2026.01.16

【AI時代のEC戦略最前線】楽天市場×Rakuten AIでビジネスがどう変わるのかを徹底解説!

snsSNSマーケティングトレンドアカウント運用
Pointこの記事でわかること

読了目安:約

目次

楽天市場で「ディスカバリーレコメンデーション」という新機能が本格的に提供され始めました。これは、ユーザーが「楽天市場」アプリのホーム画面にある「探す」タブをタップすることで表示される「発見」ページのことを指します。ここをスクロールするだけで、各ユーザーの好みに最適化された様々な商品の画像や動画を閲覧することができるのです。

皆さん、この変化にすでにお気づきになられたでしょうか。正直なところ、現状では「探す」タブの位置が少し分かりづらかったり、ユーザーが自ら一歩中に入っていかなければならなかったりするため、利用状況としては「まだまだこれから」という面もあるかもしれません。ですが、楽天というプラットフォームが今、まさにこうした「発見型」の領域に全力を注いでいるという現状は、ECに携わる者として見逃せません。

そこで、「AI時代のEC戦略最前線」をテーマに、「楽天市場×AI」の掛け合わせによって私たちのビジネスがどう変わるのかを徹底的に解説します。2026年1月5日の最新ニュースからも情報をピックアップしていますが、楽天が「楽天AI」をリリースしたことで、今まさに楽天が何を狙っているのか。そして、EC事業者、SNS担当者、経営者はこの変化をどのように戦略へ生かすべきなのか。その本質に迫ります。

楽天AIは、あなたのビジネスを加速させる「AIコンシェルジュ」|楽天市場 Rakuten AI

まず改めて、今回登場した「楽天AI」とは何かを整理しましょう。 これは楽天グループが楽天市場アプリに直接搭載したAI機能です。最大の特徴は、利用者が「テキスト」「音声」「画像」というマルチな手段で入力を行い、AIと対話しながら商品を探せる「AIコンシェルジュ」として機能する点にあります。

先日、世界的に「Meta AI」が登場し、Meta社も同様の展開を見せている中で、やはり2026年の今年は「AI元年」と呼ぶにふさわしいほど、AIがビジネスの成否を分ける重要な存在となっています。楽天AIは、ユーザーの「希望」「予算」「購入目的」「活用シーン」などを聞きながら対話を進め、AIが最適な商品を提示してくれる仕組みです。

そのポイントは、大きく以下の3点に集約されます。

1. 自然言語による対話型検索・提案

従来のキーワード検索のように単語を並べるのではなく、「子供のプレゼントを探している。3,000円以内で、今週中に使いたい」といった、私たちが普段話す「自然言語」で条件を伝えられるのが強みです。AIとキャッチボールをしながら、検索の精度を高めていくことができます。

2. マルチモーダル対応の実現

入力手段はキーボード入力に限りません。画像や音声による入力にも完全対応しており、ユーザーは自身の状況に合わせて、最も直感的な方法でAIとのコミュニケーションを図ることができます。

3. 5億点の商品群に基づく精緻な提案

楽天市場が抱えるSKU(在庫最小単位)は数億規模に及びますが、楽天AIはなんと5億点もの膨大な商品の中から、その瞬間に最適な提案を弾き出します。AIが介在することで、検索の質そのものがこれまでの次元を超え、劇的に変わっていく可能性が出てきています。まさに、膨大すぎて「何を選べばいいかわからない!」というユーザーの絶望を救う、救世主的な機能です。

なぜ今、楽天は「AI導入」という重大な決断をしたのか|楽天市場 Rakuten AI

ここからが、今日お伝えしたいお話の本質、いわゆる「核心」の部分です。 楽天が今回、AIをこれほどまでに強力にプッシュしているのは、決して単なる「流行りに乗った機能追加」ではありません。これは楽天のEC戦略の中核を揺るがすような、極めて重い決断だと私は考えています。楽天がAI導入を断行した背景には、以下の3つのロジックが存在します。

ロジック1:消費者行動の劇的な変化と「おっくう化」

今、ユーザーの行動が根本から変わっています。もはや欲しい商品を自らキーワードを捻り出して探すのではなく、「何が欲しいかは明確ではないけれど、自分に最適なものを提案してほしい」というニーズが主流になっています。 これはSNSのアルゴリズムがすでに示している通りですが、現代のユーザーは自分で検索することさえ「おっくう」になってきているんです。口には出しませんが、「私の好みに合わせて、勝手におすすめを提案してよ」というのがユーザーの本音。 そこでおすすめされた商品を見て、「あ、これ確かにちょうど欲しいと思ってたわ。気になるから買おう」という体験を求めているのです。SNS検索における「自然言語行動」が普及した今、楽天もその潮流をEC全体に取り込もうとしています。Google検索からSNS検索へとユーザーが移行した文脈が、今まさにECの世界でも再現されているのです。

ロジック2:5億点のSKUにおける「発見価値」を高める必要性

5億点という膨大な商品数は楽天市場の大きな強みですが、一方でユーザーからすれば「探す難易度が極めて高い」という状態でもあります。 別の例を出すと、クックパッドでもかつて同じことが起きていました。「カレー」と調べるとレシピが出すぎてしまい、結局どれで作ればいいかが分からなくなる、という現象です。レシピが100万件あっても、ユーザーが知りたいのは「今日の自分にぴったりのレシピ」一つだけ。そうなると、ユーザーにとっては自分から探すよりも「おすすめ」を提示される方が、実は体験として良かったりするわけです。 そこでAIを間に挟むことで、ユーザーの潜在ニーズを可視化したり、細かな条件を引き出して絞り込んだりする。こうして「ディスカバリーショッピング体験」の創出へと、楽天は大きく舵を切ったのです。

