Instagram活用でEC/D2Cの売上を上げる方法
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Instagramを活用していく中で、フォロワー数が増えたりリーチはすごく伸びても、なかなか売上に繋がらないという企業が多いようです。その解決法についてお話しさせていただきます。
売上を上げている企業のEC/D2C活用術、KPI・KGI設計について
成果が出ない企業と成果が出る企業とでは、ブランドやサービスのKPI・KGI設計が大きく異なっているとうことが、弊社の支援の内容から分かりました。
1)成果がなかなか出ない、出づらい企業の場合
・KGI(重要目標達成指標)として、その売上最大化にあたり「新規獲得数最大化」に重点を置いているケースが多い
・KPI(要業績評価指標)として、「新規フォロワーの増加率」が設定されているケースが多い
実は、フォロワー数と新規獲得数の間には相関関係がありません。また、InstagramなどSNSはフォロワーやファンとコミュニケーションを取る場なので、「よし、新規獲得数をしていくぞ!」という姿勢で臨むと宣伝ばかりになってしまいます。
ユーザーもその姿勢に気づいてしまうため、結果的に購買意欲を失くし、なかなか売上に繋がらないという結果に至ります。あらゆるファネルにおいて、Instagramを接着剤的な役割で活用することが多いため、直接的なGA4 Googleアナリティクス上でのラストクリックの成果に全然上がらないのです。
そういう側面で評価してしまうと「あれ?Instagramで売上が上がらない」「Instagramは成果が出ない」という誤解を招き、あまり注力しなかったり活用すらやめてしまうケースも多く見られます。
2)成果が出る企業のブランドサービスにおけるKPI/KGI設計
・KGI(重要目標達成指標)として、その売上最大化にあたり「ファンの創出」「LTV最大化」に重点を置いているケースが多い
・KPI(要業績評価指標)として、「トータルリーチ数」「タグ付け数」「ブランドハッシュタグ数」が設定されているケースが多い
直接的には成果をなかなか追うことができないため、間接的な効果として「インターネット上での指名検索数の前後比較」を確認したり、「ソーシャルリスニング(定数調査)」で実際に購入者の方にアンケートを行う場合があります。どういった経緯で商品を購入したのか?という質問に対して「Googleの検索広告経由で買いました」という回答(成果)であっても、実際にはその答えの半数以上が「Instagramをきっかけに買いました」や「他のSNS経由で買いました」であったりします。結果として、Instagramを含むSNSが購買の起点になると考えられるため、評価軸に加える必要があるのです。
トータルリーチの計測が重要、それぞれの特長について
リーチを細分化すると「オウンド」「アーンド」「ペイド」に分類することができます。多くの企業がリーチとして追いがちなのは、トリプルメディアにおける「オウンド」と呼ばれる企業のブランドのアカウントのリーチ数やメディアでのリーチ数です。
しかしながら、口コミのリーチや広告のリーチまで含んだトータルリーチを考慮することが重要です。
例えば、直近の口コミのリーチではブランドタイアップラベルを付けることにより、ブランドタイアップラベルを付けた第三者の投稿リーチ数を見ることができます。自社の口コミリーチ数だけではなく、第三者のリーチ数まで含めたすべてのリーチを計測することが大切です。
1)ブランドリーチ:ブランドが発信しているコンテンツ
ブランドのアカウントが投稿するもの。ブランドの興味関心・理解促進を行うもの。投稿自体にいいね!はたくさん獲得できるが、保存してもらいにくく滞在時間が短いためエンゲージメントが付きづらく、既存フォロワー以外にリーチが出にくい。潜在的なリーチ(フォロワー外へのリーチ)をとれない。拡散されづらい。
2)メディアリーチ:消費者が求める情報コンテンツ
情報型でマガジンのような有益なコンテンツを配信していくため、いいね!保存してもらいやすく滞在時間が長いためエンゲージメントが付きやすい。リーチが伸びやすい。基本的にはブランドのことが出てこないので、ブランドの認知・興味関心の向上が見込みづらい。
サービスに関連する情報を発信するためリーチ数は伸びるが、ブランドやサービスを知ってもらうためのリーチにはならない。
3)ブランドタイアップ口コミリーチについて
