インフルエンサーマーケティング3.0時代到来! 読めばわかる、ハッシュタグSEOが熱い理由
- 吉岡さんのこれまでの経歴や現職の紹介
- SNSマーケティングツール『OWNLY』とは?
- 顧客接点の質と量を上げることが非常に重要
- いかにUGCを創出できるか
- ビジネス特許取得のインスタSEOツール『ハッシュタグSEO』とは?
- 施策が点で終わっているか線になっているかで結果に差が出る
- 中長期的な視点で取り組むことで成果を出しやすくする
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本日はスマートシェア株式会社の吉岡さんにお越しいただき、SNSマーケティングツール『OWNLY(オンリー)』やInstagramのSEOツール『ハッシュタグSEO』をはじめとする同社のサービスや業務などについて詳しくお話を伺います。
富田:本日はスマートシェアの吉岡さんにお越しいただきました。まずは自己紹介からお願いします。
吉岡:スマートシェア株式会社OWNLY事業部長を務めております、吉岡です。私はレコメンドエンジン、DMPといったテクノロジー系のベンダーをはじめ、D2C家電の走りであった『popIn Aladdin(ポップインアラジン)』という照明一体型の3in1プロジェクターのマーケティングや同社の自社ECの販促を行った後、現職であるスマートシェアに入社しました。
富田:『popIn Aladdin』とは…投影するものですよね?
吉岡:はい、そうです。本体を天井に設置して給電するのでコンセントもいらず、そこから壁にプロジェクター投影できるというガジェット(デジタル家電)です。今日は、その話も少ししてみたいと思います。
スマートシェア株式会社の紹介
吉岡:スマートシェアの会社紹介を手短かにさせていただきます。図①に掲載しているものが、弊社の支援実績です。名だたる企業の支援が社員のモチベーションになっています。
吉岡:特にKIRIN(キリン)さんとは7~8年ほど長く取り組みを続けており、キリンホールディングス全体の共通キャンペーンプラットフォームとして採用されています。KIRINさんの各ブランドでSNSキャンペーンを行う際には、弊社のツールを使用していただいています。
さらに、UGC(口コミ)の収集からブランドサイトへの埋め込みやキャンペーン事務局対応の請負いなど、トータルで支援を行っています。(図②)
また、マイレージ型のマストバイキャンペーンの支援では、流通会社とKIRINさんが協賛して実施するキャンペーンにおいて、小売店で商品を購入したお客さまがレシートを撮影し、画像をアップロードすることでポイントが貯まり、キャンペーンに応募できる仕組みを提供しています。このキャンペーンは流通会社が各小売店に勧め、弊社がその仕組みで支援しています。(図③)
SNSマーケティングツールOWNLY
吉岡:これらの支援を実現しているのが、弊社のSNSマーケティングツール『OWNLY(オンリー)』(図④)です。X、LINE、Instagram、Tiktokの4つのプラットフォームのAPIに対応しています。また、XとInstagramでもUGCが大事だと言われていますが、OWNLYはUGCの収集、分析、活用まで対応しており、これは月額固定のサブスク課金で提供しています。
ご存知ない方もいるかもしれませんが、実はOWNLYは多くの企業に利用されており、直近でもプレスリリースを出しました。OWNLYで実施したキャンペーンでは、累計2万6000件以上の実績があり、過去には285万件以上のレシート解析も行いました。このように、OWNLYは一定の大きな規模で運用されています。(図⑤)
顧客接点の質と量を上げることが
富田:OWNLYをリリースしてからどれぐらいの期間ですか?
