2024.03.05

人の心を動かすアプローチ「ナラティブ」とその威力

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Pointこの記事でわかること

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目次

最近、注目を集めているワードとして「ナラティブ」という言葉があります。これは文芸理論の用語となりますが、直近ではビジネス場面でも活用されています。本記事では、ナラティブという用語の意味、ビジネスシーンで新しく注目されているナラティブマーケティングと従来のマーケディング手法のストーリーマーケティングとの違い、ナラティブマーケティングの事例を紹介します。ぜひ最後までお読みください。

ナラティブとは

ナラティブとは「物語」「語り」「話術」と訳され、語り手の視点で自由に紡がれる物語をさします。映画やドラマの「ナレーション」もナラティブと同様の語源を持っています。前述のようにナラティブは文芸分野での用語で「ストーリー」とは違う概念を表すものです。

ストーリーは主人公や登場人物を客観的な視点でみた物語で、筋書きがさだめられているのが特徴です。それに対してナラティブは語り手自身が主人公で、現在進行形で自由に物語が紡がれていきます。ナラティブは1960年代にフランス構造主義を中心とした物語の役割について関心が高まる中、ストーリーとは異なる文芸用語として定着したといわれています。

現代では、医療者臨床心理学、教育現場でも用いられ直近ではビジネスシーンでも注目されている用語になります。その背景としてはSNSの普及やSDGsへの取り組みなど様々な要因があるとされています。

ナラティブマーケディングとストーリーマーケティングの違い

ナラティブマーケディングとは、顧客自身の物語にアプローチするマーケディング手法です。

これまでのマーケディングは売り手や作り手側のストーリーを主にしている「ストーリーマーケディング」が主でした。具体的には製造方法や製造期間、高品質の材料である等の情報を販売に活用する方法です。これは売り手が主役側で、作り手の想いを伝えるコミュニケーションになります。

それに対してナラティブマーケディングは、ユーザーの物語を想像し、そこにどのようなベネフィットを付加できるのかを訴えていくものになります。ナラティブマーケティングはストーリーマーケディングと比較した場合、よりユーザーに寄り添い、ユーザーの共感を得られるものになります。

ナラティブマーケティングのメリット

ナラティブマーケティングのメリットを紹介します。

消費者の共感を得やすい

現在では、あらゆる商品・サービスの品質の差が小さくなっています。そのため、単純なスペックでは比較が難しいのが実情です。そのため商品・サービスの選定に「消費者が共感できる」ことが重要になっています。さらに消費者の視点・価値観も多様化していますから、企業目線の一方的な発信、ストーリーが共感を得ない事も多くなっています。そのため消費者の視点から物語を作るナラティブマーケティングは効果が大きいです。共感を得やすいナラティブマーケティングは顧客ロイヤリティの向上にも役立ち、リピーターの獲得にもつながります。

商品開発に貢献

ナラティブマーケティングはユーザー視点で物事を展開していくため、よりユーザー視点にたった商品が開発できます。「高品質で低価格」という一方的な発信をストーリーマーケディングだとすると「消費者に寄り添った、貴方のパートナー」というユーザーを主役とした提案がナラティブマーケティングになります。

商品の本質が伝わりやすい

ユーザー視点で物事を展開していくため、商品の本質が伝わりやすいメリットがあります。例えばある商品の原材料が高品質で低価格だったとします。しかし、それをただ一方的に発信しただけであれば消費者にそれが必ずしも伝わりやすいとはいえません。しかしナラティブマーケティングでは、ユーザーが主役で、その視点で品質について語りかける手法になりますから、商品の本質が伝わりやすくなるというメリットがあります。

ナラティブマーケディングの導入方法と活用事例

ナラティブマーケティングの導入について解説します。

ナラティブマーケティングを導入するにあたっては、徹底的なユーザー調査が重要です。一般的な調査項目である、年代と性別、地域性の調査だけでなくアンケートやインタビューを積極的に行い、ユーザー1人1人を深く知りましょう。このようにターゲットを理解する取り組みを徹底しましょう。

さらにユーザーに語りの場を提供し、その語りに理解を示しコミュニケーションを取りましょう。これらのことがユーザー自身の参加による体験と、ユーザー視点での物語を作ることになります。そしてInstagramやX(旧Twitter)、Facebook、LINEなどのSNSを活用しユーザーを特定してナラティブマーケティングを展開すればより効率性が向上します。

自社のマーケディング部門を整備するとともにSNSに精通した部署を結成し、緊密な連携を取るような社内体制作りを実施していきましょう。必要であれば外部の専門家にアドバイスを受ける事も大切です。

ナラティブマーケティングの活用事例を紹介します。

Glossier

コスメのD2Cブランドになります。創業者のエミリー・ワイス氏は「共創」を重要視したナラティブマーケティングに取り組んでいます。具体的にはブランド誕生のきっかけになったブログにおいて、ワイス氏自身が読者にコメントを返す事やインスタライブで双方向のコミュニケーションを実践しています。このことがGlossierの熱狂的なファンを生み出しています。

ウォルト ディズニー スタジオ

誰もが聞いたことがある、ウォルト ディズニー スタジオもナラティブマーケティングを活用しています。具体的には、作品の制作に関わるすべての社員一人ひとりに焦点を当て、現場の雰囲気や温度感を伝える動画を公表しています。この社員一人ひとりにフォーカスする視点が、よりクリエイティブな作品作りに貢献し、ユーザーはより作品を身近に感じ自身で作品を制作した可能ような視点を持つことができる為、作品に強い愛着を持つことが期待できます。

パタゴニア

アメリカのアウトドアブランドのパタゴニアも積極的にナラティブマーケディングを取り入れています。パタゴニアは「私たちは故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という経営理念を掲げており、この理念のもと再生可能エネルギーの活用、二酸化炭素の排出量の削減、リサイクル素材の活用を進めています。

パタゴニアは地球の保護の為の行動を大切にしており、アメリカのトランプ大統領が国定記念公園の保護地域を縮小した際には大々的に批判しました。このような経営理念による積極的な行動が多くのユーザーの共感を得ています。

これらのナラティブマーケティングの活用事例が示すように、ナラティブマーケディングはユーザーの共感を強力に呼び込み、熱狂的なファンを生み出し、企業とユーザーの距離を近づける有効なマーケティング手法であることが良くわかるとおもいます。現代はSNSの普及により企業とユーザーの距離は非常に近くなっています。今後ますます成長するであろうSNSをいかに有効活用し、ナラティブマーケディングを取り入れ展開できるかが、企業のマーケティングにおいて重要になります。

まとめ

現在、様々なシーンで用いられる用語「ナラティブ」についてビジネスシーン・マーケディングでの意味やナラティブマーケティングについて紹介してきました。今後、SNSがさらに進歩していき企業とユーザーの距離はより近いものになっていく事が考えられます。従来のようなストーリーマーケディングばかり展開していては、ユーザーに寄り添えず、取り残される企業も出てくるかもしれません。インターネット、SNSを有効活用しナラティブマーケティングを展開していく事が企業の成長につながりますので、本記事を参考にナラティブマーケティングに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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