2024.03.09

SNS時代のマーケティング法則 AIDMA、AISAS、SIPSとは?

snsSNSマーケティング
Pointこの記事でわかること

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目次

マーケティングの現場では様々な理論や法則が現れ活用されてきました。やみくもに、無計画にマーケティングを展開しても望んでいる成果を挙げる事は難しいでしょう。SNSが急速に発達した現在ではなおさらのことです。本記事では、マーケティングにおいて古くから提唱されている「AIDMAの法則」やインターネットの普及により新たに登場した「AISASの法則」SNSを頻繫に利用する顧客層において唱えられている「SIPSの法則」の概要について紹介します。それぞれのフレームワークを正しく把握し活用することでマーケティングにおける効果・効率に大きな影響を与えるので、最後までご覧ください。

AIDMAの法則とは

AIDMA(アイドマ)の法則とは、消費者が商品などのモノを認知し、そこから実際に購入に繋がるまでの「消費活動」の仮説を指します。

サミュエル・ローランド・ホール氏が、「Retail Advertising and Selling」の中で提唱したもので、消費者が起こす行動の頭文字をとって名づけられました。

消費者の購買行動には、段階プロセスがあるとされ、下記のようになっております。

A:Attention(注意)

消費活動の最初のステップである「商品を知ること」から始まるAttention(注意)です。

どんなに良い商品があっても、将来買ってくれるかもしれない見込み顧客に対して認知してもらえないことには、売りようがありません。

売りたい商品がある場合には、まずは商品を「知ってもらえる」ような認知活動を行う必要があります。

I:Interest(興味)

消費活動の2つ目が、商品に興味を持ってもらうためのInterest(興味)です。

消費者に「こんな商品があるんだ」と認知をされたとしても、Attention(注意)の段階では、まだ興味関心を持ってもらえていない状態です。

認知できた段階で「どんな商品なのか?」「もしかしたら持っている悩みを解決できるのではないか?」など興味を持ってもらうことが必要となります。

D:Desire(欲求)

次は、商品を欲しいと思わせる段階のDesire(欲求)です。

Interest(興味)の段階で興味を持ったとしても「興味=欲しい」ではないため、いかにして「解体」と思わせるかがポイントとなります。

M:Memory(記憶)

消費者の「欲しい」という気持ちを呼び起こすための段階がMemory(記憶)です。

人はその場で「欲しい」と感じても、日々いろいろなことに興味をひかれるため、どの商品を欲しいと思っていたのかを忘れてしまうこともあります。

したがって、「欲しい」と思っていた記憶を再度呼び起こすことで実際に購買につなげられます。

A:Action(行動)

最後に実際に購買行動を起こすのがAction(行動)です。

この段階では、消費者が買うことを決定しているため、買うまでの流れを明確にする必要があります。

いくら買うことを決めていたとしても、どこで買うか、ということが不明確だと諦めてしまうことにもなりかねません。きちんと工場活動の出口へ導いてあげるような環境づくりが重要です。

AIDMAの法則は1920年代に提唱されたものではありますが、時代が変わった現代でも人の行動心理は大きく変わらないものであるため、今でも活用されています。しかしインターネットの普及により消費者の購買行動は複雑化され、AIDMAの法則だけでマーケティングの全てをあてはめるのは難しい時代になっているのも事実です。また顧客のニーズに合わない場合や、購買意欲が低い顧客、複雑な商品・サービスには適用しにくいといったデメリットもあります。

AISASとは

AIDMAの法則が、インターネットの普及により変化し新たに登場したのがAISAS(アイサス)の法則です。

現在では、インターネットを通して誰でも情報を調べる事ができ、SNSで簡単にシェアできます。

そのため、AIDMAの法則と比較すると、インターネットに関連させた行動プロセスが入っているのが特徴となっています。

AIDMAの法則との違いは、ネット普及後のモデルか否かというところで、一般的な消費行動を示したものがAIDMAであるのに対し、ネット普及後の消費行動を示したものがAISASとなっています。

特にAISASの「Search→Action→Share」にAIDMAとの違いが顕著に表れています。

Googleといった検索エンジンを使って商品情報を詳しく調べたり、X(旧Twitter)などのSNSから購入者の生の声を聞けたりできる環境があるためです。

AISASの法則を上手く活用した事例がスターバックスです。

スターバックスは多くの人の人気を集める企業ですが、このようにSNSやアプリを上手く活用することで、マーケティングをより効果的にしています。

また、AISASと似たような言葉に、AISCEAS(アイセアス)というものもあります。

これは、インターネットで情報収集、比較・検討を行い、購買後にレビューやSNSなどで他者に共有する、ということが特徴です。AISASのプロセスの中にComparison(比較)、Examination(検討)が追加されています。

SIPSとは

ソーシャルメディアの影響を考慮した購買行動のモデルとして、SIPS(シップス)が2011年に登場しました。

こちらは電通コミュニケーションデザインセンターの社内ユニットが提唱したもので、インターネット時代に対応した購買行動モデルという点では、AISASと共通していますが、SIPSはより深くソーシャルメディアの影響を考慮しているという違いがあります。

AIDMAやAISASなどの後継とは考えられておらず、あくまでもSNSを頻繁に利用する層の購買行動を説明したものとなっております。広告・販売戦略を考えるにあたっては、AIDMAやAISISとの併用を前提で考えておきましょう。

SIPSのプロセスは以下の通りです。

購買の始点が広告やCMによる認知からではなく、SNSなどからの「共感」で始まっていることがSIPSの大きな特徴です。

また、消費者参加型であるこのモデルの特徴でもあります。最後に共有・拡散された情報は、新たな消費者の共感を呼ぶという流れが完成します。消費者の購買行動が、単なるAction(行動)ではなく、Participate(参加)になっているのもこの流れでプロセスが進められるためです。

SIPSでは消費者参加型で共感から始まっていますから、自社ファンを作り出すファンマーケティングで有効です。NIKEはこのファンマーケティングを重要視している企業です。

まとめ

マーケティングにおける法則を紹介してきました。これらの法則を正しく理解し、マーケティング活動に応用していく事で、売上・利益の向上を見込むことができます。しかしAISAS(アイサス)の法則がAIDMAの法則から変化したものであるように、時代の変化によって法則も変化してきますので、これらの法則も限界はあります。特に今回紹介した3つのフレームワークはそれぞれ特徴が異なるものであるため、使い分けが重要になります。どのフレームワークを活用するかは顧客層・ターゲット層、商材などによって大きくかわってきます。そのため、自社のマーケティング施策をしっかり分析したうえで、方向性の練り直しが大切になります。法則だけに目を向けずに、自社の状況はもちろんの事、顧客の視点に立つことの重要性を忘れずにマーケティングを展開しましょう。

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