「インフルエンサーマーケティングの効果測定」入門 バズより大事なこと、見えていますか?

- 売上直結は難しく準備が必要
- 目的は認知やブランド想起の促進
- リーチ・エンゲージメント・保存を指標に
- 指名検索やセッション数も確認
- 限定クーポンなどで購入動機をつくる
読了目安:約分
「バズらせたいです!」「この投稿で売上を一気に伸ばしたいんです!」
インフルエンサーマーケティングを始める際、よく耳にするこうしたご要望。ですが、はっきりお伝えすると、インフルエンサーの投稿だけで直接的に売上が伸びる、というケースは実はあまり多くありません。
インフルエンサーマーケティングで売上を伸ばしていくためには、“売上”以外の視点、つまり「間接的に売上へとつながる別の指標」を見ていく必要があります。では、何をどう見るのか? そもそもインフルエンサーマーケティングの役割とは? 今回はその「本質」と「測定方法」についてお伝えします。
インフルエンサーマーケティング 効果測定|インフルエンサーマーケの3つの役割とは?

まず、インフルエンサーマーケティングには大きく3つの役割があります。
1.自分ごと化による理解促進
昔の広告は、企業が一方的に伝える「広く告げる」スタイルでした。でも今は、情報の中心にいるのは企業ではなく“生活者”。つまり、消費者が自分の言葉で広げていくことでこそ、商品の魅力が伝わりやすくなる時代です。
その中で、インフルエンサーという存在が商品のストーリーを「自分ごと」として語ることで、見ている人が「あ、私にも関係あるかも」と感じ、深く理解しやすくなる。
これが、まず1つ目の役割、「自分ごと化による理解促進」です。
2.エンゲージメント獲得による認知拡大
次に大事なのが、エンゲージメント(=反応)です。
SNSのアルゴリズムは「いいね」「コメント」「保存」「視聴時間」といったエンゲージメントが高ければ高いほど、投稿が拡散されやすくなる仕組みになっています。
特にインフルエンサーの投稿は、企業アカウントよりも反応されやすい傾向があります。なぜなら、第三者のリアルな声が信頼されやすいからです。
そしてこの“認知拡大”も、ただ知られるだけでなく、そこから「自分も使ってみようかな」と購買行動にまでつながることもあります。
だからこそ、エンゲージメントの高い投稿は、間接的に売上にも貢献してくれるのです。
3.次に選ばれるための「ブランド想起」
3つ目の役割が、すぐに売れるわけではなくても、“次の購買の候補”として心に残ること。つまり「ブランド想起」の向上です。
たとえば、スーパーセールやメガ割といったタイミングで、「あのときインフルエンサーが紹介してたこの商品、試してみようかな」と思い出してもらえる。このように、消費者の中で“次に買うならこれ”と選ばれる確率を上げていくのが、インフルエンサーマーケティングの真の強さです。
インフルエンサーマーケティング 効果測定|効果測定①:SNS内の見るべき指標

では、どうやってインフルエンサーマーケティングの成果を見ていくのか?まずは、SNS内の3つの指標をチェックしてみましょう。
1. リーチ数・再生数(=どれだけ見られたか)
これはシンプルに「何人に届いたか」「どれだけ再生されたか」という認知の指標です。
見てもらえなければ始まらないので、まずはこの数値がベースになります。
2. エンゲージメント数(=どれだけ反応されたか)
「いいね」や「コメント」「シェア」など、どれだけの反応を得られたかを見る指標です。
ショート動画では「視聴維持率」や「平均再生時間」も重要です。これらが高ければ高いほど、アルゴリズム的にも投稿は拡散されやすくなります。
3. 保存数・ブックマーク数(=未来の購入候補)
「あとで買いたい」「気になるから取っておこう」と思った人が、投稿を保存します。
この保存数は、“将来の購買候補リスト”のようなもの。特にスキンケアやコスメなどは、購入までに時間がかかるため、この指標が非常に重要になります。
インフルエンサーマーケティング 効果測定|効果測定②:SNSの外も見るべき!

実はSNS内の数字だけでは見えない効果もたくさんあります。
外部指標も合わせてチェックしていきましょう。
1. 指名検索数の前後比較
「ブランド名+商品名」で検索された回数の変化です。
中小企業やブランド認知がまだ低い場合には、インフルエンサー施策の影響が検索数にハッキリ現れることがあります。
2. サイトセッション数の前後比較
「どれだけサイトに訪問があったか」を見る指標です。
広告などの影響が小さい中小企業の場合、インフルエンサー施策後にアクセスが増えれば、明らかに効果があったと判断できます。
3. 定性調査による裏付け
「このブランドを何で知りましたか?」「購入のきっかけは?」
といったアンケート調査で、「インスタで見ました」「○○さんの投稿で知りました」といった回答があれば、それはまさにインフルエンサーマーケの成果です。
インフルエンサーマーケティング 効果測定|売上に繋げるために「今、買う理由」をつくる

「じゃあ結局、売上を上げるにはどうしたらいいの?」
という企業様へ。短期的に売上へ直結させるには、明確な“買う理由”を用意することがポイントです。
【即効性を高める2つの方法】
1. 限定クーポンの発行
たとえば、楽天のスーパーセールやQoo10のメガ割のように、「今だけお得!」という理由があると、人は動きやすくなります。
投稿に「このリンクから買えば○○%オフ!」といった特典をつけると、即購入につながりやすくなります。
2. 限定特典の付与
「今だけ○○がもらえる」などの限定プレゼントも有効です。
人は“今逃すと損”という状況に弱いので、限定性をつけることで購入率がアップします。
インフルエンサーマーケティング 効果測定|売上効果を測るために見るべき指標

上記のような短期施策を実施した場合には、以下の3つをチェックしてください。
- サイトセッション数の前後比較
- クーポンの使用数
- クーポン経由での売上額の変化
これらのデータをもとに、投稿による直接的な効果があったかを判断できます。
インフルエンサーマーケティング 効果測定|インフルエンサー施策は「中長期戦」

インフルエンサーマーケティングは、短期的に爆発的な売上を狙う施策ではなく、「認知拡大」「ブランド想起」「自分ごと化」によって中長期でファンを増やし、結果的に売上に繋げていくマーケティング手法です。
その本来の目的と役割を理解したうえで、正しく効果測定を行えば、確かな成果へとつなげていくことができます。
インフルエンサーマーケの3つの役割(もう一度、確認)
- 自分ごと化による理解促進
- エンゲージメント獲得による認知拡大
- ブランド想起によって「次に選ばれる確率」を高める
この3つの視点と効果測定方法をおさえて、より戦略的な施策を打っていきましょう。
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