SNS運用の生成AI活用|任せる工程と任せない工程

SNS運用の生成AI活用|任せる工程と任せない工程
Pointこの記事でわかること
  • 生成AIは工数削減し、戦略と対話へ時間を再投資
  • 企画・文章・画像・動画・分析をAIで高速に量産できる
  • 嘘投稿・著作権・ラベル無視は即炎上、必ず人が確認
  • AIだけだと無機質に見抜かれる。人間味の設計が必須
  • 最適解はプロがAIを管理運用し、安全に成果へつなげる

読了目安:約

結論生成AIに任せられるのは「量をこなす工程」で、任せられないのは「何を出すかを決める判断」です。この線引きを先に決めると、導入して何時間浮くのかが計算できるようになります。逆に線引きをしないまま使い始めると、出力の確認に時間を取られ、かえって工数が増えます。この記事では、累計300アカウント・600万フォロワー以上の支援を行ってきた株式会社TaTap(SNSマーケティング支援会社)代表取締役・富田竜介が、工程ごとの使い方と、避けるべき5つの使い方を整理します。(最終更新:2026年9月)

この記事の要点

  • 工程を「任せられる/任せられない」で分けます。判断を任せると、理由が社内に残りません。
  • テキストは投稿案の洗い出しと下書きに効きます。プロンプトは役割・条件・出力形式の3点で組みます。
  • 画像と動画は、作る前に権利とAI生成ラベルのルールを決めてください。
  • 避けるべき使い方が5つあります。いずれも「確認の工程を省いたとき」に起きます。
  • 導入しても伸びない原因は、AIの性能ではなく、何を出すかが決まっていないことにあります。
  • 社内に定着させるなら、ツールの紹介より運用フローの設計から始めてください。

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任せられる工程と、任せられない工程

結論手順が決まっている作業は任せられます。判断が伴う作業は任せられません。この基準で自社の業務を仕分けると、どこにAIを入れるかが決まります。

工程任せられるか理由
投稿案の洗い出し任せられます案の数を増やす作業で、選ぶのは人だからです
投稿文の下書き任せられます型が決まっていれば量産できます
ハッシュタグの候補出し任せられます候補を並べる作業だからです
インサイトの集計とレポート化任せられます毎月同じ手順の処理で、自動化の効果がそのまま時間になります
コメント・DMの一次仕分け条件つきで任せられます仕分けは任せられますが、返信の送信は人が確認します
画像・動画の素材づくり条件つきで任せられます権利とラベルの確認が別途必要です
何を出すかの判断任せられません事業の状況をふまえた責任のある判断が必要です
数値の解釈と次の一手任せられません数字が動いた理由は、社外の事情も含めて判断します
公開の可否任せられません表示規制・薬機法・権利の最終確認は人の責任です
生成AIには量をこなす工程を任せ、何を出すかの判断は社内に残すという線引きを示した図。先に線を引く。あとから引くと、確認に時間を取られます任せられる(量の工程)手順が決まっている作業・投稿案の洗い出し・投稿文の下書き・集計とレポート化・コメントの一次仕分け任せられない(判断の工程)責任が伴う判断・何を出すかの決定・数値の解釈と次の一手・公開の可否(法令・権利)・トーンの最終調整判断まで任せると、なぜその投稿にしたのかが社内に残りません

とくに集計とレポート化は、導入の効果が読みやすい工程です。毎月同じ手順を繰り返しているため、自動化した分がそのまま時間の削減になります。まずここから始めると、社内での説明もしやすくなります。

逆に、投稿の可否や数値の解釈を任せると、なぜその投稿にしたのかという理由が社内に残りません。担当者が代わったときに再現できなくなるため、ここは人が持ってください。

テキスト|プロンプトは3点で組む

結論思ったものが出てこない原因は、AIの性能ではなく指示の粒度です。役割・条件・出力形式の3点を書くだけで、結果が変わります。

書く要素書く内容
役割誰として答えてほしいか(例:企業のSNS担当者として)
条件商材・ターゲット・目的・避けたい表現
出力形式表か箇条書きか、何件出すか、各項目に何を入れるか

投稿企画をまとめて出す

企業のSNS担当者として、Instagramの1か月分(週3回・全12本)の投稿企画を表で出してください。

条件:商材は〇〇/ターゲットは〇〇/目的は〇〇/月曜は使い方の解説、水曜は商品の紹介、金曜は制作の裏側

出力形式:日付・曜日・テーマ・読み手の状況・1枚目の見出し案・本文の方向性の6列

ここで出るのは案の一覧であって、そのまま使う投稿ではありません。中から選び、事実を確認し、自社の言葉に直す工程が必ず入ります。

自社の言い回しを覚えさせる

以下の商品のInstagram投稿文を作成してください。

言い回しの条件:文末は「〜です」「〜ます」で統一/専門用語は使わず、はじめて聞く人にもわかる言葉にする/絵文字は1投稿に2つまで/宣伝の言い方は避け、使ってみて分かったことを書く形にする

