「バズらなくていい」企業TikTokアカウントという選択〜フォロワーや再生数を追いかけない戦略が売上とブランド価値を最大化する!〜

- 企業TikTokの目的は売上とブランド価値の最大化
- バズ狙いは本質からずれていて成功しにくい
- 企業アカウントはブランドの世界観を伝え信頼を築く
- ターゲットに寄り添い質の高い動画を投稿する
- 第三者による投稿と広告活用で売上を伸ばす
読了目安:約分
今や企業がTikTokに参入するのは珍しいことではありません。ですが、そこでありがちなのが、「バズらせたい」「フォロワーを増やしたい」といったアカウント運用における目標の立て方です。
もちろん、バズを狙って注目を集めたい、という気持ちはよくわかります。ただ、その目的が本質とズレてしまうと、思うような成果は得られません。
企業がTikTok公式アカウントを運用する根本的な理由は、あくまで売上や利益の最大化であるはずです。
そしてそこに向かうために、本当にやるべきことは何かと考えた時、見えてくるのが「企業のアカウントは、伸びなくていい」という一見逆説的な考え方です。
TikTok アカウント運用 バズ|「バズらせる」は目的ではなく、手段である

企業のTikTokは、やろうと思えばバズらせることも、伸ばすことも可能です。ただし、それを目的化してしまうのは本末転倒。なぜなら、そうした投稿の多くが「ダサい」と感じられるからです。
バズを狙う=大衆に向けて広く浅く届けるということです。TikTokのトレンドに乗り、消費者にウケるテーマや表現を採用する必要があります。
けれども、それではせっかくのブランド独自の世界観やメッセージが薄まってしまいます。他のブランドと差別化をはかるために存在しているはずの公式アカウントが、迎合的な投稿でバズを狙うことに、本質的な価値はあるのでしょうか?
TikTok アカウント運用 バズ|なぜ企業TikTokはバズりにくいのか

企業のTikTokがバズりにくいのは、いくつかの構造的な理由があります。
1. 投稿に広告感が強く出てしまう
多くの企業が「商品の映り方」や「ロゴの見え方」を重視しすぎるあまり、自然なコンテンツにならず、見た人に「広告っぽい」と思われてしまいます。これでは視聴者はすぐに離脱してしまうのです。
2. 担当者の人格が見えない
誰が話しているのかが分からない投稿には、人はなかなか興味を持てません。うまくいっている企業アカウントの多くは、担当者や社長が顔出しで登場し、発信に“人”の温度があるのが特徴です。
3. 企画が浅く広くて刺さらない
“誰にでも届く”内容を狙うことで、結果的に誰にも刺さらない投稿になりがちです。深みのあるコンテンツでなければ、アルゴリズムにも埋もれてしまいます。
4. 投稿のスピードと本数が足りない
TikTokで結果を出すには投稿量とスピード感が必要です。週1〜2本のペースでは不十分で、最低でも月10本以上は出していく必要があります。
5. KPIが目的とズレている
フォロワー数や再生回数をKPIに設定すると、“売上を上げる”という本来の目的とズレていってしまうリスクがあります。数字のための施策は、結果的にブランドを損なう可能性もあります。
こうした理由から、企業のTikTokアカウントは、構造的にバズりづらくなっているのが実情です。個人のクリエイターと同じ土俵で戦っても勝ち目はありません。
もちろん、一部には動画映えしやすく、SNSとの相性が抜群なブランドも存在します。ですが、それはごく一部に限られたケースであり、大半の企業は該当しません。
TikTok アカウント運用 バズ|なぜ企業アカウントは「伸びなくていい」のか?

それは、企業がやるべきことはバズらせることではないからです。
本当に大切なのは、ブランドとしての土台を設計し、ブランディングを行い、クリエイターに選ばれる存在になること。
いまのSNSにおける“ヒットの火種”は、企業発ではなく、個人による発信=生活者起点から生まれることが圧倒的に多いのです。
たとえば、個人のレビュー動画や体験談の投稿には信頼性と熱量が宿ります。それが伝播し、バズとなって拡散されていく。
企業はその「発火点」になる必要はありません。むしろ、それらの個人の発信を拾い、意味を補足し、信頼を裏付ける役割を果たすべきです。
TikTok アカウント運用 バズ|企業TikTokアカウントの真の役割とは

バズではなく、印象管理・ブランディング・解像度向上に特化した存在であるべきです。たとえば以下のような役割が考えられます。
● ブランドのトンマナ設計
動画を通じて、ブランドの価値観や世界観を丁寧に表現する。これによりブランド解像度を高め、選ばれる理由を明確にできます。
● 生活者の声の補足・共感
生活者が語った実体験やレビューに対して、「公式としての解釈」や「背景情報」を伝える。こうした補足は、ブランドへの信頼感を増幅させます。
● 情報の整備と信頼の蓄積
第三者による投稿(UGCやクリエイター動画)を企業側が丁寧に拾い、整理し、信頼の土台を築くことが重要です。
TikTok アカウント運用 バズ|バズらせないTikTokアカウントには何を投稿すべきか

「バズらせないのに、何を発信するのか?」という疑問もあるかもしれません。
ここからは実際に投稿すべき内容について、具体的に見ていきます。
1. ターゲットに向けて寄り添う設計
誰のためのブランド・サービスなのかを明確にし、その人たちだけに向けた動画を発信することが大切です。
例えば「乾燥肌に悩む20代後半女性」のためのスキンケアブランドであれば、その人だけに語りかける設計にしましょう。
ちゃっちい動画ではなく、ブランドとしての高いクオリティを保った3本程度の投稿で十分です。
2. 答え合わせアカウントとしての機能
UGCで商品を知った人が「本当に良いのか?」と検索したとき、公式がしっかり答え合わせをしていると信頼が高まります。
商品の裏側や設計背景を伝えるのも有効です。
3. 印象管理を目的とした動画
売上目的ではなく、ブランド検索時に「信頼できそう」と思ってもらうことを目的とした投稿です。
たとえば「ブランド名 口コミ」「ブランド名 レビュー」と検索された時に出てくるような、印象のよい動画を設計することが大切です。
こうした動画が、最終的に「この商品、買ってみようかな」と思ってもらえるブランドづくりにつながっていきます。
TikTok アカウント運用 バズ|企業のTikTok戦略は「ファン化と選ばれる設計」にシフトする

ここまで見てきた通り、TikTokにおいてブランド公式アカウントだけで売上をつくるのは難しいのが現実です。
だからこそ重要なのは、個人による投稿(UGC)と連携しやすいブランド設計を行い、さらに必要に応じて広告なども組み合わせ、売上を最大化していくことです。
TikTok アカウント運用 バズ|企業アカウントは“選ばれる場”である

企業のTikTokが伸びないのは当たり前。バズを生み出すのは、UGCとクリエイターの力です。
企業はそのバズの“後ろ側”で、ブランドの世界観や信頼感を感じてもらう設計を行う必要があります。
それが、指名検索につながり、クリエイターからの投稿を生む「選ばれるブランド」をつくる本質です。
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