2025.12.05

【SNS内製化】インハウス化の勝敗を分ける実践チェックリスト完全版

snsSNSマーケティングアカウント運用
Pointこの記事でわかること

読了目安:約

目次

最近、弊社へご相談いただく中で、「最終的にはSNS運用を内製化したい」「SNSをインハウス化したいんです」というお声を頻繁にお聞きするようになりました。

しかし、SNSの内製化(インハウス化)は、単にSNSのチームだけで内製化を進めれば良いというものではありません。これは、ブランドやサービスを次のステージへ進めるための、組織全体を巻き込む大きなプロジェクトなのです。

マーケティング戦略とSNSの目的が明確でなければ、内製化は単なる現場の負担増につながりかねません。

ある企業のSNSアカウント運用に関する事例では、数値での貢献(直接売上)が示しにくくても、「ブランド戦略として取り組む価値がある」と定性的に評価し、大きな売上増につなげています。

本記事では、この重要なプロジェクトを成功させるために、組織として、戦略として、何を満たすべきかを徹底解説。特に重要な「SNS内製化のチェックリスト(組織編)」を中心にお話しします。

SNS内製化チェックリスト:組織編|SNS内製化 インハウス化

SNS運用を軌道に乗せるためには、まず社内の土台をしっかりと固める必要があります。組織体制が不安定だと、どれだけ優れたコンテンツを作っても、継続的な成功は難しいからです。

SNS運用は、片手間でできる業務ではありません。

①1人月以上のリソースを確保できますか?

投稿一つをとっても、企画立案、コンテンツの編集、撮影、投稿、コメント対応、そして効果分析まで、多岐にわたる工程が必要です。「スキマ時間でできる」と考えてしまうと、品質低下や、最も大切な分析がおろそかになります。

成功させるための最低ラインとして、月160時間=1人月の専属リソース確保を大前提としましょう。これは、必ずしも1人が担当する必要はなく、例えば「4人で40時間ずつ」といった分担でも構いません。重要なのは、総量としてのリソースを確保することです。

②部署横断で連携できる組織体制ですか?

大企業によく見られるのが、「縦割り」による連携の分断です。

このように分断されると、発信メッセージに一貫性がなくなり、ブランドの世界観が崩れてしまいます。また、売上に直結しやすい広告部署だけが評価されるという「評価の歪み」も生じがちです。

しかし、ブランド認知や世界観の発信を行うSNSがあるからこそ、広告効果が底上げされるケースも非常に多いのです。

内製化には、各施策が連携し合う、横連携をスムーズにできる組織体制が不可欠となります。

③1年以上継続する「覚悟と忍耐」がありますか?

SNS運用は、コンテンツマーケティングそのものです。

SEOと同様に、一本投稿したからといって、すぐに大きな成果が出るわけではありません。継続的な努力と時間が必要です。

  1. 複数のコンテンツを継続して投稿する。
  2. 顧客の反応が積み上がってフォロワーが増える
  3. 結果としてリーチが広がり、最終的に売上に寄与する。

このサイクルを回す必要があります。多くの企業が「3か月で成果が出ないからやめる」という失敗を繰り返しますが、内製化には最低でも1年続ける覚悟が必須となります。

④ブランドやサービスに「熱量」のある担当者を配置できますか?

「若いからSNSが得意そう」という理由だけで担当者を選んでしまうのは、絶対に避けてください。

SNSは、顧客と直接コミュニケーションを取り、ブランドの顔となる重要な場所です。そのため、担当者には以下の要素が求められます。

これらを持ち合わせた担当者を配置する方が、投稿内容に魂がこもり、より高い成果につながります。また、SNS全体を引っ張っていく責任者(リーダー)を明確に置くことで、プロジェクトの推進力は大きく変わります。

⑤投稿管理・スケジュール管理を担う人がいますか?

