運用から約1年でECサイトに月間1万セッションの送客を達成!BtoB向けECサイトのInstagram活用
Point
この実績のポイント
- トレンドやユーザーニーズを的確に捉えたコンテンツ作成と戦略的アプローチ
- 社内リソース不足でSNS運用ができないという課題を解決
- 明確な成果を短期間で達成!SNS運用がビジネス成長に直結
機械工具商として創業し、専門商社としてのグローバル展開や消費財関連ビジネスとして家庭機器の開発、小売りなど幅広いビジネスを手掛ける株式会社山善。「YAMAZEN」のブランドで主に個人向けに家電製品を販売する同社では、2022年より法人向けのECサイトである「山善ビズコム」を立ち上げ、同サービスのマーケティング施策として現在弊社のSNS運用にてご支援しています。
今回は同社で山善ビズコムの運営全般を担う家庭機器事業部eビジネス3部営業課でリーダーを務める松村さまと西村さまにお話を伺い、これまでの取り組みを振り返りました。
家庭機器で知られる山善が展開するBtoB向けEC「山善ビズコム」
富田:今回のSNS運用のお取り組みでは、貴社のInstagramを運用させていただきました。お取り組みの対象となるサービス、山善ビズコムについてお聞かせください。
西村:山善ビズコムは2022年に新規プロジェクトとして立ち上げられたBtoB向けのECサイトです。弊社では以前より家電やインテリア家具などプライベートブランドの商品をBtoCで展開しており、実際に多くのユーザーにご好評いただいてきました。
山善ビズコムでは、これまでBtoCとして商品展開してきたノウハウをBtoBに活かし、法人のお客さまのニーズを満たすサービスと商品をご提供することを目的としています。
松村:山善ビズコムの主な特徴として、法人の商習慣にあわせたサービスを提供していることです。たとえば、正午までの発注で当日出荷の対応や掛け払い対応、1時間以内の見積もり発行などに力を入れています。その他にも法人向け価格のご提示や送料無料対応など、法人の事務所やオフィスにおける課題解決に取り組んでいることが山善ビズコムの特徴です。
富田:山善ビズコムでは、どのような狙いからSNSマーケティングに取り組むことになったのでしょうか。
西村:SNSマーケティングの最終的な狙いは、山善ビズコムの売り上げ向上です。長期的な目線では、BtoBのEC領域における競合他社に引けを取らないサービスへと成長させ、中小企業や個人事業主、そして大企業のご担当者にもご活用いただけるサイトを構築すること、そして山善ビズコムのお客さま全員に満足いただくことを目標に掲げています。
そのためのSNS運用は、現在も模索しながら施策を進めているところです。SNSマーケティングの特徴は、施策として効果が感じられるようになるまで時間がかかることだと理解しています。だからこそ、BtoB向けECの競合他社がまだSNSに力を入れていないうちに着手し、いち早くSNS上でポールポジションを確保しておくべきだと考えました。
SNS運用には人的リソースが不足。BtoBのEC領域におけるベストプラクティスもなかった
富田:弊社にSNS運用についてご相談いただいた背景の課題についてお聞かせください。
松村:人的リソースが足りていなかったことが最も大きな課題です。山善ビズコム自体、まだ立ち上がったばかりのビジネスなので、既存ビジネスと比べるとどうしても人員を割くことができません。その一方でSNS運用は短期的に集中して頑張ればなんとかなるものではなく、クリエイティブの制作や投稿など毎日の地道な取り組みが重要になる施策です。
そのため、一定の人的リソースを継続して費やさなければなりません。私も西村も、Web広告の運用やメルマガの配信、クーポン施策の調整、商品ページの更新、ECモールへの出品作業などで1日の業務時間のほとんどが潰れてしまいますので、これ以上新しい業務が増えてしまうのは現実的ではなかったのです。
もうひとつの課題が、BtoBのEC領域におけるSNS運用は競合他社があまりいないというメリットの反面、ベストプラクティスが確立されていないというデメリットもあります。そのため、もし自分たちで山善ビズコムのInstagramを運用する場合、自分たちで運用の正解を見つけ出さねばなりません。「山善」というブランドを守るためにも投稿にはある程度の質が求められたことも、Instagram運用の難易度を上げていました。
こうした背景から、Instagramの運用を安心してお任せできるパートナーとの取り組みを検討し始めました。
BtoCのInstagramアカウントの成功事例、SNSに対する知見の深さが決め手に
富田:以前より山善さまとはBtoC向けのInstagram運用でお取り組みさせていただきました。今回、BtoBのEC領域でもご依頼いただくことになった経緯についてお聞かせください。
西村:BtoCのInstagramアカウント「@yamazen_shop」が伸びていることは社内でも成功事例として有名であり、私自身も「すごいな」と感じていました。実際に社内会議の場で「@yamazen_shop」の成功例、特にフォロワー数の向上や売上げへの貢献といった成果について情報共有を受け、Instagram運用という施策のインパクトを感じました。
また、一部の商品開発にInstagramのお客さまの声が反映されているとのケースも聞いています。こうしたSNS施策が成功したのは弊社として初めてであり、日々目まぐるしくSNSのトレンドやアルゴリズムが変わっていくなかで社内リソースだけでは絶対に実現できなかったことです。
もちろん、TaTapさんにお願いしたら魔法のように一瞬で改善した訳ではなく、Instagram運用を成功させるために相当苦労されていたことは容易に想像できましたので、そこから信頼できるパートナーだと感じていました。
富田:弊社のInstagram運用について、どのようなポイントを評価いただいたのでしょうか。
