2024.07.22

インフルエンサーからアンバサダー起用へのシフトが進む理由

snsX(旧Twitter)instagramTikTokSNSマーケティングトレンド集客・PRアカウント運用
Pointこの記事でわかること

読了目安:約

目次

ブランドセイフティの重要性

近年、企業のマーケティング戦略において「ブランドセイフティ」の概念がますます重要視されるようになっています。ブランドセイフティとは、ブランドのイメージや評判を守るための施策を指します。特に、SNSやインターネット上でのプロモーション活動が活発化する中で、インフルエンサーによる誤った情報や不適切な発言がブランドに大きなダメージを与えるリスクが高まっています。このため、企業はブランドセイフティを確保するために、より信頼性の高いアンバサダーとの提携にシフトしているのです。

インフルエンサーの効果の変化

一昔前まで、インフルエンサーがSNSで商品を紹介することは、即座に「バズ」を生み出し、商品購買に繋がる効果的な方法でした。しかし、近年ではユーザーや消費者が情報に対して賢くなり、インフルエンサーの一度きりの投稿では「あー、この人も投稿してるんだ」程度の認識しかされないことが増えました。さらに、その投稿がPRや広告であることが明確な場合、消費者はそれを「やらせ」と感じ、購買行動に繋がらないことが多くなっています。

消費者が情報に対して敏感になった背景には、インフルエンサーによる広告の氾濫が挙げられます。多くのインフルエンサーが様々なブランドのPRを行う中で、消費者は次第にその広告手法に対して懐疑的になってきました。一度の投稿で消費者の購買行動を促すことは難しくなり、その結果、インフルエンサーの効果は徐々に低下しています。また、インフルエンサーの信頼性が低下することで、消費者はその意見や推薦を軽視する傾向が強まっています。

アンバサダーの台頭

これに対して、アンバサダーは金銭的な報酬目的ではなく、ブランドの思想や世界観、サービスやプロダクトに共感し、心からそのブランドを支持する「仲間」としての役割を果たします。アンバサダーは気に入った商品を繰り返し投稿し続けることで、「この人は本当にこのブランドが好きなんだ」と認識されます。アンバサダーのファンも「この人が好きだから、私もおすすめ商品を使ってみよう」と思い、購買行動に繋がるのです。

アンバサダーの影響力

アンバサダーは別名「プロ消費者」とも呼ばれ、一般の消費者と企業の仲を取り持つ役割を果たします。彼らはブランドの熱狂的なファンであり、その影響力は絶大です。アンバサダーの存在により、「こんなに熱狂的なファンがいるブランドなら、私も投稿したい」と思うインフルエンサーが増え、結果としてそのインフルエンサー自身がアンバサダーになることもあります。このように、アンバサダーが増えることでブランドの信頼性と影響力がさらに高まるのです。

アンバサダーの影響力は、単なる消費者の枠を超えています。彼らはブランドの代表として、コミュニティ内での信頼を築き、他の消費者に対してブランドの魅力を伝える重要な役割を果たします。アンバサダーが積極的にブランドを推進することで、その影響力はさらに広がり、結果としてブランド全体の認知度や信頼性が向上します。インフルエンサーがアンバサダーになることで、彼らの影響力とブランドの信頼性が相乗効果を生み出し、企業のマーケティング戦略において大きな成功を収めることができるのです。

アンバサダーは、ブランドの理念や価値観を深く理解し、自らのライフスタイルの一部としてそのブランドを取り入れています。彼らの投稿は自然であり、消費者に対して説得力を持ちます。また、アンバサダーはブランドとの長期的な関係を築いており、そのために継続的なサポートを受けています。このような背景から、アンバサダーの投稿は消費者に対して信頼性が高く、購買意欲を喚起しやすいのです。

企業の対応

企業がこの変化に対応するためには、以下のような施策が求められます。

フォロワーとのコミュニケーションの強化

アンバサダーの起用が進む中で、企業が最も重要視すべきは、フォロワーである顧客とのコミュニケーションです。フォロワーのコメントにきちんと返信する、DMに迅速に応答するなど、細やかなコミュニケーションが信頼を築き、ブランドの評価を高めることに繋がります。企業は単に自社発信の投稿でリーチを取ることに注力するのではなく、既存のファンとの交流を深めることが最優先です。

消費者とのコミュニケーションは、ブランドの信頼性を高めるために不可欠です。フォロワーが企業との直接的な対話を通じて感じる信頼感や安心感は、ブランドの価値を高める重要な要素です。また、フォロワーとのコミュニケーションを通じて、企業は消費者のニーズやフィードバックを直接受け取ることができ、それを製品やサービスの改善に活かすことができます。こうした取り組みが、ブランドと消費者の間に強固な信頼関係を築き、ブランドの評価を向上させるのです。

アンバサダーの育成と支援

企業はアンバサダーを単なるプロモーションツールとして扱うのではなく、彼らとの関係を大切にし、支援することが求められます。例えば、アンバサダーに対して定期的な情報提供や専用イベントの開催を行うことで、彼らのモチベーションを高めることができます。また、アンバサダーが投稿する内容に対して企業側からも積極的にフィードバックを行うことで、より質の高いプロモーションが実現します。

アンバサダーとの関係を深めるためには、企業は彼らに対して継続的なサポートを提供する必要があります。例えば、製品の最新情報をいち早く提供したり、専用イベントやワークショップを開催したりすることで、アンバサダーのモチベーションを維持することができます。また、アンバサダーからのフィードバックを積極的に取り入れることで、企業はより消費者に寄り添った製品やサービスを提供することができるのです。

今後の展望

アンバサダーの起用は、今後ますます重要なマーケティング戦略となるでしょう。企業は消費者との信頼関係を築くことが最優先であり、そのためにはアンバサダーとの連携が不可欠です。企業はアンバサダーを育成し、彼らとの関係を強化することで、ブランドの信頼性と影響力を高めることができるのです。

アンバサダーの起用は、ブランドの価値を高め、消費者との深い関係を築くための鍵となります。企業はアンバサダーとの強固なパートナーシップを築くことで、ブランドの長期的な成功を確保することができます。また、アンバサダーとの連携を通じて、企業は消費者の信頼を得るだけでなく、より効果的なマーケティング戦略を展開することができるのです。

まとめ

インフルエンサーからアンバサダーへのシフトは、現代のマーケティング戦略において重要な変化を示しています。インフルエンサーの効果が減少する中で、アンバサダーはブランドの信頼性を高め、消費者との深い関係を築く役割を果たします。企業はアンバサダーとのコミュニケーションを強化し、彼らを支援することで、より強力なブランドを構築することができるのです。これからもアンバサダーの活用は、企業にとって重要な施策であり続けるでしょう。

企業がアンバサダーを効果的に活用することで、ブランドの信頼性と影響力を高め、消費者との絆を深めることが可能です。このシフトは、現代のマーケティングにおける重要なトレンドであり、今後もますますその重要性が増すことでしょう。企業はアンバサダーとの連携を強化し、ブランドセイフティを確保するための戦略を継続的に見直す必要があります。これにより、企業は市場での競争力を維持し、持続的な成長を遂げることができるのです。

プロフィール

富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。

著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング

Related knowledge

関連するナレッジ

TaTapの提供サービス内容や数多くの実績や事例についての資料をダウンロードいただけます。
ぜひ一度ご覧ください。

私たちTaTapはSNSを活用したマーケティングの戦略設計から伴走支援をいたします。課題や要件が明確でなくても問題ございませんので、お気軽にご相談ください。