投稿の抜け漏れを防ぎ、適切なタイミングでコンテンツを公開するためには、管理の仕組みが重要です。

これらを管理し、現場をスムーズに回すための管理専門のメンバー(または担当)が必要となります。

⑥コメント返信のルール整備と対応体制がありますか?

SNSは一方的な発信ではなく、コミュニケーションの場です。

コメントを放置してしまうのは、基本的にNG行為です。たとえ大量のコメントが寄せられた場合でも、最低限の返信体制を整えておく必要があります。

具体的には、返信のトーン&マナーや、クレーム対応の報告フローなど、社内で統一されたルールを事前に整備することが、炎上リスクを避け、顧客との良好な関係を築く鍵となります。

⑦承認フローは明確ですか?

内製化といえども、誤った情報や不適切な表現を防ぐための承認フローは欠かせません。

これらを明確にしておくことで、投稿遅延を防ぎ、スピードと安全性のバランスを取ることが可能になります。

SNS内製化チェックリスト:評価・運用編|SNS内製化 インハウス化

組織体制が整ったら、次は「どう運用し、どう評価するか」という視点が必要です。

①売上に近い部署ばかり評価されていませんか?

「ラストクリック」で売上に直結する広告部門だけが評価され、ブランド認知やエンゲージメントを担うSNS施策が軽視されると、組織の連携が崩れてしまいます。

SNSは、売上の前段階における「ブランド認知」「優良顧客の育成」に大きく貢献するものです。ラストクリックだけを評価指標にするのは危険です。フォロワーの質やエンゲージメント率など、SNSならではの評価指標を確立しましょう。

②KGIから逆算した目的・目標設計になっていますか?

「とりあえずフォロワー数を増やす」「とりあえずリーチを稼ぐ」といった、手段が目的化した目標設定では、内製化は成功しません。

内製化においては、KGI(最終目標)から逆算した目的設計が必須です。

この論理的なつながりがあることで、日々の投稿がビジネス貢献につながっているという実感が得られ、現場のモチベーション維持にもつながります。

③定点観測・レポート体制ができていますか?

PDCA(計画→実行→評価→改善)サイクルを回すためには、「分析(Check)」のフェーズが最も重要です。

施策の改善につなげるために、定点観測(定期的なデータのチェック)と、分析結果を関係者に共有するレポート体制を構築しておきましょう。これがなければ、ただ投稿を続けているだけになってしまい、成果は積み上がりません。

④競合ではなく「顧客」と向き合えていますか?

もちろん競合の分析も大切ですが、それ以上に重要なのは、SNSを通じてつながる「自社の顧客」と向き合う姿勢です。

競合の真似をするのではなく、顧客の声に耳を傾け、それに応えるコンテンツを提供し続けることが、エンゲージメントとロイヤリティを高める最短ルートです。

内製化がすべてではない!柔軟な選択肢も視野に|SNS内製化 インハウス化

ここまでの組織・運用チェックリストの項目が概ね満たされているのであれば、内製化に踏み切っていただいて大丈夫です。成功への準備は整っています。

しかし、これらの土台が十分に整っていないまま内製化を進めてしまうと、前述の通り、現場が疲弊し、経営層も成果が見えず苦しくなるという事態を招きかねません。

プロの伴走を活用するメリット

SNSは、アルゴリズムやトレンドの変化が激しい領域です。その全てを社内だけでキャッチアップし、高いレベルで運用し続けるのは、リソースが限られた企業には大きな負担となります。

「内製化がすべて正解」というわけではない点も、ぜひご理解いただければと思います。

土台がまだ不安定な段階では、

顧客と向き合う部分だけを内製し、専門領域や戦略、分析は外部のプロが伴走する

という形も非常に有効です。

私たちのような専門チームは、御社の状況に合わせて、

といった形で柔軟に支援させていただいております。

無理のない形で、継続して成果を出し続けられる体制を構築することが、最も大切なのです。

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