Instagramで費用対効果が一番高い施策はコレだ! 売上最大化を可能にする施策をおしえます
- Instagramは間接的な寄与が多い
- ブランド自身の発信とUGCの促進はどちらも必須
- 費用対効果が最も高い施策はギフティング
- Instagram運用は戦略第一
- 中長期的な視点で地道にファン作りを
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今回はInstagramを活用して売上げを上げたい、フォロワーも増やしたいというという希望をかなえるための施策について、分かりやすく解説していきます。
8割の顧客は事前に買うものを決めている
Googleが提唱している購入意思モデル『ZMOT理論(ジーモットりろん)』をご存じでしょうか?8割の顧客は店舗(実店舗/EC)などに足を運ぶ前に、インターネット上で情報を検索して検討し、購入する商品をすでに決定しているというものです。
ZMOTとは?
ZMOT(Zero Moment of Truth)は「ゼロ個目の真実の瞬間」という意味で、購入前の瞬間を指します。10年ほど前にこの理論が提唱された当時は、主に検索エンジンなどで情報収集することが一般的でしたが、現在ではSNSでの情報発信がZMOT段階の成功を左右する大きな要素になっていることを理解しておきましょう。
カスタマージャーニー
Instagramのカスタマージャーニー(顧客が購入するまでのプロセス)を見ていきます。人が購入に至るまでのプロセスは年代や性別問わず、タイミングも含めてその人それぞれです。
『認知』『興味・関心』『比較検討』『購入意思決定』というフローがありますが、ブランドアカウントが情報を自己発信して認知を広げ、第三者による口コミやUGCを発生させるという面においては、すべてのフローで必要な要素は概ね共通していると言えます。
『認知』『興味・関心』に関しては、フィードやリール投稿、タグ付けが該当します。
『比較検討』になると、ユーザーはInstagram内でハッシュタグやキーワードで検索することが増えました。ここに表示されるUGCを参考にしています。
その後、最終的に残った商品が『購入意思決定』されるという流れです。
Instagramは間接的な寄与が多い
多くの場合、特にDtoCの企業は分かりやすい直接的な評価であるラストクリックに気を取られがちですが、Instagramは『発見のプラットフォーム』と言われているように、起点としての役割が非常に強いことが特長です。ぜひ定量評価ばかりではなく、定性評価をしてください。
実際の購入者アンケートでは「何がきっけで商品を購入しましたか?」「何を見て良いと思いましたか?」という質問に対して、「Instagramを見て買いました」「Instagramの〇〇さんの投稿を見て良いなと思いました」という回答が得られ、Instagramの投稿やUGCが購入意思決定に寄与していることが分かります。
ラストクリック率で見るとGoogleのCPCなど他の広告経由でコンバージョンすることが多いため、「Instagramは効果がない」と評価されがちですが、定性評価ではInstagramも購買行動に大きな影響を与えていることが明らかです。
Instagramは直接的ではなく、間接的に寄与しているところが大きく、Instagramを経由して買い物した人の中で最も多かったのが「後日外部サイトで検索をしてECサイトで購入した」という内容です。すぐに買い物する人も一定数いますが、後日タイミングを見て買う人がほとんどだということを理解しておきましょう。
買い物の参考にする人は誰か
以前は買い物する際に最も参考にされている人として、芸能人やインフルエンサーなどの有名人が挙げられていましたが、現在では家族や友人、そしてお店の販売員がその地位に取って代わりつつあります。フォロワー数の多い芸能人やインフルエンサーがPR投稿をやりすぎた結果、「芸能人が推薦する商品は信頼できない」という悪い印象が広まり、その信頼度は低下してしまいました。一方で、家族や友人は本当に良い商品のみを推薦するため、信頼性は高いとされています。そこで、そういった人たちのUGCをどうやって発生させるかが、Instagram内でのコンバージョン率を上げる鍵となります。
フェーズごとの発信の効果
Instagram公式によるフェーズごとの発信の効果について、商品の発見や認知に関してはブランド自身の発信が有効とされています。次に詳細を調べる段階では、利用者やコミュニティ(インフルエンサーやUGC)を参考にすることが多くなります。このため、ブランド自身の発信とUGCの促進が両方とも重要なのです。
売上げにどのように寄与するのか
Instagramアカウントは、さまざまな購入パターンを促進する接着剤の役割を果たしています。例えば、広告から直接購入に至る確率は高くない場合が多く、多様なユーザー行動が見られます。一部の人はInstagramのアカウントでブランドの情報を確認し、直接購入に至る場合もあれば、再度他のメディアで調査した後に指名検索で購入する人、また、直接Instagramの投稿から購入サイトに遷移するなど、幾つもの購入パターンがあります。
ラストクリック分析だけではInstagramの貢献が分かりずらいのですが、実際にはInstagramが購買のきっかけとなり、売上げを生んでいるのです。
Instagramの集客数最大化の細分化
Instagramのアカウントで集客をする場合に『オウンド』『アーンド』『ペイド』で細分化して見ていくと、最も重要なものが『オウンド』のブランドアカウントで、これがすべての接着剤となります。『アーンド』ではメンションやタグ付け、ブランドハッシュタグを追いながら、投稿内の訴求を考えていくことが必要です。『ペイド』ではブランド広告より、ブランドタイアップ広告が効果を発揮します。第三者による投稿を広告として利用することが購入意思決定に影響します。