吉岡:スマートシェアの設立は2011年で、OWNLYのサービス提供が2013年頃なので、もう10年以上経っています。
富田:10年弱で2万6000件ということは、毎月何十件以上のキャンペーンが走っているイメージがありますね。
吉岡:はい、そうです。年間で約5000件、今で言うところのアベレージで実証いただいているので、結構な規模感になってきています。
私たちが大事にしていることを簡単にご紹介しますと、顧客接点を最適化するという部分をSNSを起点に行うことが、現在の支援のメイン部分です。そして、この顧客接点の質と量を上げることが非常に重要だと考えています。
簡単に説明すると、SNSが起点になった現代でも、弊社では最適なユーザーとのコミュニケーションが取れると考えており、『Trigger(トリガー)』『Connect(コネクト)』『Cause(コーズ)』『Share(シェア)』『Revisit(リビジット)』という、左から右に流れていくフレームワークに則って支援を行っています。(図⑥)
いかにUGCを創出できるか
UGCが大事というところをより具体的に解釈すると、例えば図⑦のように、左側の一般的な顧客ピラミッドでは『ロイヤル顧客』が売上の80%を支えています。これはよく言われる話ですが、これをSNSの観点で見ると、フォローしていない人やフォローだけしてくれている人、LINEなどアプリに登録してくれている人のピラミッドの頂点には、SNS投稿をしてくれる人がいます。
現在、UGCを創出することがかなり難しくなってきていますが、この頂点の人たちは一定のファンであると捉えた時に、いかにこのピラミッドの上部にユーザーを引き上げるかが非常に重要だと考えています。
ビジネス特許を取得したハッシュタグSEO
吉岡:富田さんのYouTubeチャンネルは、Instagramの発信がメインだと思いますが、私たちはInstagramの最新ソリューションも提供しており、それが『ハッシュタグSEO』(図⑧)というサービスです。おかげさまで『ビジネス特許』も取得しており、広い範囲で特許が取れたため、他社に真似されない状態で提供できるようになりました。
『ハッシュタグSEO』で何をやるかというと、いわゆるクリエイターの活用支援です。これまでは、インフルエンサーはトップファネルの認知を取る、つまり早期認知を得る施策がメインだったと思いますが、現在、Instagramユーザーの利用方法はいわゆるミドルファネル、興味関心や比較検討を進める段階で使用されていると考えています。
例えば、ハッシュタグ検索をされた時に、皆さん(支援を受ける企業など)のブランドに言及している投稿を上位に表示させることが重要です。これを第三者のクリエイターを使ってシェアするのが、弊社の事業です。(図⑨)
評価の高いユーザーの起用
吉岡:このサービスの全体像を簡単にお伝えすると、まず、皆さんのブランドに言及されている投稿の比率を把握していない方がほとんどだと思います。まずは、その比率を把握していただき、いわゆる『シェアオブボイス(SOV=Share of Voice)』を理解していただきます。
次に、ハッシュタグを選定し、そのハッシュタグに強いクリエイターを特定して投稿してもらいます。基本的に、ハッシュタグ検索の上位に入っている人は、現在のアルゴリズムを理解しているため、その方を起用することが非常に有効です。(図⑩)
ブランドハッシュタグと皆さんのブランドに関連するハッシュタグを掛け合わせたときに、ランクインの回数と順位が高い人をパワーがある人と捉えています。
このパワーがあって、なおかつエンゲージメントが高い投稿をしている人をさらにふるいにかけて選びます。この部分において広くビジネス特許を取得しており、ハッシュタグSEOは直近で始めたサービスですが、おかげさまで取引が広がっています。(図⑪)
富田:ハッシュタグを含め、Instagramで検索する人がかなり増えているという印象があります。特に日本ではグローバル平均の5倍以上のハッシュタグ検索がされているので、まだまだハッシュタグでの検索が増えている中で、こういったサービスはなかなか業界自体にはなかったのではないかと思います。非常に興味深いサービスだと思います。
吉岡:しかしながら、海外ではハッシュタグはほとんど使われなくなっていて、その影響が日本に及ぶ可能性もあると考えています。そうなると、Instagramではハッシュタグよりも重要視される指標が出てくると思うので、その指標のAPIデータがまた公開されるはずです。そこでサービスの中身を変えていくことで、よりサービスは進化できると思います。
日次レポートで見える化
富田:これは確かにすごいサービスですね。ここまでやれると確かにハッシュタグの上位に載って、そこからの検索でいわゆるもうGoogle上の検索で上位に載っているのと同じような形で取っていくことができるので、本当に良い形でブランド認知やブランドリフトができるんじゃないかなと思います。
吉岡:あとはハッシュタグの順位もかなり頻繁に変動するので、これを日次で追っていくことがすごく大事だと思います。そこを追っているベンダーはこれまでいなかったんです。それを私たちが独自に始めて、サービス提供して、ビジネス特許も取れたので、こういったところを広くご支援できることは私たちの強みになると思います。
上手くいくとき・上手くいかないときの違い
吉岡:実際にクリエイターの支援を始めて、上手くいく例と上手くいかない例が結構出てきています。富田さんもギフティングで多くの企業やブランドの支援をなさっていますが、どういう場合にうまくいって、どういう場合にうまくいかないとか、その辺りで見えてきているところがありますか?
