美容/化粧品会社向け Instagramマーケティング施策のまとめ、売上最大化のためにやること
- Instagramマーケティングで重要なのは戦略設計
- インフルエンサーマーケティングが必要不可欠
- ブランドアカウントはホームページの役割を担う
- おすすめはギフティング
読了目安:約分
Instagramのマーケティング施策に関して、美容・化粧品会社向けにお話しいたします。私は以前、化粧品会社でマーケティングを担当していた経験があり、その知見をもとにお伝えいたします。
なんのためのInstagramなのか?再定義の必要性
Instagramの施策は増加しており、その役割も変化しています。
まず重要なのは戦略設計です。ここがずれてしまうと、後に行う施策もすべてずれてしまい、せっかくの努力が無駄になってしまいます。
初めに、会社としてInstagramをどのように活用していきたいのかを再定義した上で、施策を実行していきましょう。
Instagramでやるべきこと
美容・化粧品会社がInstagramでやるべきことには、大きく3つあります。
①ブランドアカウントの運用
②インフルエンサーマーケティングの実施
③多様な広告運用
これらを掛け合わせることで、Instagramによる売上最大化を図ることができます。
一般的なケースとして、ブランドアカウントの運用は広報チームが担当し、インフルエンサーマーケティングや広告運用はマーケティング部が担当することが多いです。
きちんとした戦略設計に基づき、各部署間で連携を取りながら、皆が同じ目標に向かって包括的に施策を進めていくことが非常に大切です。
フェーズごとによる発信の効果
次に、フェーズごとに発信の効果を見ていきます。
「新しい商品やサービスを見つける(認知)」「詳細を調べて検討する(比較検討)」「購入を決定する」といった3フェーズごとに、誰が発信する情報がもっとも参考にされているのかを見ていきます。
商品の発見や認知に関しては、ブランド自身の発信がもっとも参考にされています。しかし、比較検討や購入を決定する段階になると、実際に商品を使用したことのある利用者やコミュニティといった第三者視点での発信が参考とされる傾向があります。
ブランドアカウントと広告の運用を行っているものの、インフルエンサーマーケティングを実施していない企業もあります。しかし、ブランドアカウントと広告の運用は認知や比較検討の段階では効果的ですが、売上に繋げるためにはインフルエンサーマーケティングが必要不可欠な施策です。ぜひ導入を検討してください。
ブランドアカウントの運用
ブランドアカウントの運用
続いて、コスメブランド『フィービービューティーアップ』の事例を挙げます。
ブランドアカウントは、世界観によるブランディングとInstagram内の最終コンバージョン地点であり、ホームページの役割を担っています。
Instagramでは、広告を目にして「もっとブランドのことを知りたい」と思った場合、42%のユーザーがブランドアカウントを確認するといったデータがあります。つまり、2人に1人の高い確率でブランドアカウントを見てから購入の意思決定をしています。
そのため、Instagram内にブランドアカウントが存在しない場合、最終的なコンバージョン地点が欠けてしまい、ユーザーの購入意欲が損なわれる可能性があります。Instagram内におけるホームページの役割を果たす、とても重要な位置づけです。
ブランドアカウントを運用には、利用者やインフルエンサーなどの第三者がタグ付けしてくれることで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が創出されるというメリットがあります。
また、ブランドアカウントのフォロワーはメディアアカウントの運用と比べてフォロワーが付きづらいです。それでもフォローしてくれている既存の「ファン化したフォロワー」に対するCRM機能(キャンペーンや新商品の告知など)を有効に活用しましょう。
その他にも、ブランドの世界観や商品性の理解促進を行えること。ショップタグを活用した良質なサイト遷移数の向上がメリットとして挙げられます。
一方で、投稿自体にエンゲージメントがつきづらく、既存フォロワー以外にリーチが出づらい、潜在的なリーチが取れないといったデメリットもあります。
こういったデメリットを補完するために、インフルエンサーマーケティングや広告の運用をおすすめします。
インフルエンサーマーケティングとは
弊社が運営する『鎌倉ライフ』の事例をご紹介します。インフルエンサーマーケティングの強みは、自分たち(企業自身)では提供できない第三者視点のUGC(ユーザー生成コンテンツ)の投稿を通じて、生活感のあるクリエイティブで訴求できる点にあります。
