2024.03.05

手軽でも安易に使わないよう アフィリエイト広告には「落とし穴」がある

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Pointこの記事でわかること

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目次

アフィリエイト広告というものを聞いたことがある人は多い事でしょう。インターネット広告の一つで、比較的手軽に扱え、対費用効果が高いといわれており人気を集めています。しかし手軽に扱えるからこそ「落とし穴」があります。そのため法に触れてしまい、トラブルに発展し行政から処分が下ったり裁判沙汰になる事があります。本記事では、アフィリエイトの仕組みやメリット・デメリット、実際に起こったトラブル事例について紹介します。

 アフィリエイト広告とは何か、仕組みとメリット・デメリットを紹介

最初にアフィリエイト広告について説明します。

アフィリエイト広告とは成果報酬型のインターネット広告で、広告を介して広告主が望む特定(商品の購入やサービスの利用、アプリのインストールなど)の成果が得られた際に報酬が支払われる仕組みのことを言います。広告が掲載されたWEBサイトに訪問した人が、それらを購入や登録した場合に成果になり、その成果に応じて報酬が支払われます。

このアフィリエイトで重要になるのがASP(Affiliate Service Provider)です。

ASPとは広告主とアフィリエイターを仲介する企業の事を指します。ASPは企業が発したアフィリエイト広告を、アフィリエイターに提供する役割があります。

実際にアフィリエイト広告にて収入を得ようとしても、一部のインフルエンサーを除き、個人レベルのアフィリエイターが企業と広告契約が結べる機会は多くない為、アフィリエイターにとってASPはビジネスにおける重要なパートナーといえます。

 続いてはアフィリエイト広告のメリットとデメリットを見ていきましょう。

アフィリエイトの主なメリットは以下のようになります。

広告収入の利益率が高い

 アフィリエイトは人件費や物件維持費などが発生しない事から、きわめて利益率が高くなります。これはメリットとして非常に大きいといえます。

初期費用、運営費用が小さい

 アフィリエイトに必要なASP登録やWordPressに係る費用は無料です。レンタルサーバーやドメインの費用も月数千円ですので低コストで運営できるメリットがあります。

在庫管理の心配がない

 アフィリエイトは広告を介して報酬を得るものですから、自身で商品やサービスを用意・管理する費用がありません。

これらの要素はどのような人にも効率よく稼げる、魅力的なメリットといえるでしょう。

続いては、デメリットを見ていきましょう。

稼げるようになるまでに時間が必要

 これはGoogleをはじめとした検索エンジンに評価され評価されるのに時間がかかるためです。 そのため、長いスパンで取り組む覚悟が必要です。

モチベーションの維持が難しい

 アフィリエイトで収入を得るには時間がかかるため、モチベーションの維持が大きな課題になります。忍耐力が必要な事をしっかり認識しましょう。モチベーション維持の工夫も必要です。

継続的な学習が必要

 Webライティングやセールスライティングのスキルなどを絶え間なく学び、継続的に学習しないと他のアフィリエイターに競争に勝てず利益が出ません 。

確実に稼げるものではない

 前述のように成果が出るためには時間を要し、継続的な努力が必要になるのにも関わらず、競争にも勝たなくてはなりません。そのため確実に稼げるものではないというデメリットがあります。

