【推し活×SNSの力】なぜファンコミュニティはブランドよりも強いのか

- 推し活はSNSと結びつき自己表現化
- ファン発信は広告より信頼性が高い
- 共感の連鎖が拡散力を生む仕組み
- 横の繋がりが強固なコミュニティ形成
- アイデンティティと結びつき離脱しにくい
- 企業は語りやすい土壌づくりが重要
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近年、SNSを中心に広がる推し活文化は、単なる趣味や個人の楽しみを超えて、マーケティングの世界にも大きな影響を与えています。アイドルやアーティスト、キャラクターにとどまらず、企業の商品やサービスまでも「推し」と表現されるようになった今、なぜファンコミュニティの力がブランドそのものを上回るとまで言われるのでしょうか。本記事では、推し活とSNSの関係、ファンコミュニティが持つ強さの理由、そして企業がどう向き合うべきかを具体的な事例を交えて解説していきます。
推し活×SNS|推し活とは? その定義と広がり

「推し活」とは、自分が特に応援している対象=推しを日常的に支えたり広めたりする活動のことです。
もともとはアイドルファンの文化から生まれ、例えば「AKB48の前田敦子さんが推し」といった表現で広まりました。その後、2020年代に入ってから一気に拡大し、対象は人間だけでなく、キャラクターやVTuber、さらにはコスメ・家電・ファッションブランド・飲食チェーンにまで広がっています。
- 「スタバが推しです」
- 「無印良品が推しです」
- 「うちの冷蔵庫は日立が推しです」
このように、推し活は生活全般に浸透しつつあるのです。。
推し活×SNS|推し活とSNSはなぜ相性がいいのか

推し活は、SNSとの親和性が非常に高い文化です。
SNS上ではアルゴリズムによって「界隈ごとに拡散」しやすいため、自然とコミュニティが形成されやすい構造があります。
- X(旧Twitter):#◯◯推し というハッシュタグで拡散
- Instagram:推し活アカウントの増加、推し投稿の専門化
- TikTok:推しと暮らす日常を切り取ったショート動画が人気
推し活は単なる趣味を超え、自己表現やセルフプロデュースの一部としてSNSで可視化されるようになっています。
推し活×SNS|ファンコミュニティはなぜブランドより強いのか

ここから本題です。なぜ企業が作ったブランドよりも、ファンコミュニティの力の方が強いとされるのでしょうか。その理由は大きく4つに整理できます。
1. 利害関係がないから信頼される
企業が商品をアピールするときには「売りたい」という意図が存在します。一方で、ファンの発信は純粋な好意に基づくものです。
「この商品が本当に好き」「私の推しを応援してほしい」という想いは、第三者に強い共感を呼び、広告以上の信頼性を持ちます。
2. 共感による拡散力が段違い
推し活の基本は「共感」です。
「私もそれ好き!」「同じの使ってる!」といった共鳴がSNSアルゴリズムに乗り、一気に拡散されます。結果、企業の広告より熱量の高い広がりを生み、ブランド想起や態度変容に直結するのです。
3. 横のつながりによるネットワーク効果
ブランドは「上から下へ」発信する構図ですが、ファンコミュニティは横のつながりで広がるのが特徴です。1人の熱狂的なファンがきっかけとなり、何百人・何万人へと巻き込んでいくことが可能になります。
4. アイデンティティと直結する
推し活はその人の人格やアイデンティティの一部になります。
「私=このアイドルのファン」「私=このブランド愛用者」という自己認識に結びつくため、広告以上に強固で長期的な関係を築きます。
推し活×SNS|事例から学ぶ推し活マーケティング

ここでは具体的な企業・アーティストの事例を紹介します。
スターバックス
新作フラペチーノが出るたびにSNSでバズりますが、これはスタバ自身の広告ではなく、ファンが「推しフラペ」として発信しているからです。自分なりのアレンジやレビューを投稿することで、新しいファンを巻き込みながら拡大しています。
BTS(アーティスト)
BTSのファン「ARMY」は単なるリスナーを超えたグローバルな応援コミュニティです。同じようにTWICEの「ONCE」、Snow Manの「すの担」、FANTASTICSの「FANTARO」など、アーティストごとにファン文化がブランドそのものとなっています。
無印良品
SNS上には無印だけを発信するアカウントが存在します。ファンが自発的にブランドアンバサダーとなり、企業の広報以上にブランド価値を高める役割を担っています。
推し活×SNS|企業が推し活と向き合うための3つのポイント

では、企業は推し活とどう向き合えばよいのでしょうか。
・ファンコミュニティをコントロールしない → むしろファンが語りやすいストーリー(開発秘話・裏側・スタッフの想い)を提供する
・UGC投稿を拾い上げて拡散する → Xで引用ポスト、Instagramのリポスト機能を積極的に活用
・ファンと一緒に作る → キャンペーンや新商品開発にファンの声を取り入れ、参加型のブランド体験を生む
推し活×SNS|これからの推し活×SNSの未来

未来の推し活文化はさらに進化すると考えられます。
- AI推し:バーチャルアイドルやAIインフルエンサーが台頭
- マイクロ推し:大衆的スターではなく、ニッチな存在に熱量が集中
ここで重要なのは、企業やブランドは主役ではなく舞台を整える裏方だという点です。熱狂の中心にいるのは常にファン自身。その構図を意識した運用が鍵になります。
推し活×SNS|まとめ

・推し活は趣味ではなくSNSでの自己表現の一部
・ファンの声は企業メッセージより信頼され、共感で拡散
・コミュニティは横のつながりで広がり、強いアイデンティティを生む
・企業はファンをコントロールせず、語りやすい土壌を提供することが重要
「推しは推せる時に推せ!」という言葉があるように、企業にとっても推されるブランドを作れるかどうかが今後のマーケティング成功の分かれ道になるでしょう。
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