これにより、リーチの獲得、ブランドの認知度向上、さらには商品への遷移数の増加が見込まれます。
その他のメリットとしては、ブランドハッシュタグを利用したコンテンツの投稿により、検索ユーザーへの効果的なアプローチが可能になる点が挙げられます。つまり、Instagram内でのSEO対策が実現できるということです。
さらに、ブランドアカウントでは難しいリーチの獲得により、ブランド認知の向上や商品遷移の獲得が期待できます。加えて、インフルエンサーの投稿を活用したブランドタイアップ広告の出稿も可能です。
一方で、インフルエンサーマーケティングには、クリエイティブの管理が難しい点や、インフルエンサーの選定やコミュニケーションに多くの工数が必要となる点がデメリットとして挙げられます。
しかしながら、これらのデメリットを考慮しても、費用対効果の観点から見ると非常に高い効果が期待できるため、インフルエンサーマーケティングの活用をおすすめします。
インフルエンサーマーケティングの手法
インフルエンサーマーケティングの手法には3つあります。
①アンバサダープログラムの発足
②単発での投稿依頼
③ギフティング
『アンバサダープログラムの発足』とは、自社で期限や特典を決めてアンバサダーを募集し、集まったアンバサダーと連携して取り組んでいくものです。
次に、『単発での投稿依頼』は、有償でインフルエンサーに投稿を依頼する手法で、単価を総額を決めて実施されます。例えば、フォロワーが100万人いるインスタグラマーなどに単価100円、総額300万円で投稿を依頼するものです。
そして、『ギフティング』も一つの手法です。これは、インフルエンサーなどに商品やサンプルを提供し、「よければ投稿してください」と促すのみで投稿は確約されません。
おすすめの戦略は、まず『ギフティング』を活用して関係性を構築してから『アンバサダープログラムの発足』を行うことです。さらに、新商品の告知などのタイミングに合わせて広告を活用すると一層効果的です。広告単体では費用対効果があまり期待できないので、おすすめできません。
広告運用
広告運用では、クリエイティブPDCA(Plan-Do-Check-Actのサイクル)を回し、ターゲティング(広告の配信対象)を絞ることが重要で、その上でCPA(広告費用対効果)やCPO(1注文あたりのコスト)を組み合わせるためにLPO(ランディングページ最適化)やEFO(入力フォーム最適化)などの改善策が取られます。
さらに継続率(顧客のリピート率)を上げるために同梱物(商品と一緒に送られる資料やサンプル)やステップメール(段階的に送られるメール)の内容などが検討されるケースもあります。
施策ステップ
Instagramのマーケティング施策に関して、美容・化粧品会社向けにお話ししましたが、どのように施策を展開していくかについてまとめます。
まずは、ブランドの顔になるブランドアカウントを構築することから始めます。Instagram上にホームページがないと、タグ付けができず、インフルエンサーマーケティングの実施ができません。また、せっかく広告を出稿してもユーザーの受け皿がないため、効果的なマーケティング活動ができず、ブランドの認知度や売上の向上が難しくなります。
次はインフルエンサーマーケティングの実施です。おすすめはギフティングで、有償投稿では費用対効果が見合わないからです。ギフティングでは、比較検討や購入フェーズにおいて第三者視点でのコンテンツを創出できることもメリットになります。ブランドアカウントだけではリーチが不足するため、そこを補完する役割も担います。
最後に、すべてが揃ったタイミングで広告運用とブランドアカウントの改善と定常運用を実施します。さらに、投稿内容を詰めたり、CPAやCPOを見ていくフェーズへ移行します。
多くの場合、すべてを省略して広告運用をしてしまいがちですが、まずは土台を整えることが重要です。土台が整っていないと、広告運用の効果が十分に発揮されませんので、注意してください。
TATAPの紹介
弊社TATAPは、SNSマーケティングに特化した成果にこだわる戦略コンサルティング会社です。
SNSの広告運用実績、インフルエンサーマーキング、ギフティングの実績も豊富です。
SNSに関しては、TikTokを含む各プラットフォーム累計で300アカウント以上、さらに600万フォロワーのグロース実績があります。
クリエイターを活用したインフルエンサーのサポートや、新商品の販売支援、さらにはKPIの戦略策定やSNS全体の戦略設計など、幅広いサポートを一貫して提供いたします。Instagramを含むSNSで何かお困りでしたら、ぜひお問い合わせください。
プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」