富田:御社にとって「上手くいった」「上手くいかない」の捉え方はどのようなものでしょうか?
吉岡:例えば、順位が取れてもインプレッションがすごく出るかというと、それはまた別の話です。私たちが現在やっていることで例えると、InstagramのAPIで取得しているデータは、フロントで見えているデータ以外にもかなり多くのデータが返ってきています。
特定の上位5つのハッシュタグで、どの検索がどれぐらい流入しているかというのは、実はデータで見れるんです。ここで質の高い検索からインプレッションが出ていることが分かるんですけど、ただそのアカウントの投稿自体のインプレッションが伸びないというケースもあります。ここがクライアントの求める指標に対してどこまでアジャストできているかというところは、結構難しいところではあります。
施策を点ではなく線にする
富田:私たちはモールのEC支援を多く手がけており、モールECに対してSNSを活用しています。検索のボリュームはすでに一定であり、それを増やすことはできないので、いずれ頭打ちが来ると思っています。ただ、その施策は売上に近い、いわゆる検索している顕在層の人たちを対象としているので、売上げへのインパクトは大きいです。
確実にやった方がいいこととして、私たちが上手くいった、上手くいかなかったと見る時、その施策が点で終わっているのか、それともちゃんと線になっているのかに差があると感じています。
ただ単発で「とりあえずこのインフルエンサーでやってみたいからやってみます」といった感じで投稿してもらうだけだと、その瞬間は認知が増えたりブランドリフトが起こったりしますが、点で終わると確実に上手くいきません。
そこで、紐付けながらたくさん投稿してもらうためにギフティングするなどの施策が必要です。一定の投稿を行ったらInstagramのリーチが止まってしまうので、エンゲージメントが高ければブランドタイアップ広告などでブーストしていく必要があります。1つの施策が点ではなく線になっていると、結構上手くいくことが多く、その施策が単体で終わってしまうと上手くいかないケースが多いです。
ハッシュタグSEOの基本プラン・オプションプラン
吉岡:私たちもこのサービスの提供プランとしては、スポットで支援するというよりも、毎月そのハッシュタグに強いクリエイターに継続して投稿してもらうことがこのサービスのミソだと思っています。投稿の順位が変動する中で、そのハッシュタグに強い人に複数投稿してもらうことが、上位を継続して取れている1つの理由だと思っています。点ではなく線で支援していくというのは、すごく納得できます。
富田:基本的には最低6ヶ月からですね。
吉岡:はい、そうですね。
富田:Instagramなども、一回の投稿だけでは絶対にうまくいかないと考えています。ですので、やはり一定期間、中長期的な視点で取り組むことが成果を出しやすくすると思います。
オプションプランなどがあると思いますが、UGCウィジェット生成とは、自社サイトに投稿されたコンテンツをそのまま埋め込むことができるものですか?
吉岡:これは、『ハッシュタグSEO』と『OWNLY』を組み合わせたものです。OWNLYはInstagramから特定のハッシュタグがついた投稿を収集できるため、例えばECサイトの商品ページや広告でリンクするLPに埋め込むことができます。
その結果、実際にそれを見たユーザーのコンバージョン率が高くなります。このUGCウィジェット生成は効果が出るので、クリエイターの投稿をInstagramだけでなく、ECサイトやLPでも活用できるように支援しています。
富田:まさに、先ほどの話の中で、インフルエンサーの施策が単発で終わっていない企業が成功しています。これらの企業は、ECサイトやホームページでの投稿を積極的に活用しており、特にアメリカなどで成長しているDtoC企業では、アパレル企業が商品詳細ページの画像をすべてUGCにしている例が見られます。
UGCの方が圧倒的にCVRが高いため、カタログのようなECサイトはあまり価値がないと言えます。そのため、こうした施策を組み合わせながらECサイトを構築し、CVRを向上させる相乗効果を活用できます。単独での活用ではなく、これらの施策を組み合わせることで、より良い結果が期待できると思います。
プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
📚著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」https://amzn.asia/d/jgczWfe