これはNG!SNS担当者のアサインから見直す、企業のSNSマーケティング組織構築の完全ガイド

- SNS担当者は年齢でなく「SNSが好きか」と「ターゲットに近いか」で選ぶべき
- SNS組織はオウンド・アーンド・ペイドの3領域に分けて考える
- 各領域には役割が異なる担当者と必要な稼働時間がある
- 全体を統括するマーケティング責任者の設置が不可欠
- チーム間の連携が売上や成果に大きな影響を与える
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企業がSNSマーケティングを成功させるには、担当者の選定から組織構築まで、しっかりとした戦略が不可欠です。この記事では、SNS担当者のよくある誤ったアサイン方法から始まり、組織体制、必要な人材とその役割、さらには責任者の重要性まで、SNS運用における設計の全体像を網羅的に解説します。
SNS 組織構築 担当アサイン|よくあるNG事例

企業がSNS担当者をアサインする際、陥りがちな誤解があります。
たとえば、「SNSといえば若者が得意だろう」といった発想で、新卒社員や入社2〜3年目の若手社員にSNS運用を任せるケースです。確かに、若年層の方がSNSに慣れている印象はありますが、それだけで担当者を決めてしまうのは危険です。
「SNSが好きかどうか」が最大の選定基準

本当におすすめしたい選び方は、「SNSが好きで、無心でずっと見ていられる人」に任せるという方法です。
若いからといってSNSが得意・好きとは限りません。逆に年齢が高くても、SNSが大好きで毎日触れている人もいます。年齢にとらわれず、SNSへの興味・関心を重視すべきです。
ターゲット顧客に近い人物を選ぶ

もうひとつ重要なのは、「顧客ターゲットに近い人」を担当者にすることです。
たとえば、40代のママさん向け化粧品ブランドが、新卒の23歳の社員にSNS運用を任せたとします。すると、その社員が思いつく企画は若年層向けのものになりがちで、結果的にフォロワーがターゲットとズレてしまいます。
それよりも、小学生の子どもが2人いるような実際の40代のママさんを担当者にしたほうが、ターゲットに共感されやすい投稿ができます。自然とエンゲージメントも高まり、投稿をきっかけに顧客の反応が得やすくなります。
さらに、顧客が反応しやすいインフルエンサーの発見やアサインも可能になるため、「誰を担当にするか」は極めて重要なのです。
SNS 組織構築 担当アサイン|3つの基本セクション「トリプルメディア」とは?

SNSの組織体制は大きく3つのセクションに分かれます。これは「トリプルメディア」と呼ばれ、近年では「オウンド」「アーンド」「ペイド」の分類としても知られています。
1. オウンドメディア(Owned Media)
企業が自ら運用するSNSアカウントのことです。たとえば、ブランドの公式アカウントや情報発信を目的としたアカウントなどが該当します。
2. アーンドメディア(Earned Media)
口コミやインフルエンサー投稿などを通じて自然と広がる情報のことです。ブランドタグの拡散やユーザー投稿を促す施策がこの領域にあたります。
3. ペイドメディア(Paid Media)
いわゆる広告出稿の領域です。ブランド広告やリターゲティング広告、第三者の投稿を活用した広告なども含まれます。
これら3つを連携させるためには、それぞれを統括する「マーケティングブランド責任者」を設置することが非常に有効です。
SNS 組織構築 担当アサイン|必要な人材とその役割

ここからは、各セクションに必要なポジションとその具体的な役割について解説します。
1. マーケティングブランド責任者

全体のKGIやKPIの設定・管理を行い、SNS運用全体を俯瞰して改善を図る役割を担います。
特に大企業では、オウンド・アーンド・ペイドがバラバラに動きがちです。それぞれ別の指標を追ってしまい、横の連携が取れなくなってしまいます。これを防ぐために、部門横断的に調整・統括する責任者が必要です。
2. アカウント運用者

SNS投稿の企画・制作・分析を行う実働担当です。コンテンツディレクターやデザイナー、アルバイト、インターンが担うことも多いです。
3. 口コミ施策担当者

インフルエンサーの選定、DMの送信、ギフティングの発送、投稿の分析などを行います。こちらもディレクターやインターン、アルバイトで構成されることが多いです。
4. 広告出稿担当者

SNS広告の出稿管理、タグ設置、ターゲティング、クリエイティブの選定などを担当します。広告運用経験者やディレクターがこのポジションを担います。
SNS 組織構築 担当アサイン|稼働時間と業務内容の目安
各ポジションごとの稼働時間と主な業務内容は以下の通りです。
● マーケティング責任者
- 稼働時間:月に0.5〜1人/月(約80〜150時間)
- 業務内容:戦略設計、KGI/KPI設定、組織構築、進捗管理、アルゴリズムのキャッチアップ
実作業が見えにくいため、社内で「あの人何してるの?」と思われがちですが、実はとても重要なポジションです。
● アカウント担当者
- 稼働時間:月に0.5〜1人/月(約80〜150時間)
- 業務内容:投稿作成、撮影、編集、分析、DM対応、コメント返信、ライブ配信など
SNSの種類によって業務量は変動しますが、非常に多岐にわたる作業をこなすポジションです。
● 口コミ施策担当者
- 稼働時間:月に0.2〜0.5人/月(約30〜80時間)
- 業務内容:インフルエンサー選定、DMやり取り、商品発送、投稿分析、広告利用候補の選定など
● 広告出稿担当者
- 稼働時間:月に0.2〜0.4人/月(約30〜50時間)
- 業務内容:タグ設置、キャンペーン設計、クリエイティブ作成、効果分析、LPO・EFOの改善対応など
近年では初期設定後の手間が少なくなっており、インハウスでも効率的な運用が可能です。
SNS 組織構築 担当アサイン|責任者がいないとどうなる?組織が抱えるリスクとは

もしもこの全体を統括する責任者が不在だと、SNS組織は縦割りになってしまいます。
たとえば、
- アカウントチームはフォロワー数増加だけを目指し、
- 口コミチームはインフルエンサー施策だけに注力し、
- 広告チームは獲得系広告だけを回す
──というように、各チームがバラバラに動き、結果的に連携が取れず施策全体としての効果が最大化されません。
責任者がいると得られる相乗効果

一方で、責任者がいれば、全体の目標に向けて各チームが連携し、チーム間の相乗効果が生まれます。
- アカウントチームは他のファネルを意識して投稿を作成
- 口コミチームは広告への転用を考えながらインフルエンサー施策を実施
- 広告チームはアカウントや口コミから高パフォーマンスの投稿を選んで広告に活用
このような連携により、売上アップや組織の一体感向上など、企業全体にとって大きなメリットが得られます。
SNS 組織構築 担当アサイン|弊社が提供するサポート体制について
弊社では、SNS運用における「責任者ポジション」の役割を代行し、全体の戦略設計と実行を支援しています。責任者が社内にいない、またはリソースが不足している場合でも、弊社が組織間の連携をサポートし、SNS運用を一貫して成功に導きます。
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