Instagramは「戦略が9割」インスタでバズっても、なぜ儲からない?“伸びる”と“売れる”の違いは戦略にあり

- バズは売上につながらないことが多い
- 目的とターゲットを明確にすることが最優先
- キャンペーンに頼りすぎるのは逆効果
- 公式アカウントは第2のホームページとして活用
- 定量的、定性的なデータを使って改善
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Instagramマーケティングでよくあるのが、「リールがバズりやすいらしいから、やってみよう」という曖昧なスタートです。経営者からの一言で始めるケースも多く、気軽に運用を始めたものの、結果として「バズったけど売上に繋がらない」となり、やめてしまう企業も少なくありません。
実際に私たちが支援する中でも、「まずはリールを活用してフォロワーを増やしましょう」といった提案を受けて、短期的にバズを狙った施策を試みた企業があります。しかし、多くの場合、広く浅いリーチにとどまり、自社商品に関心のない層ばかりが集まりました。これでは、本当に買ってくれるお客様に届かず、売上には繋がりません。
Instagramで成功するには「戦略が9割」と言えるほど、事前の設計がすべてを左右します。今回はそのポイントを5つのロードマップに分けて紹介していきます。
企業アカウント運用を成功に導く5つのロードマップ

Instagram運用を成功させるためには、次の5つのステップで戦略を設計することが不可欠です。
- 目的の明確化
- ターゲットの明確化
- 発信する人と内容の設計
- リソース・体制の構築
- 運用と改善
この5つのステップに沿って、ある化粧品会社の事例をもとに詳しく解説していきます。
Instagram 戦略|ケーススタディ
1. 目的の明確化


紹介するのは、社員20名・売上15億円からスタートした中堅化粧品企業です。この会社では、30代女性向けのクレンジング商品を販売しており、InstagramやTikTokのインフルエンサーマーケティングによって売上が18億円まで成長していました。
さらにInstagramを強化し、2025年12月までに売上20億円を達成したいという目標が定まりました。このように、Instagramの役割を「売上向上の手段」と明確に定義することが第一歩です。
2. ターゲットの明確化

次に行ったのは、既存の優良顧客に対するヒアリングです。Zoomを使って、1年間継続して購入してくれているユーザーに話を聞きました。
彼女たちからは「口コミを見たあと、企業の公式Instagramアカウントを確認する」という行動パターンが明らかになりました。しかし、実際の企業アカウントにはキャンペーン情報ばかりが投稿されており、「この企業、信頼できるのかな?」と感じて購入に至らないという声も。
つまり、キャンペーンを乱発してフォロワーを集める手法では、信頼を得るどころか購買意欲を下げてしまうリスクがあるのです。
3. 発信設計とブランドブランディング

次に重要なのは、「誰がどのように発信するか」の設計です。この企業では、すでにインフルエンサーマーケティングを実施していたため、公式アカウントでは“選ばれる確率を高める発信”が求められました。
ここで勘違いしがちなのが、「リーチを伸ばせばいい」「フォロワーを増やせば売上が上がる」という考え方です。プレゼントキャンペーンで増えたフォロワーの多くは、商品に興味がない層です。そのため、投稿のエンゲージメント率が低下し、Instagramのアルゴリズム上でも不利になります。
そこで、私たちは公式アカウントを「第2のホームページ」と定義し、訪問者が「このブランド欲しい」と思えるようなブランディングを重視した発信を行いました。
4. リソース・体制の構築

戦略を実行するためには、社内での役割分担も明確にしておく必要があります。
この企業では、運用全体の責任者をマネージャーのAさんが担い、Instagramの運用担当をSEOに詳しいBさんが担当することになりました。
投稿頻度も明確に定めました。フィード投稿は月4回、リールは月2回、ストーリーズは毎日投稿。これにより、ブランドとの接点を継続的に維持し、ユーザーとのコミュニケーションを活性化していきました。
5. 運用と改善

日々の運用では、数値の可視化が欠かせません。確認すべき指標は以下の3つです。
- リーチ数
- プロフィールアクセス数
- ブランドフォロワー数
ここで重要なのは「ブランドフォロワー数」です。これはプレゼントキャンペーンなどで得られた一時的なフォロワーではなく、ブランドの世界観に共感し、継続的に関心を持ってくれるフォロワー数を指します。数は少ないかもしれませんが、質が極めて高いため、売上に直結するのです。
さらに、購入者アンケート(定性調査)も実施しました。そこでは「Instagramを見て購入を決めた」「企業の世界観が伝わって信頼できた」といった声が多く集まり、アカウント運用がブランディングとして機能していることが、数値だけでなく言葉としても確認できました。
Instagram 戦略|Instagram運用の本質は「受け皿作り」

ここまでの流れから分かるように、Instagramの公式アカウントは「集客」ではなく「ブランディング」が目的です。広告やインフルエンサー投稿で興味を持った人が、最終的に安心して購入できるよう、受け皿として存在するのが公式アカウントの役割です。
つまり、リーチを増やしたりバズらせたりする必要はありません。むしろ、「いかにブランドとして信頼されるか」「いかに購入の後押しになるか」という視点で運用すべきです。
Instagram 戦略|まとめ

最後に、Instagram戦略の5つのロードマップを振り返りましょう。
- 目的・ゴールの明確化
- ターゲットの明確化
- 発信の設計(誰が・どう発信するか)
- リソース・体制の構築
- 運用と改善による継続的なブラッシュアップ
この5つのステップをしっかりと踏むことで、Instagramは「売上に繋がるツール」として機能します。ただバズらせるのではなく、きちんと戦略を立て、目的を持った運用を心がけていきましょう。

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