持つ一方、AIの回答だけで判断する人は2.4%しかいません。生活者はAIで候補を知り、SNSや検索で確かめてから買っています。したがってLLMO(AI検索最適化)対策は、「AIの回答に出ること」と「出たあとに調べられて耐えること」の二段構えで設計する必要があります。前者だけを最適化しても、後者が空白なら62.0%の不安に引っかかり、34.4%は離脱します。
② SNSごとに担う役割が違う
同じ「SNS」でも、本調査では次のように役割が分かれました。企業が全SNSを均等に運用する必要はなく、自社の商材が「どの確認行動を必要とされているか」で優先順位を決めるべきです。
| 媒体 | 裏取り利用率 | 主な役割(本調査からの解釈) |
|---|---|---|
| X(旧Twitter) | 34.0% | リアルタイムの評判・不具合情報の確認。ネガティブ含む生の声を探す場 |
| 28.4% | 使用イメージ・世界観の確認。20代の裏取り先として38.9%と特に強い | |
| YouTube | 25.6% | 詳細な解説・比較の確認。20代24.2%/40代28.0%と全年代で共通に使われる |
| TikTok | 15.6% | 20代限定色が強い(20代23.2%/40代6.7%)。若年層向け商材で有効 |
特にYouTubeは、年代差がほとんどない唯一の確認先であり、かつ「企業にあると助かる発信」でも26.2%と上位でした。AIが長尺の解説コンテンツを引用しやすい構造とも整合しており、LLMO対策の起点として合理性があります。
③ 「情報が無い」こと自体がリスクになる
従来、SNS運用の効果は「リーチ」や「エンゲージメント」で語られてきました。しかし本調査が示したのは、それ以前の問題です。AIに商品名を挙げてもらえたとしても、SNSに情報が無ければ34.4%は購入をやめる。SNSの投稿は、届けるための資産であると同時に、「調べられたときに存在していること」自体が購買の前提条件になっている、ということです。
これはUGC(ユーザー投稿)が少ない新商品・BtoB商材・地方の店舗ほど深刻に効きます。AI検索経由の流入が増えるほど、SNS上の情報の空白が、そのまま取りこぼしになります。
企業がとるべき対応(実務チェックリスト)
- 自社名・商品名でAIに質問し、どう答えられるかを確認する。引用元に何が表示されるかまで見る。
- 同じ商品名でX・Instagram・YouTube・TikTokを検索し、情報が「ゼロ」になっていないかを確認する。ゼロなら最優先で埋める。
- YouTubeに、商品の詳しい解説・レビュー動画を用意する(全年代共通の確認先であり、AIの引用元にもなりやすい)。
- Instagram・TikTokで実際の使用シーンの投稿を継続的に出す(20代の33.0%が求めている形式)。
- 公式サイトにFAQと詳細な商品情報を置く(28.7%が最も求める形式であり、AIが参照する一次情報にもなる)。
- インフルエンサー施策やUGC施策は「リーチを買う」ではなく「検索されたときに出てくる情報を作る」目的で設計し直す。
- 引用元として表示されたときに耐えられる内容かを点検する(内容が薄いと6.4%は逆に信頼を落とす)。
TaTapでは、AI検索時代を前提としたSNS戦略の設計から運用までを支援しています。AI検索対策(LLMO)の考え方はAI検索対策(LLMO)コンサル、SNS上の情報量を増やす施策はインフルエンサーマーケティング/UGC支援、全年代の確認先となるYouTubeの整備はYouTube運用代行でそれぞれご案内しています。
株式会社TaTapについて
株式会社TaTapは、Instagram・TikTok・YouTube・Xを中心としたSNSマーケティング支援およびインフルエンサーマーケティングを提供する企業です。SNS運用代行、インフルエンサーキャスティング、ギフティング、EC・D2Cの売上グロース支援、AI検索対策(LLMO)コンサルティングまでを一気通貫で支援しています。
本調査は、生活者のSNS・AI利用実態を継続的に把握するために定期的に実施している「TaTap SNS調査」の第1回です。今後も、SNSと購買行動に関するテーマで調査結果を公開してまいります。
※本記事の数値は2026年7月30日〜8月1日に実施した調査に基づくものです。
完全版レポート(全設問クロス集計付きPDF)
本記事では調査結果の一部を紹介しています。完全版では以下をすべてご覧いただけます。
- 全9問の単純集計データ
- 性別・年代別クロス集計表(全設問)
- 図表11点の高解像度版
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本調査の引用・転載について
本調査結果の引用・転載は、報道・記事・資料等で自由にご利用いただけます。その際は下記の出典を明記のうえ、本レポートページへのリンクを設置してください。グラフ画像もそのままご利用いただけます。
出典:株式会社TaTap「AI検索時代の購買行動調査|AI利用者の57.2%が「AIきっかけで購入」、しかしAIだけで判断は2.4%」 https://tatap.jp/research/ai-search-behavior-2026/
詳細は調査データの引用についてをご覧ください。