ファッション/アパレル会社の担当者必見!Instagramマーケティングの成功・失敗事例『ファッション篇』で、お悩み解決‼
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これまで、ブランドアカウントの構築やインフルエンサーマーケティング、ギフティング、広告運用についてお話ししてきましたが、今回はファッション・アパレル会社向けに、Instagramマーケティングの成功と失敗例を解説します。
ファッション/アパレル会社がInstagramを活用するメリット
SNSの投稿からファッションの情報収集をして、毎日のお洒落のお手本として活用している人が多い時代、SNSアカウントを活用して情報を発信するファッションブランドも増えています。中でも、Instagramは画像や動画を使用して気軽に自社商品をアピールできることから、積極的に活用されています。むしろ、まだアカウントを持っていないというブランドの方が少数派なのではないでしょうか?
Instagramから人気に火がついたというブランドも多く、ファッションアイコンとして活躍するインフルエンサーやブランドディレクターも多数存在。さらに、SNS上で大きな影響力を持つインフルエンサーが自ら立ち上げたブランドも続々と登場し、Instagramにはファッションに関する投稿が満載です。
リアルタイムで旬のアイテムを探したい、好きなブランドのスタッフやインフルエンサーなど、憧れのあの人のコーディネートを参考にしたいなど、理由は様々ですが、流行に敏感なお洒落さんたちは、最新のファッション情報を簡単に手に入れられるinstagramを日々チェックしているのです。Instagramで発見した商品をインターネット上で検索し、比較検討した上で実店舗やECサイトで購入するという流れが今や主流となってきました。
■Instagramのメリット
❶アパレル商品の魅力を発信するのに適している(コーディネートも含む)
❷ブランドのイメージ構築とファンの獲得ができる
❸無料でアカウント作成できるため、コストを抑えることができる
❹Instagramユーザーとブランドのターゲット層が近い
❺ビジネスアカウントでは、ショッピング機能を使える
Instagram運用の失敗事例
それではさっそく、Instagramアカウントの運用で失敗している企業の多くがついやってしまいがちな、2つのNG事項から見ていきましょう。
■「UGC投稿」「ブランド投稿」が混在している
UGC投稿とブランド投稿の混在そのものはNGではありません。ただし、ブランドの世界観やトンマナが合っていることが条件です。トンマナとは「tone(トーン)&manner(マナー)」の略語であり、簡単に言うと、統一感をもたせるためのルールのこと。ブランド独自の世界観やトンマナがブレていることを軽視して、手っ取り早くユーザーの投稿を利用してしまうと、ファン化もかなわず、エンゲージメントも付きにくくなります。せっかく投稿しても、無駄になるばかりかマイナスに働いてしまうこともあるので、注意しましょう。
■自社商品以外のプレゼントキャンペーンの実施
Instagramで実施するプレゼントキャンペーンは、フォロワーやリーチを増やしたいときに有効な手段です。プレゼント内容を自社商品やサービスにすることで認知度が広がり、宣伝効果も期待できます。
ただし、売れ筋のゲーム機など、人気の高い他社商品や金券などのプレゼント施策を行うことはタブーです。一時的にフォロワーやいいねの数が伸びるため、勘違いしてしまいそうですが、自社商品以外のものを利用して集めたフォロワーは、アカウントからの投稿にあまり反応してくれません。
そういったプレゼント施策に応募するフォロワーは、プレゼント目的の懸賞アカウントが多いことが原因です。一旦、フォローしてくれてもすぐにフォローを外されてしまうことも多く、実益につながることは少ないと言えます。
そもそもInstagramの規約では、金券や現金のプレゼント施策はできないきまりになっています。アカウントの信用が下がることにもなりかねません。最悪な場合、アカウントが削除されるなど、アカウントの存在そのものを脅かす恐れがあるため、自社商品以外のプレゼントキャンペーンは実施しないほうがいいでしょう。
Instagram運用の成功事例
成功しているアカウントを見ると、ただやみくもに大量の投稿をしているわけではなく、どれもトンマナやターゲットをしっかりと意識した投稿であることが分かります。トンマナやターゲットを設定してコンテンツを制作することはブランドや商品、サービスの価値を高める効果があり、また、統一した基準を明確化することによって、表現したい世界観がイメージしやすくなるため、コンテンツの制作にかかる余計な時間や手間が省け、結果的にコストダウンにつながるというメリットがあります。
まずは、レディースファッションサイト「fifth store(フィフスストア)」の例から。
■「fifth store」
フォロワー数:86.2万人※2024.05.09現在
自社ブランド「fifth(フィフス)」を中心として展開するファッションサイトです。
同社では、自社のブランドメディアを保有しつつ、複数のブランドアカウントを同時に運用していくという方法で成功しています。複数のブランドアカウントを使い分けることにより、それぞれのフォロワーへのアプローチをより強化できるというメリットがあります。
続いては、レディースファッションブランド「ROYAL PARTY(ロイヤルパーティー)」です。
■「ROYAL PARTY」
ブランドアカウントフォロワー数:13.6万人 ※2024.05.09現在
スタッフアカウントフォロワー数:3.2万人 ※2024.05.09現在
20代の若い世代に人気上昇中の「ROYAL PARTY(ロイヤルパーティー)」は、スタッフアカウントとブランドアカウントとを分けて活用しています。スタッフアカウントはスタイリングをメインとした投稿になっており、ブランドアカウントはブランドの世界観を伝えながら商品の魅力を発信しています。
スタッフアカウントでは、スタッフ自らがモデルをつとめており、コーディネートされた服を着用して登場。同ブランドにはスタッフのファンであるフォロワーが多く、憧れのスタッフが着用した服を買い求めるファンも少なくありません。
ブランドの世界観と生活感(自分ごと化)を分けて、うまく活用している例だと言えます。
最後に、韓国系ストリートブランド「PIVOTDOOR」の例を見ていきます。
■PIVOTDOOR
フォロワー数:13.2万人 ※2024.05.09現在
「PIVOTDOOR(ピボットドア)」は、メンズ・レディース・ユニセックスアイテムを取り扱う韓国系のファッションブランドです。著名人とのコラボによるメディア型投稿でリーチを最大化して、UGC数も最大化していることが特徴。著名人のファンがフォロワーになってくれる可能性も期待でき、また著名人が着用してくれることによって、ブランドのイメージアップにつながる効果もあります。
まとめ
今回、ファッション系企業の成功事例を3つ挙げて解説しましたが、それぞれ企業によって目的や推したいブランドが異なります。つまり、マーケティングのリソースによって、やるべき施策などもそれぞれの企業に合わせて個別に考えていく必要があるのです。
成功事例はあくまでも参考として、自社のアカウント運営に生かしていただければと思います。
著者プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
📚著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」https://amzn.asia/d/jgczWfe