短期と中長期に分けて効果を見る
Instagramマーケティング施策を短期と中長期に分けて見ていきます。マーケティング施策として、インフルエンサー有償タイアップ、ギフティングとUGC創出施策、ブランド発信(アカウント運用)、ブランド発信(広告)がありますが、弊社がおすすめしているのはギフティングです。
ギフティングがおすすめ
ギフティングの短期的効果は、タイアップを活用した広告配信に活用できるので投稿者のエンゲージメントが高く、リーチに繋がるところがポイントです。中長期では費用を大きくかけることなく継続施策によってブランドハッシュタグを貯めていくことで、比較検討層向けコンテンツの蓄積ができます。ユーザーが気になる商品があったときに、インスタグラム内でのタグ付け欄を増やして行けるので、購入率が上がります。
ギフティングの費用対効果は高い
インフルエンサーの有償タイアップはフォロワー単価が2.5円掛かるので費用対効果が高いとは言えません。一方、ギフティングは商品提供(商品原価)と人件費だけしか掛からないので、費用対効果が高くなります。
ギフティング施策の詳細
ギフティングは「もしよかったら投稿してください」と依頼する任意投稿ですが、幾つかNG項目があります。例えば、顔と商品が写ったニコパチは時代遅れです。人選の時点でそういったことを理解している人を選ぶことは言うまでもありませんが、事前にNG項目を相手にきちんと伝えて、タイアップラベルを使用することでステマを防ぐ必要があります。月に30時間程度のリソースの確保がおすすめです。
ギフティングで狙うのはナノ層
ギフティングで狙う相手は通常のインフルエンサーマーケティングとは異なります。フォロワーの多いトップではなく、ナノインフルエンサーと呼ばれるインフルエンサーのヒエラルキーで最下層にいるフォロワーが数千人の層を狙います。
ナノインフルエンサーを狙う理由
ギフティングでナノ層のインフルエンサーを狙う理由は、ユーザーが買い物の参考にしているのが家族や友人、販売員といった一般人だからです。ギフティング施策で一番大事なことは、一般の人にどれだけUGCを促すことができるかどうかです。
これは、Instagramのアルゴリズムがフォロワー数よりも初速エンゲージメントを重視するようになったことが大きな理由の一つです。TikTokのように、コンテンツファーストの方針に変わってきたため、フォロワーが少なくてもコンテンツの内容次第で大きく伸びる可能性があります。むしろ、フォロワーが少ない方が伸びやすいとも言われているため、ナノインフルエンサーを狙う価値があります。
ギフティングの事例
弊社がギフティングを実施した事例では、1投稿で売上げが200万円増加したケースがあります。ギフティングの効果をきちんと測定するために、広告などギフティング以外のすべての施策をストップしてギフティングのみの純粋な数値を確認しました。この事例では、指名検索も施策の前後を比較して約16倍に増加しています。一般検索よりコンバージョン率の高い指名検索が増加したため、売上げに繋がりました。
ギフティングを継続した結果
ギフティングを継続して行った結果、約2ヶ月で指名検索数が右肩上がりでぐっと伸びました。指名検索を増やすという観点でも、ギフティングは継続して行う意味があります。
ブックマーク数の増加
弊社はAmazonや楽天市場で販売していますが、モール内でのブックマーク数も増加しました。Amazonや楽天市場のイベント日には、事前にブックマークしておいた商品を購入するユーザーが多く、ブックマーク数が増えるほど売上げも伸びます。
Instagram運用は戦略第一
Instagram運用は戦略第一です。まず、きちんと戦略を設定した上で施策を実行するようにしましょう。実行体制を確立せずに施策を進めると、施策が一貫せず、レバレッジが効かなくなり、売上最大化が難しくなります。まず、横串の実行体制を整えた後で施策を実施し、さらに施策後には振り返りを行うことが不可欠です。
ブランドファンの有無で戦略は変わる
今回、ギフティングについて話しましたが、ブランドファンが少ない状態では、ギフティングを含めた消費者向けの発信が必要です。一方で、すでにロイヤリティユーザー(頻繁に利用してくれるファン)がいる場合、そのファンが自発的に消費者向けの発信をしてくれるため、ギフティング施策を行わなくても、ブランド自身の発信を増やすだけで十分です。ブランドとロイヤリティユーザーとのコミュニケーションを増やすだけでも、売上げは上がります。
Instagramアカウント運用は中長期的視点で見るべし
Instagramのアカウント運用は広告を使えばすぐに伸びるというわけではありません。短期的ではなく、中長期的な視点でファンを集めていくことが大切です。時間をかけて地道にファン作りをしていきましょう。
TATAPの紹介
弊社TATAPは、SNSマーケティングに特化した成果にこだわる戦略コンサルティング会社です。
SNSの広告運用実績、インフルエンサーマーキング、ギフティングの実績も豊富です。
SNSに関しては、TikTokを含む各プラットフォーム累計で300アカウント以上、さらに600万フォロワーのグロース実績があります。
クリエイターを活用したインフルエンサーのサポートや、新商品の販売支援、さらにはKPIの戦略策定やSNS全体の戦略設計など、幅広いサポートを一貫して提供いたします。Instagramを含むSNSで何かお困りでしたら、ぜひお問い合わせください。
プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」