 また手軽に始められるからこそトラブルになってしまったなどの「落とし穴」もあります。続いてはトラブル事例を見てきましょう

 トラブルの事例、行政による注意喚起が起こった例

アフィリエイト広告はその仕組みから、景品表示法や医薬品医療機器等法(薬機法)などの広告規制に違反、または違反しやすい性質があるとされています。

昨今、違法なアフィリエイト広告に対する行政上および刑事上の措置が増加し、消費者庁などから処分が下されるトラブルが増えています。

 実際に起こったトラブル事例を紹介します。

2018年6月

消費者庁より、ブレインハーツに対する 景表法に対する措置命令。措置命令のうち誤認排除措置命令の周知方法に関し、アフィリエイト広告に初めて言及される。

2020年3月 

埼玉県からニコリオに対する景表法に基づく措置命令が発せられています。これはアフィリエイト表示を不当広告として認定したものです。

2020年7月 

大阪府より健康食品会社および広告代理店2社の役員が、未承認の医薬品のアフィリエイト広告をしたとして薬機法68条違反の被疑事実で逮捕と報道されています。

2021年

11月消費者庁よりアクガレージおよびアシストに対する景表法に基づく措置命令があり、アフィリエイト広告を広告主の不当表示として認定した事例があります。

これらのようにアフィリエイト広告によるトラブル事例が発生している状況です 。

 不当なアフィリエイトの危険性について

 先ほども若干触れましたが、ここからは不当なアフィリエイト広告の危険性の詳細をより掘り下げて見ていきましょう。アフィリエイトは景品表示法や医薬品医療機器等法(薬機法)などの広告規制に違反しやすいだけでなく、詐欺罪や不正競争防止法違反になる場合があります。それらの法律違反になった場合、裁判沙汰になり、最悪の場合逮捕・送検され前科がつくことさえあり得ます。

詐欺罪

アフィリエイトで詐欺罪になる場合は虚偽の事実を伝えて、消費者をだまし利益を得る等のケースになります。例としては実際に紹介された商品・サービスを利用していないのに、有益であるかのように広告した場合が当てはまります。詐欺罪では懲役10年以下の刑事罰が科されます(刑法246条)

景品表示法

景品表示法に違反するケースでは、実際のものよりも著しく優良であると表現したり、著しく有利だと広告した場合が当てはまる可能性があります。これも悪質なケースでは刑事罰が科され、景品表示法の違反に対して出された措置命令に従わないと2年以下の懲役、または300円以下の罰金が科されます。

不正競争防止法違反

アフィリエイト広告の宣伝が、公正な競争を阻害するなど不適切なものであれば不正競争防止法違反になる可能性があります。例としては比較サイトなどで根拠の乏しい不適切な比較で、サービスを不当に貶めた場合などです。

 このように不当なアフィリエイト広告が、裁判沙汰や刑事罰になることがありえます。

他の例としては、国民生活センターもアフィリエイト解約に関する紛争を公表しています。不当なアフィリエイトにあてはまる事例ではないケースですが、その内容を見てみましょう。

ある人が求人サイトで面接を受けたところ、アフィリエイトの仕事を紹介され「費用は無料」「頑張れば月10万円以上稼げる」といわれ応募し、採用されたところ、講習代と教科書代として合計約53万円の支払を求めらたとされています。このケースは結果的に和解になりましたが、手軽に始められるからこそ発生した事例といえるかもしれません。

他にも特定商取引法でも誇大なアフィリエイト広告を委託した場合に同法に違反することもあるといわれています。アフィリエイト広告の扱いは注意が必要な事が良くわかります。

 まとめ

アフィリエイト広告について仕組みやメリット・デメリット、トラブル事例について紹介してきました。

アフィリエイト広告は「景品表示法」「薬機法(旧薬事法)」「著作権、商標権、肖像権」など関わる事でのトラブルが発生することがあるので十分注意する必要があります。

また、アフィリエイト広告は広告主ではないアフィリエイターが表示物を作成し掲載するため、広告主の管理チェックが行き届かない部分があり、企業の責任が及びにくいという問題もあります。実際にアフィリエイターが成果報酬を求め虚偽誇大広告を行うインセンティブが働きやすいです。これらのことから、裁判にまで発展するケースもあるので、アフィリエイトを簡単に考えてはいけません。

手軽に始められ利益も高く魅力的なアフィリエイトですが、紹介したように法律に触れ裁判沙汰・刑事罰等になる場合があります。このような「落とし穴」についてはしっかり認識しておきましょう。

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