instagramマーケティング正しい効果計測方法
- 売上げが上がらない企業の多くは自社ブランドの発信しかしていない
- 顧客が情報収集を行う前から投稿していくことが重要
- フォロワー数よりもエンゲージメントを重視
- Instagramの購買は直接的ではなく間接的な貢献が多い
- instagramアカウントには中間接着剤・名刺・ZMOT機能がある
- 間接的貢献が多いので全体最適で見るべき
- 指名検索や定性的な評価を見ることで売上げへの貢献を知ることができる
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instagramをマーケティングで活用していく中で、売上げが上がらないというお悩みをよくいただきます。今回は、正しい効果計測方法についてお話しをすることで、そのお悩みを解決いたします。
フェーズごとによる発信の効果
売上げが上がらない企業の多くは、自社ブランドの発信しかしていないということが多いようです。確かに新しい商品やサービスを見つけてもらうことに関しては、ブランドの公式発信は有効に働きます。しかしながら、利用者が実際に比較・検討して「購買の意思決定」をすることに関しては、UGC(口コミ投稿)が最も重要とされています。そのため、自社の発信だけではなく、第三者の発信も併せてInstagram内で行っていくことが必要なのです。
購入意思決定モデル「ZMOT理論」って何?
「ZMOT(ジーモット)理論」とはGoogle社が10年以上前に提唱したマーケティング理論のことで、8割の顧客は実店舗やECサイトを利用する前に、インターネット上で購入する商品をすでに決定しているというものです。実店舗のセールや楽天市場のスーパーセールが開催される前から、顧客はInstagramを活用してブランドや商品、サービスに関する情報収集を行っており、すでにほとんどの顧客は買うものを決定しています。そのため、顧客が情報収集を行う前から投稿していくことが重要になります。
購入前にどれだけ顧客と接点を高められるかがポイント
ZMOTとは「Zero Moment of Truth」のこと。購入前のゼロ機会の接触を指します。いわゆる、購入前の情報収集です。FMOT(エフモット)「First Moment Of Truth」が、消費者が店頭で商品パッケージを手に取ったり、ディスプレイを見て商品購入を決定することに対して、「ZMOT」は「FMOT」のさらに前段階である、店頭に足を運ぶ前に行われる意思決定(買い物の下調べ)です。インターネットやSNSが当たり前になった今、知りたい情報はいつでも検索するだけで気軽に収集できます。そのため、購入前(下調べ中)の顧客といかに接点を高められるかが、とても重要になってきたのです。
アルゴリズムの変更について
以前はフォロワー数とリーチ数には相関関係がありましたが、現在はフォロワー数よりもエンゲージメントが重要視されるようになりました。ここ数年で、こういったアルゴリズムの変更があったことも認識しておきましょう。
Instagramの購買は直接的ではなく間接的な寄与が多い
Instagramを計測していく中で売上げが上がっていない企業の場合、「直接的評価」をしていることが非常に多いのですが、実はInstagramの購買は直接的ではなく「間接的な貢献」が多いということを理解してください。
Instagramをきっかけとして商品を購入した経路でもっとも多いのは、後日Googleなどの外部サイトで検索をして、ECサイトで購入するというものです。Instagramを見てそのまま購入する人は1割未満に過ぎないので、この1割未満を見るだけでは、確かにInstagram経由で売上げが上がっていないということになります。しかし、後日外部サイトでいわゆる指名検索をして購入するという人が多いので、指名検索数が増加しているかどうかの調査や定性調査をすることをおすすめします。
商品を購入したきっかけを、最終的なGoogleアナリティクス上のラストクリックで見ると、GoogleCTC(いわゆる指名検索)でコンバージョンしているようですが、実際そのユーザーにアンケートを取ってみると、Instagramを見て購入しましたという詳細が得られます。Instagramは発見のプラットフォームと呼ばれており、「知ってもらう」「発見してもらう」ことの貢献度がもっとも高いのです。そのため、全体最適で施策を捉えていく計測方法をしていかなければなりません。
売上げにどのように寄与するのか
中心にあるのがinstagramアカウントだとします。実際に広告を配信した場合、instagramを経由することなく、直接サイトに行ってものを買う人も多いのですが、まずinstagramアカウントのプロフィールを確認してから、サイトに行ってものを買うという人も多いので、instagramアカウントは中間接着剤的な役割を果たしています。
雑誌やウェブサイトといった外部サイトに掲載されたものを見た場合にも、直接サイトに行ってものを買うのではなく、先にinstagramアカウントを確認してから買うという人もいるので、instagramは名刺代わりにもなっているのです。
instagramアカウントを経由して購入する間接的な売上げとしては、instagramアカウントを知った上で、さらに指名検索をする場合もあります。
また、instagramアカウントを見て、投稿の保存や直販サイトへのブックマークをすることは、未来の売り上げに繋がるため、instagramはZMOTとして機能しているとも言えるでしょう。
このように、様々なファネルに対して、instagramアカウントの運用は有効です。そのため、正しい計測としては、指名検索や外部での定性評価も評価軸に入れることが必要になるのです。
カスタマージャーニー
instagramのブランドアカウントの運用は、集客目的ではありません。あらゆるフェーズでのホームページ的存在、いわゆる接着剤の役割を果たしています。
まだブランドを知らない顧客の認知獲得に関しては、広告やインフルエンサーマーケティング、外部メディアなどの集客施策といったところから行います。
そして、ブランドに対して興味や関心を抱いた顧客はブランドアカウントを訪問して、実際にそのブランドがどういったものなのかを確認するという行動に出ます。
比較検討以降、顧客は第三者の声を重要視するため、ブランドの知名度向上と売上げ最大化を目的として、ギフティングやインフルエンサーマーケティングを活用します。
リピート以降に関しては、同梱物などでファン化していくことやブランドアカウントの運用を継続して行うことで、LTVの最大化を目指しましょう。
正しい計測の仕方、まとめ
instagramマーケティングは間接的貢献が多いので、全体最適で見るべきです。
指名検索や定性的評価を見ることにより、定量的に見ることのできない部分まで評価できるので、より正確な売上げへの貢献度を知ることができます。
著者プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
📚著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」https://amzn.asia/d/jgczWfe