ロジック3:プラットフォーム間の激しい価値競争

Amazonをはじめとする競合EC勢も、AIを活用した接点強化を急いでいます。もはや、検索体験そのものがECの競争軸となっており、従来の「機能的な商品検索」から、AIによる「商品体験の提供」へとシフトしてきているという事実があるのです。もはや安さや品揃えだけで勝てる時代は終わり、AIがいかにユーザーの心を掴む提案ができるかという「体験」の勝負になっています。

AI化によって顧客体験の質はどう変化するのか|楽天市場 Rakuten AI

それでは、AI化によって顧客体験はどう変わっていくのでしょうか。 一言で言えば、「曖昧なニーズであっても、対話を通じてその解像度を上げていくことができる」ようになります。 従来の検索はキーワードに依存していたため、検索語句が正確でないと結果も不十分になってしまうという課題がありました。ユーザー側にある程度の言語化能力が求められていたのです。 しかし、AIとの対話検索であれば、AI側がニーズを深掘りしてくれ、ケースごとにユーザーに最適な結果を提案してくれます。この体験設計の進化は、まさに圧倒的です。さらに、音声や画像の活用によって、検索という行為そのものがユーザーとの会話、つまり「温かい接客体験」へと変わっていく。これは、これまでの無機質な検索エンジンでは成し得なかった変革です。

私たちEC事業者はどのように対応すべきか:3つの生存戦略|楽天市場 Rakuten AI

この大きな構造変化を踏まえ、EC事業者が意識すべき点は以下の3つに集約されます。

1. 商品ページの定義が変わる(AIO:AI最適化の重要性)

AIが商品を提案する際、参照されるのは単なるスペックデータだけではありません。画像や説明文の構造、そしてレビューの質といったものが、AIの「理解度」に大きく影響してくるはずです。 そのため、従来のSEO対策に加えて、AIによる理解の最適化、いわゆる「AIO(AI Optimization)」が極めて重要になります。「どれだけ機械(AI)が商品を正しく、かつ深く理解できるか」という視点が、これからのページ作りには不可欠です。AIに「この商品は素晴らしい!」と認めさせる必要があるのです。

2. 潜在ニーズを引き出す「商品コンテンツ」の再設計

ユーザーはAIに対し「これが欲しい」という指名買いではなく、「こういう暮らしの場面で使いたい」「こんな悩みを解決したい」というニュアンスで対話を行います。 ですから、商品説明には単なる機能紹介だけでなく、具体的なシーン設定や想定される利用フローをセットで入れ込むといった、抜本的な再設計が必要になってくるでしょう。「AI君、この商品はこういう時に役立つんだよ」と、AIに対してもプレゼンするようなコンテンツ作りが求められます。

3. 検索体験データの戦略的活用

対話型検索の結果として得られるのは、単なる検索結果だけではありません。 「どんな購買意図があるのか」「ユーザーの欲求の階層はどうなっているのか」「商品カテゴリー間の意外な関連性は?」といった、これまで見えなかった非常に深いデータを活用していくことが必須になります。

ここで、SNSとECの接続が極めて重要な意味を持ってきます。SNSのコンテンツで用途やシーンの訴求を行い、ユーザーの問題提起をする。そうしてSNSで作った熱量の高いコンテンツを、そのままEC側にも活用していく。この「SNS×EC」の流れが、これからの時代には非常におすすめです。

勝ち残るECプレイヤーのあり方と最終結論|楽天市場 Rakuten AI

最後にまとめさせていただきます。AI時代のECにおいて勝ち残るためには、以下の2点を徹底する必要があります。

今回の楽天AIの搭載は、単なる検索機能の拡充などではなく、EC体験そのものの「再設計」を意味しています。消費者の体験は、今や「情緒・意図・行動」という一連の流れを持つようになりました。 これからの勝ち筋は、「AIを生かすコンテンツ設計」「SNS×ECのナーチャリング設計」「体験を最適化するデータ設計」、そして「AI理解を前提としたブランド表現」です。

SNSは、もはや単なる情報の「発信場所」ではありません。AIがそのブランドや商品を深く理解するための「コンテキスト(文脈)を作る場所」へと進化していくのです。 Tatapでは、まさにこのAI時代のEC×SNS支援を専門に行っております。AIという強力な追い風を味方につけたい方、自分たちのブランドを「AI時代の勝者」に育て上げたい方は、ぜひお気軽にタップまでご相談ください。

SNSのことならTaTap

このほかにも、役立つナレッジを多数ご用意しておりますので、ご興味がありましたらぜひご一読ください。
また、弊社代表・富田竜介の書籍『99%の経営者は知らない 中小企業のための正しいSNSマーケティング』(幻冬舎)もご好評をいただいております。あわせてご覧いただけますと幸いです。

支援企業の成功事例

TaTapが支援した企業の成功事例をご紹介します

Related knowledge

関連するナレッジ

TaTapの提供サービス内容や数多くの実績や事例についての資料をダウンロードいただけます。
ぜひ一度ご覧ください。

私たちTaTapはSNSを活用したマーケティングの戦略設計から伴走支援をいたします。課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。