なぜ今、トップブランドは「体験」を無償提供するのか? Instagramギフティングの新常識
- 広告への反応低下がInstagram運用の共通課題
- 現代のギフティングは体験設計が成否を分ける
- UGCは広告より信頼され意思決定に直結する
- 小規模アカウントの投稿が購買を強く後押し
- ギフティングは広告資産として二次活用できる
- 成果は目的設計とクリエイター選定で決まる
読了目安:約分
最近、Instagramの運用担当者の方から、「広告の反応が鈍い」「インフルエンサー施策が合わない」という相談をよく受けます。その背景には、生活者の「広告耐性」が高まっている現実があるようです。
そこで今、再注目されているのが「ギフティング」です。商品を適当に送るだけの古いやり方ではなく、今のギフティングは「体験」をしっかり設計することで、ユーザーに自分ごと化してもらう強力な施策になります。
なぜフォロワー10万人のインスタグラマーより、「フォロワー3,000人の自分に近い人」の投稿が刺さるのか?
ギフティングを「単発の企画」で終わらせず「ブランドの資産」に変えるための全知識を、分かりやすくお伝えします。
企業が直面している「3つの限界」と背景|Instagram ギフティング

現在、Instagram運用を担当している多くの方から、共通の切実な相談が増えています。
- 広告の反応鈍化: 以前と同じように広告を出しても、ユーザーの反応が明らかに鈍くなってきている。
- 費用対効果の悪化: インフルエンサー施策を打っても、以前ほどのROI(費用対効果)が合わなくなっている。
- UGC設計の迷走: 「口コミ(UGC)」を増やしたいという思いはあるが、具体的にどう設計すればいいのかが分からない。
この背景にあるのは、生活者の「広告耐性」が極端に高まっているという現実です。企業が一方的に発信するメッセージへの信頼が薄れる中、改めて「Instagramギフティング施策」が強力な解決策として再評価されています。
令和の「ギフティング」の定義と重要ポイント|Instagram ギフティング

ここで語るギフティングとは、単に商品を送りっぱなしにして「あとは運任せ(投稿されるのを祈るだけ)」というものや、「月額数万円で送り放題」といった安価な作業代行サービスを指すものではありません。
ギフティングの再定義
企業が自社の商品やサービスを無償提供し、クリエイターや一般ユーザーに「体験」をしてもらうことを通じて、質の高い投稿(UGC)を生み出していく施策です。
成功を分けるポイント
単に「買ってもらう」「体験してもらう」のではなく、「しっかりと体験を設計した上で渡す」という点が極めて重要です。
- 第3者発信の力: 企業発信ではなく、第三者が発信することで、たとえ「PR」などの広告表記があったとしても、リアルな声であればユーザーに嫌われにくいという性質があります。
- 日常の文脈: 日常の生活文脈の中で、ユーザーが「自分ごと化」したコンテンツとして紹介されることが、企業広告との決定的な違いになります。
なぜ今、ギフティングが「再評価」されているのか|Instagram ギフティング

理由は大きく3つのポイントに集約されます。
① Instagramアルゴリズムとの高い親和性
現在のInstagramのアルゴリズムは、明確に「第三者のリアルな体験投稿」を高く評価する傾向にあります。
- エンゲージメントの質: 保存されやすい、ストーリーズやDM(ダイレクトメッセージ)内でシェアされやすい、コメントがつきやすい。
- 会話の発生: 「〇〇さん、この商品もらったんだ、いいな。私も今度買ってみたいと思ってたんだよね」といったコミュニケーションは、企業投稿ではなくUGCから生まれます。 ギフティングは、Instagramが重視するこうしたユーザー行動を誘発しやすいため、アルゴリズム的に非常に相性が良いのです。
② 広告費高騰とCPA悪化への対抗策
メタ(Meta)広告の競争は年々激化し、CPA(獲得単価)が合わなくなっている業界が急増しています。
- 非広告の接触点: 広告以外の接触点をどれだけ持てるかが勝負になります。
- 資産としての蓄積: ギフティングは広告費を消費して終わるのではなく、投稿されたコンテンツがSNS上に蓄積され続けます。
- 二次利用の価値: 許可を得ることで広告のクリエイティブや公式アカウント、LPなどで二次利用が可能です。これは広告の「代替」ではなく、広告の効率を上げる「補完施策」として機能します。
③ 生活者の購買行動の変化
今のユーザーは、「企業が何を言うか」よりも「誰が使っているか」を重視します。
- 自分に近い存在: 「自分と近い立場の人がどう感じたのか」が信頼の基準です。
- 小規模アカウントの影響力: フォロワー10万人のインフルエンサーよりも、フォロワー3,000人程度の生活者目線の投稿の方が、深く刺さるケースが増えています。
ギフティングがもたらす「本当の価値」|Instagram ギフティング