この条件部分を社内のテンプレートとして保存してください。誰が使っても同じ言い回しになり、担当者が代わっても印象が変わりません。プロンプトを個人が持つのではなく、共有の資産にするのが要点です。

返信の下書きを作る

コメントやDMへの返信は、下書きまでを任せられます。「このコメントに、お礼を伝えつつ簡潔に返す案を3つ」と指示し、人が選んで手を入れます。送信そのものは必ず人が行ってください。

画像|作る前に決めておく2つのこと

結論画像生成は、作ってから確認するのではなく、作る前にルールを決めておく工程です。後から気づくと、公開後の対応になります。

決めておくのは次の2つです。

  • 権利の扱い:特定の作家名や作品名をプロンプトに入れないこと。生成した画像は公開前に画像検索で類似がないか確認すること。
  • AI生成であることの表示:実在の人物や出来事に見える画像を使う場合、各プラットフォームのラベル設定に従うこと。

そのうえで、使いどころは主に3つです。

使いどころ内容注意点
背景・装飾の素材撮影した商品と組み合わせる背景を作ります商品そのものはAIで作らないでください
比較用のパターン出し色や構図を変えた案を複数出して比べます選ぶのは人が行います
解説用の挿絵説明を補う図やイメージを作ります実在の人物に似ていないかを確認します

商品そのものをAIで生成した画像は使わないでください。実物と違う見え方になった場合、表示の問題になります。素材として使えるのは、あくまで背景や装飾の部分です。

動画|台本から編集までの流れ

結論動画は工程が多いぶん、AIを入れたときの効果が大きい領域です。ただし顔出しの有無で、使える範囲が変わります。

  1. 台本を作ります。「最初の3秒で見続ける理由を作り、中盤で中身を渡し、最後に次にしてほしいことを1つ言う構成で、30秒の台本を」と指示します。
  2. 読み上げとテロップを付けます。台本を読み込ませると、音声の生成とテロップの自動配置ができます。
  3. 素材を差し込みます。内容に合う映像や画像を配置します。ここは人が選ぶほうが、内容とのずれが出ません。

顔出しをしない解説系の動画であれば、この流れで制作の時間を大きく減らせます。一方で、人が話す動画や、商品を実際に使う様子を見せる動画は、AIでは代替できません。どちらの型で運用するかを先に決めてください。

ツールをどう選ぶか

結論ツール選びより、どの工程に入れるかを先に決めてください。工程が決まっていれば、必要な機能は自然に絞られます。

工程求める機能選ぶときの基準
企画・文章長い前提を読み込ませられること自社の資料を読ませて使えるか
最新の話題を絡めるWeb検索と連動していること情報の出どころを示せるか
画像指示どおりの構図を出せること商用利用の条件が明記されているか
動画の編集テロップの自動生成日本語の認識精度
集計・レポートデータの読み込みと表の生成社内のデータを入れてよいか

最後の「社内のデータを入れてよいか」は、ツール選びで最も重要な基準です。個人向けのプランと法人向けのプランでは、入力したデータの扱いが異なります。導入前に、契約する条件を確認してください。

より踏み込んだ自動化として、Claude Codeのような開発向けのツールでSNSの業務そのものを組む方法もあります。集計やレポートの自動化を仕組みとして作る場合は、専用の記事にまとめています。

避けるべき5つの使い方

結論問題が起きるのは、AIを使ったからではなく、確認の工程を省いたときです。次の5つは、いずれも省略から生まれます。

避けること何が起きるか防ぎ方
事実確認をせずに公開する成分や仕様が事実と異なる内容が出ます。景品表示法や薬機法の問題になります数値・成分・効能を含む投稿は、担当部署が確認する手順にします
権利を確認せずに画像を使う既存の作品に似た画像が出ることがあります作家名をプロンプトに入れない。公開前に画像検索で確認します
AI生成のラベルを付けない実在の出来事に見える内容で、表示義務に違反します各プラットフォームの最新ルールを運用手順に組み込みます
機密情報を入力する未公開の商品情報や顧客情報が外部に出ます入力してよい情報の範囲を社内で文書化します
出力をそのまま公開する誰が書いても同じ文章になり、読み手に伝わりません下書きとして扱い、担当者が体験や判断を足します

