2024.08.01

SNSでバズを狙うことが本当に正しいことなのか?

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Pointこの記事でわかること

読了目安:約

目次

今回は、「SNSでバズを狙うことが本当に正しいことなのか?」をテーマにお話しします。

本当にバズらせることが良いことなのかどうか

SNSを運用していく中で、「バズらせたい!」「バズりたい!」というご相談をよく受けることが多いです。

まずは、その「バズらせたい」という気持ちの根本にある理由をしっかりと掘り下げていくことが重要です。つまり、「バズらせたい」ということは、一般的には「売上げを伸ばしたい」「フォロワーを増やしたい」「多くの人に自分たちの存在を広めたい」といった具体的な目的があると考えられます。しかしながら、本当に「バズらせる」ことが最善の方法なのかどうか、じっくりと論点として考える必要があります。

「バズる」という現象は、確かに多くの人に商品やサービス、またはブランドそのものを知ってもらうための強力なきっかけとなるのは事実です。しかし、そのバズの起こし方が本当に自分たちの目標やニーズに合致しているのかどうか、そしてその結果が望む効果をもたらすかどうかを、事前に十分に検証することが大切です。

バズるということはマスに届くということ

バズるということは、アルゴリズムの中で多くの人にエンゲージメントが付き、反応をもらうことで結果的にさらに多くの人に広がっていくことです。簡単に言えば、バズることは情報がマスに届くことを意味します。

ブランドを経営している企業の場合、そのブランドは何かに特化しており、他と差別化されているために存在しています。成功しているブランドは、独自の特徴や強みを持っていることが多いです。一方で、バズる投稿(コンテンツ)は、多くの人々に届きやすく、幅広い層に反応を引き起こすものです。つまり、バズるコンテンツは、より多くの人々が対象となり、広範なマスに刺さる内容になっています。

しかし、ここで重要なのは、バズることが必ずしもブランドの強みや独自性を維持する方法ではないという点です。バズるためには、広範な興味を引くコンテンツを作る必要がありますが、それが必ずしもブランドの本質や独自の価値を反映しているとは限りません。そのため、バズること自体を目指すのではなく、ブランドの独自性や強みを保ちながら、多くの人にリーチする方法を見つけることが重要です。

バズることがブランドにとってプラスになる場合もありますが、常にその効果を検証し、ブランドの長期的な戦略と整合性が取れているかを確認することが大切です。

本当に届けたかったターゲットにきちんと届いているのか

そういったコンテンツは、ブランドが本当に届けたかったターゲットにきちんと届いているのでしょうか? 実は、ブランドとして本来届けたいと思っていないターゲット層でバズってしまい、自分たちの本当に商品を買ってもらいたいと考えている人たちからの認知が取れていない可能性があります。

具体的に言えば、バズることで一時的に大勢の人々にリーチすることはできるかもしれませんが、その中にはブランドの価値やメッセージに興味を持たない人たちも多く含まれていることがあります。そのため、バズったとしても、それがブランドにとって本当に価値のある成果につながるかどうかは疑問です。むしろ、本来ターゲットとしている顧客層にリーチできていないことで、期待していたほどの売上やエンゲージメントを得られないリスクもあります。

ターゲットの界隈に広がっていくアルゴリズム

現在のSNSのアルゴリズムは、どれも似通っていて、しかもどんどん優秀になってきています。ひと昔前ならバズることを優先していましたが、最近では「界隈マーケティング」と呼ばれるような戦略が流行しています。この「界隈マーケティング」とは、自分たちが狙いたいターゲットの“界隈”にどんどん広がっていくというアルゴリズムを利用したものです。

具体的には、投稿後まずは興味のありそうな人たちに対してランダムに数百から数千インプレッションを付与します。そして、そこで反応してくれた人たちの近しいネットワークに対して、次に約1万インプレッションを付与します。その1万人が再び反応してくれた場合、次はさらにその人たちの近しいネットワークに対して5万、10万というように徐々に広がっていく仕組みです。このようにして、投稿内容が段階的に広がっていき、最終的には関心を持つ可能性のある広範な層に届くようになっています。

さらに、このアルゴリズムは関連性の高い人たちにも広がっていくため、コンテンツが適切なオーディエンスに届きやすくなります。これにより、ターゲットとなる顧客層に対して効果的にアプローチできるようになります。

現在は10,000,000回再生されることはほぼない

Instagramのリール機能が出始めた初期のころには、エンゲージメントを最優先していたため、「リールで10,000,000再生出ました!」という成功例が多く見られました。しかし、現在では10,000,000再生を達成することはほとんどなくなりました。具体的には、いわゆる「ノンバーバルコンテンツ」と呼ばれるような、言葉を使わないで理解できるコンテンツや、全世界の人々に受け入れられるような料理のレシピ動画など、誰もが興味を持って観るような内容でない限り、10,000,000再生を叩き出すことは難しくなっています。

現在のInstagramリールでは、アルゴリズムが進化し、よりターゲット層にリーチすることが重視されています。そのため、一部のユーザーに特化したコンテンツや、特定の興味を持つコミュニティに向けたコンテンツの方が、広範な視聴者を狙ったコンテンツよりもエンゲージメントが高くなる傾向があります。

まとめ

バズらせることがブランドにとって本当に良いことなのかどうかを考える必要があります。バズるということは、その分、競合にも自分たちの存在が認知されるということです。特に中小企業やスタートアップ企業の場合は、この点が非常に重要です。競合からの模倣や競争の激化は大きな脅威となり得ます。彼らにとっては、広範な認知を得るよりも、いかにバズらせないで、ターゲットに対してのみ刺さるようなコンテンツを作り続けられるのかの方が大事です。

バズることで一時的に多くの人々に知られることはできますが、それが必ずしもブランドにとって有益な結果をもたらすとは限りません。多くの人に知られることよりも、特定のターゲット層に深くリーチし、その層からの支持を得ることが、長期的な成功につながる可能性が高いでしょう。これにより、ブランドの価値を理解し、共感する顧客との関係を深めることができます。さらに、継続的にターゲットに響くメッセージを発信し続けることで、ブランドの信頼性を高め、忠実な顧客基盤を築くことができるでしょう。

プロフィール

富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。

著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング

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