ギフティングは単なる「投稿量産」ではなく、多角的な価値を生み出します。
- 強力な資産化: 投稿されたコンテンツを広告クリエイティブ、LPの素材、公式アカウントでの紹介(二次利用)などに活用できるため、投稿料を払って終わりではない、使い勝手の良い資産になります。
- 社会的証明(ソーシャルプルーフ): 「みんなが使っている」という安心感は、ブランドの信頼を支えます。誰か一人が投稿しているのを見て、さらに他の人も投稿しているのを見ることで、選ばれる確率(ブランド想起・比較優位)や指名検索が向上します。
- 中長期的なファネルへの貢献: 短期的なコンバージョン(売上)だけでなく、検索前の接触、比較検討時の後押し、購入後の納得感まで、マーケティングファネル全体を底上げする効果があります。
よくある失敗例と「成果を出すための設計」|Instagram ギフティング

典型的な失敗パターン
- 無計画な配布: とりあえず送って「投稿してください」と言うだけ。その結果、投稿されなかったり、世界観がバラバラな投稿になったりする。
- フォロワー数重視: フォロワー数だけで選ぶ。今は「数=伸びる」時代ではなく、結果としてエンゲージメントが低く、見られて終わりになる。
- 曖昧なKPI: 「とりあえずUGCが上がればいい」という考え方。具体的な目的が欠如している。
成功のための設計:目的を1つに絞る
成果を出すには、以下のいずれかに目的を絞ることがコツです。
- UGCの「量」: 新商品などで、まずは数を出す。
- 認知拡大: 狙ったターゲット、狙った文脈での認知を広げる。
- 素材制作: 広告クリエイティブとして活用するため(UGC素材は通常の広告よりCTRやCVRが高い傾向がある)。
- 指名検索: ブランド名を検索してもらうきっかけを作る。
クリエイター選定と具体的な支援体制|Instagram ギフティング

ギフティングの成功は、「クリエイターの選定が9割以上」を占めます。ブランドとの親和性(マッチング)が最も重要です。
TaTapの成果報酬型ギフティング支援
私たちは、単なる作業代行ではなく、戦略に基づいた支援を行っています。
- 業務内容: リスト作成、DM交渉、発送業務(基本はクライアント様推奨ですが代行も可)までワンストップで対応。
- コスト: 1件投稿につき8,000円〜という成果報酬型を採用。例えば10件投稿されれば8万円という、取り組みやすい設定です。
- 優位性: 通常、代理店に動画制作を頼むと1本1〜2万円かかりますが、弊社ではUGC素材の制作という側面でも1件8,000円から実現可能です。
- 戦略性: 単にギフティングをするばかりではなく、「戦略コンサル会社」として、SNS全体設計の一部としてギフティングを最適化します。
まとめ:ギフティングの成功とは|Instagram ギフティング

Instagramにおけるギフティングは、今のSNS環境において最も生活者に近い施策です。
- 設計次第で、UGC、広告素材、ブランド資産へと姿を変える。
- 単なる固定費ではなく、成果に連動した「将来への投資」である。
- インスタのアルゴリズム(保存・シェア・滞在時間)と完璧に合致する。
これらを意識し、適切な目的設定とクリエイター選定を行うことで、ブランドの信頼を積み上げていきましょう。
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