2024.03.09

ビジネスにチャンスをもたらす「セレンディピティ」とは

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目次

セレンディピティという言葉をご存じでしょうか?「偶然の産物」「偶然がもたらす幸運」という意味を持っている言葉で、科学分野ではよくある事といわれていますが、科学分野だけでなく最近ではビジネスシーンでも注目を集めています。偶然の産物と聞くと大したことないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。セレンディピティは様々な場面で大きなチャンスをもたらすものです。本記事では、セレンディピティの由来やセレンディピティがもたらすものについて紹介します。

セレンディピティとその語源について紹介

セレンディピティの語源はおとぎ話の「セレンディップの3人の王子たち」に由来しているといわれています。このおとぎ話を読んだ、ホレス・ウォルポール氏が1754年に生み出した造語とされています。セレンディピティはマーケディングにおいては予期しない偶然の購買行動「セレンディピティ消費」といい、例を挙げると福袋やミステリーツアーなどになります。

ビジネスにおいては、1つの能力・スキルとしてセレンディピティを捉えます。偶然の産物で終わらせるだけでなく、そこから新たな始点と解釈をしイノベーションに活用します。これを「セレンディピティ・マネジメント」といいます。

セレンディピティとノーベル賞

 セレンディピティは偶然の産物とはいうものの、多くの成果…時には奇跡を起こすものです。驚くことにノーベル賞受賞者も、セレンディピティにより成果を挙げているのです。それらの事例を紹介していきます。

田中 耕一 氏

日本の化学者でありエンジニアの田中耕一氏が、2002年に質量分析手法(マトリックス支援レーザー離脱イオン化法:MALDI)の開発によって、タンパク質をはじめとする生体高分子の構造解析を飛躍的に加速させ、その業績によりノーベル化学賞を受賞しました。

マトリックスと呼ばれる粘ちょう性の液体とサンプルを混合したものに、レーザー光を照射することで、マトリックスの表面が急速に加熱され、サンプルと共に気化されます。励起状態にあるマトリックスとの化学反応によって、サンプルはイオン化されます。大きなエネルギーを瞬間的に与えてイオン化が可能なため、化合物の熱分解が抑制されます。この特性は分子量のきわめて大きい化合物の分析、特に生体に存在するタンパク質などに対して威力を発揮するのです。飛行時間型質量分析計と組み合わせることにより、非常に高感度の検出が可能であり、10万以上の分子量を有する化合物の測定も可能となりました。

この歴史的な生体分子の構造解析を発見するにあたって、こんな話があります。

実は間違って調製してしまったサンプルを「勿体ない」として使用したことで見つけられた技術だったのです。これは、セレンディピティ的逸話として今でも語り継がれています。

田中耕一氏は「失敗からは必ず新たな発見がある。最近は、失敗するのが楽しみになってきました」「『常識』の反対は、『独創的』である」という名言を残しています。

白川 英樹 氏

2000年に「導電性高分子の発見と発展」でノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏もまた、セレンディピティが生んだ奇跡の功績をおさめた人物といえます。

導電性高分子の発見とは、電気が通らないとされたプラスチックに、電気が通るということを発見したことで、世界の常識を覆したことが評価される結果となりました。現在では、その技術により、金属よりも軽くしなやかで加工しやすく安価な電気を通す素材を人工的に作ることが出来るようになり、プラスチック製の太陽電池や、タッチパネルなど、私たちの生活に身近なものに使用されています。

ノーベル賞受賞に至った業績の発端は、研究生がメモを間違え、「通常よりも1000倍濃い触媒を使用してしまった」ことにありました。

この受賞を振り返って白川氏は、「目的とすることではないことで大発明、大発見をする。そのことをセレンディピティというんです」「偶然に出会った人が旺盛な好奇心や深い認知力と洞察力などに富んでいる」と語っています。

また、学生時代は、趣味のラジオ作りに熱中し、そこで学んだ電気の流れについてや、希望が叶わず別の分野の研究室で学んだ知識が、巡り巡ってその後の研究に役立っているという言葉も残しています。

このようにセレンディピティにより、名誉あるノーベル賞を受賞するに至っているケースがあります。

セレンディピティが生んだ大ヒット作

  〜2人の研究者の偶然が生んだ「ポスト・イット」

さらにセレンディピティの代表例といってもいい例を紹介します。

それはスリーエム社が開発した「ポスト・イット」です。

1969年、化学メーカーのスリーエム社の研究室で科学者であるスペンサー・シルバーは、強力な接着剤の開発を研究していました。

しかし、出来上がったものは、想像していたものとはかけ離れた粘着性が非常に弱い接着剤でした。

表面に軽くくっつくものの、しっかりとは接着しない接着剤です。何年もの間、シルバーは自分の開発したこの接着剤をどうにか使えないかと考えていました。ですが、この製品は「使い道がない」とみなされ放置されていました。

ところが、1974年に同社研究員のアーサー・フライが、思わぬ発見をするのです。

フライが所属していた教会の聖歌隊で使用する讃美歌の楽譜の目印に、小さな紙切れを使用していました。ですが、ページをめくったところ、目印にしていたしおりがひらひらと滑り落ちてしまいました。これを見た瞬間、「あの接着剤を使って本のしおりが作れるのでは」と思いついたそうです。

そうして世に出たポストイットは、付箋として世界中で広がっていきました。

失敗作を当初の目的と全く違う用途の製品に転換する力が生み出したヒット商品が、このポストイットです。

まとめ。セレンディピティを起こすための心がけ

セレンディピティは先ほど紹介したようにビジネスにおいては、1つの能力・スキルとして捉えられるものです。

それではどのようにすればビジネススキルとしてセレンディピティを起こせるのでしょうか?最後にその心がけを紹介します。

幅広く様々な分野にに興味を持ち、活動量を増やす

広い分野に興味を持ち、活動量を増やすことでセレンディピティにめぐり合う可能性が高まります。日常の何気ないことに疑問を持ち、それについて調べることや、普段と違う道を歩くなど、興味の幅を広げることや、いつもと違うことをすることで新しい発見をしイノベーションを生み出すきっかけになります。

多様な価値観に接する

様々な価値観に触れることで、自分の中にない価値観が芽生え、新たなアイデアを得られます。自分とは価値観の異なる友人の話を聞いてみることや、世代の異なる人とも積極的に交流してみましょう。そしてオープンマインドを持ち、自分と違う価値観にも耳を傾けてください。そうすることでセレンディピティを呼び寄せる可能性が高まります。

ポジティブな思考を

前述の「ポスト・イット」のように一見失敗していても、ポジティブに視点を変えることで事態が好転することがあります。マイナスな視点で目を背けて過ごすよりも、ポジティブに物事に取り組むことで偶然が産んだ産物を、プラスに転換することができます。

自分の意見を発信しよう

自分の意見や考えを発信することもセレンディピティを呼び込むものです。特にSNSやブログは世界中の人と交流を持つことが出来るため、新たな価値観の創出に役立ちます。その為、SNSは「セレンディピティエンジン」と呼ばれるツールになっています。

セレンディピティの語源を始め、セレンディピティが生み出した事例・成果、セレンディピティを生み出す心がけについて紹介してきました。ビジネスにおいてもセレンディピティをいかに呼び出せるかが注目されています。セレンディピティを呼び寄せ、新たなイノベーションを生み出すことが出来ればビジネスを大きく成長させることが可能になりますので、セレンディピティを呼び寄せる為に、今回紹介したことを参考にしてみてはいかかでしょう。

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