西村:SNSに対する知見の深さです。企業側が発信したい内容をただ投稿するのではなく、SNSのトレンドやユーザー側が求めている情報を的確に理解し、うまく企画へ落とし込んでいくノウハウがBtoCのInstagramアカウントを成長させた要因だと感じていました。さらにそのノウハウを提供いただくだけでなくSNS運用ごとお願いできることは、リソース不足に悩む私たちにとってまさに最適なサービスだったのです。
私たちの課題に適したサービスであったこと、弊社のBtoC領域で成功実績があったことから、他社サービスとの比較検討やコンペは行わずに取り組みを決定しました。
サービス名の認知拡大を目的にSNS運用をスタート。フィード投稿の写真やキャッチコピーを工夫
富田:実際にSNS運用がスタートしたのは2023年5月頃です。初回のご相談を受け、弊社からは「山善はBtoBのECも展開している」とより多くの方に知っていただくこと、「山善ビズコム」というサービス名の認知度を拡大することを目的としてSNS運用をご提案させていただきました。
松村:取り組み以前は「BtoB領域のサービスなのだから、投稿の内容もBtoBであるべき」と考えていました。しかし、TaTapさんからのご提案では、BtoBサービスであっても実際に発注する担当者の方は「山善」というブランドを、個人として認知していることに着目されていました。つまり、企業の担当者も仕事を離れるとBtoCのお客さまと変わりはないことから、「山善ビズコム」というサービス認知の向上に焦点をあてることになったのです。
そこからは本当に花開いたかのようにフォロワー数が増加し、山善ビズコムへの流入も増えていったことが印象に残っています。
渡邉:今回の取り組みでは、デザイナーとしてInstagramに投稿する画像のデザインやキャッチコピーの作成を担当させていただきました。企業のInstagram運用では、フィード投稿の1枚目の画像のインパクトが特に重要です。1枚目の画像に興味を持っていただけなければ2枚目以降は閲覧されないため、1枚目でユーザーの感情をいかに揺さぶれるかを意識しています。
その際に意識しているのは、1枚の画像内ですべてを完結させるのではなく、「この商品はどう使うんだろうか」「ぱっと見でよく分からないけど、この後どうなるのかすごく気になる」と興味をひくことです。そのために使用する画像の選定やキャッチコピーの作成には時間をかけています。
西村:当初は2日に1投稿でしたが、現在では1日1投稿のペースで投稿代行を実現いただきました。SNS運用すべてをお任せできているので、私たちは新商品のリリースや売れ筋商品の情報提供、そしてSNS運用の報告を受ける程度の業務だけ済んでいます。
この時点で、社内リソース不足でSNS運用ができないという課題を解決できています。
SNS運用から約1年で月間1万セッションをECサイトへ送客し、1万フォロワーを獲得!
富田:弊社との取り組みで得られた定量的な成果についてお聞かせください。
西村:SNS運用の取り組み当初、Instagramから山善ビズコムへ月間1万セッションの送客を目指したいと伝えていました。取り組みが始まってから1年が経った2024年6月、想定していたよりもかなり早期に達成できました。さらにフォロワー数も順調に伸びており、当初目標にしていた1万フォロワーも同じく2024年6月にクリアできています。
夏の7〜8月は扇風機やエアコン、サーキュレーターといった夏物家電がよく売れる時期ということもあり、その直前の6月にKGIを無事に達成できて本当に良かったです。
松村:取り組みで特に印象に残っているのは、2024年2月頃から一気にセッション数とフォロワー数が伸び始めたことです。それまでフォロワー数は月間数百ほど伸びていたのですが、いきなり平均1,000フォロワーは増えるようになりました。山善ビズコムへのサイトセッション数も比例して上昇し、月間で最低でも5,000セッションは安定して獲得できるようになっています。
富田:弊社のSNS運用に対して、どのように評価いただいていますか?
西村:TaTapさんの協力がなければ、間違いなく現在のフォロワー数は獲得できていませんし、そもそもInstagramの取り組み自体できなかったでしょう。BtoBのEC領域における競合他社に先んじてInstagramでリードするという目的も無事に達成できています。
松村:社内にリソースがなくてもInstagram運用を丸ごとお願いでき、さらにSNSマーケティングのノウハウまでご教示いただけて、まさにパーソナルトレーナーのような存在でした。
また、先日オフラインの展示会に出展していたときのこと、ちょうどブースに寄ってくださった方がたまたまInstagramアカウントをフォローしてくださっている方でした。「山善のインスタ、フォローしてます。すごい大好きです」という嬉しい言葉までいただき、SNSマーケティングの実力を肌で感じることができました。
今後は認知拡大に加えて、UGCの創出やファンの育成にも取り組んでいきたい
富田:今後の展望をお聞かせください。
西村:SNSマーケティングの展望としては現在「@yamazen_bizcom」の運用が中心ですが、今後はUGCの創出に力を入れ、山善ビズコムのWebサイト内でうまく反映させていきたいと考えています。これまで山善ビズコムの認知拡大を第一に考えてInstagramを運用してきましたので、今後は山善ビズコムのファンを育成していくことや、Instagramでお客さまとコミュニケーションし、商品開発やサービスの改善につなげていきたいですね。
オフィスや工場、現場の方、個人事業主さんといったお客さまがInstagramで山善ビズコムを知り、事務所備品や設備の購入、更新する際に「山善ビズコム」を想起、活用してもらえるような状態を目指したいです。
富田:取材の最後に、弊社のSNS運用サービスはどのような企業におすすめできるでしょうか?
西村:限られた人的リソースでSNS運用に着手できない企業から、さらにSNSを伸ばすためにどうしたら良いかと悩まれている企業まで幅広くおすすめできると思います。
今の時代、BtoBにおいても情報収集の方法が変わりつつあると感じています。今後、BtoBマーケティングにおいてもSNS運用が必須となる前に、ぜひ着手してみてはいかがでしょうか。