ブランド事業主側の施策により、恣意的に発生する口コミコンテンツ。ギフティングなどを活用して発生させる口コミです。自分ごと化した生活感のあるコンテンツを作成することに長けており、その商品を買おうと思っている方たちの比較検討や購買意思決定に関与・寄与することができるのでCVRを高める効果があります。ただ、投稿コンテンツに対して、完全にコントロールすることはできません。
メディアリーチの1リーチとブランドリーチの1リーチには大きな差があると理解しておきましょう。
4)口コミリーチについて
自然発生的にファンが存在し、第三者が(勝手に)投稿してくれるもの。効果としては、ブランドタイアップ口コミリーチと同じですが、投稿者にたくさんのファンがいないと成立しません。口コミリーチが出現すると、ブランドが確立したという認識が得られます。
5)ブランドタイアップ広告リーチについて
ブランドタイアップを活用したギフティングなどの施策で出現したコンテンツを広告で活用していくもの。
良いなと思ったら、半数以上がインターネットで検索
20~50代のInstagramユーザー4,000人を対象にしてアンケートを行った結果、「Instagramで良いなと思う商品があったら次にどう行動しますか?」という質問に対して、半数以上がInstagramを離反してインターネットでも口コミを調べると答えました。この数字からも直接的な成果だけで見てはいけないことがわかります。Instagramでユーザーに対するリーチが増えると、GoogleやYahooなどインターネット上での指名検索数が増えて行きます。もちろん、Instagram内でさらに口コミを検索したり、一旦保存するというユーザーも半数以上存在します。
1)商品発信で信頼するのは誰か
ブランドの公式発信は1割弱で、残念ながらそれほど信頼されてはいません。1位が友達や家族で60%弱、次いで好きなインフルエンサー。つまり、第三者の発信が商品の信頼度や購入率を上げていくうえで大事なコンテンツになっています。
2)フェーズごとの発信の効果
ブランドによる発信は、商品やサービスを見つける認知行動には強いが、利用者やコミュニティの投稿が商品の比較検討・購買意思決定に大きく関与していると言えます。
ずばり、ECで売り上げるためには
弊社は、大きく2点「コラボ投稿」「パートナーシップブランドタイアップ」をおすすめします。
1)コラボ投稿
ユーザーとブランドが一緒に投稿するもの。1つのコンテンツを同時に投稿することができるInstagramの機能です。2アカウント同時に投稿するためエンゲージメントが高まりやすく、結果的にリーチも伸びやすい。さらに、コラボ投稿するとブランドのコンテンツではなく、自分ごと化できるようなコンテンツを配信することができます第三者視点でのコンテンツのリーチを増やしていけるというメリットがあります。
2)ブランドタイアップ
ギフティングなどの施策を活用してコンテンツの数を増やしていくもの。さらに、広告に活用することによって効果の最大化ができます。
口コミ発生・ファン作り
ギフティングをさらに活用していくことで、ファンが増加します。また「アンバサダー」をうまく活用していくことも重要です。「アンバサダー」とはプロの消費者と呼ばれ、インフルエンサーと消費者の間の架け橋になるような存在を指します。アンバサダーがいるブランドは、ECで売上がかなり伸びているという事例があります。
トータルリーチの考え方
コンバージョンする人にもタイプがいろいろあります。広告でコンバージョンする(アクションを起こす)人もいれば、広告ではコンバージョンしない人も。口コミを見てから広告でコンバージョンする人もいるので、すべてのタイプの人に向けて、トータルリーチ(すべての施策)で最大化していくことを意識しましょう。
ギフティングによる指名検索数向上例
実際にギフティングを活用することで指名検索数が右肩上がりに伸びるような実績・事例があったり、
ギフティングを活用したユーザー投稿をしてもらうことで、EC売上が前後比較で約200万円増加したり、指名検索のクリック数も16倍に増えたという事例もあります。
ご興味をお持ちの企業の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
著者プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
📚著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」https://amzn.asia/d/jgczWfe