1つ目の事実確認は、確認する人を決めることが要点です。「みんなで気をつける」では機能しません。数値や効能に触れる投稿は誰が見るのかを、名前で決めてください。

5つ目については、読み手が見抜くという以前に、そのまま公開できる文章はAIから出てこないと考えたほうが実態に合います。前提を知らないAIが書いた文章に、担当者しか知らないことを足してください。この工程を省くと、投稿の意味がなくなります。

導入しても伸びない理由

結論伸びない原因は、AIの使い方ではなく、何を出すかが決まっていないことにあります。ツールを変えても解決しません。

よくあるのは次の2つです。

①決めるべきことをAIに聞いている。「伸びる企画を出して」と聞くと、一般的な案が返ってきます。誰に向けて、何を伝えたいのかは、事業を知っている人しか決められません。AIが答えられるのは「どう作るか」であって「何を作るか」ではありません。

②指示が短すぎる。「〇〇の紹介文を書いて」の1行では、前提が伝わりません。役割・条件・出力形式の3点を書くだけで結果が変わります(前述)。うまくいかないときは、AIを疑う前に指示を見直してください。

この2つは、どちらもツールの問題ではなく運用設計の問題です。だからこそ、導入時にツールの使い方だけを共有しても定着しません。

社内に定着させる|研修という選択肢

結論ツールの操作を教えるだけでは定着しません。どの工程に使うか、誰が確認するかまで決めて、はじめて日常の運用に入ります。

定着させるために必要なのは、次の3つです。

  1. 使う工程を決めます。「AIを活用する」ではなく「月次レポートの集計に使う」まで絞ります。
  2. プロンプトを共有の資産にします。個人が持つと、担当者が代わったときに消えます。
  3. 確認する人と範囲を決めます。事実確認・権利・ラベルの3点について、誰が見るかを決めます。

これを社内で組み立てるのが難しい場合、研修という形でまとめて設計する方法があります。TaTapではSNS研修・勉強会を1回15万円〜(税別)でご用意しています。オンラインでも訪問でも同額で、テキスト・資料代を含み、事前のヒアリングは無償です。(2026年9月時点)

研修には2つの型があります。現場の担当者向けには、媒体ごとの運用と生成AIの使い方を実務に落とす内容経営者・責任者向けには、SNSの役割整理とKPIの考え方、AI時代の変化を扱う内容です。どちらも、自社の状況をうかがったうえで組み立てます。

詳しい内容はSNS研修・勉強会のページにまとめています。研修だけでなく運用体制そのものを整えたい場合は、インハウス支援・体制構築もあわせてご覧ください。

AI検索の時代に、SNSに求められること

結論生成AIは「作る側」だけでなく「見つけられる側」にも関わります。AIが商品を説明するとき、SNS上の第三者の投稿が材料として使われるためです。

TaTapが2026年8月に実施した「AI検索時代の購買行動調査」(20〜49歳・n=321)では、AIを利用している人のうちAI経由で商品を購入したことがある人は57.2%でした。一方で、AIの回答だけで購入を判断する人は2.4%にとどまり、裏取りの手段としてSNSを挙げた回答が259件と、Google検索の103件を上回っています。

同じ調査で、SNSに口コミがないと購入をやめることがあると答えた人は34.4%でした。つまりAIで候補に入ったあと、SNSで確認され、そこに何もなければ落ちるという流れです。

この観点から、生成AIの使い方には次の2つの面があります。

  • 作る効率を上げる:投稿の量と速さを確保します。
  • 見つけられる状態を作る:自社サイト・商品ページ・SNSの情報をそろえ、第三者の投稿を増やします。

前者だけを進めても、後者が空のままでは成果につながりません。投稿の本数が増えたのに問い合わせが動かない場合は、後者を確認してください。

まとめ

生成AIの導入は、ツールを選ぶ前に線を引くところから始まります。

  • 手順が決まっている作業は任せられます。判断が伴う作業は任せられません。
  • 集計とレポート化は、効果が読みやすいため最初に取り組む工程として向いています。
  • プロンプトは役割・条件・出力形式の3点で組み、条件部分は社内の共有資産にします。
  • 画像と動画は、作る前に権利とラベルのルールを決めてください。
  • 避けるべき5つは、いずれも確認の工程を省いたときに起きます。
  • 伸びない原因はツールではなく、何を出すかが決まっていないことにあります。
  • 定着には、使う工程・プロンプトの共有・確認する人の3点を決める必要があります。

どの工程から入れるかは、いまの体制によって変わります。現状をうかがったうえでお答えしますので、お気軽にご相談ください。契約前のご提案は、無償でできる範囲で対応しています。

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よくある質問

SNS運用で、まず何にAIを使えばよいですか?

結論、インサイトの集計とレポート化です。毎月同じ手順を繰り返す作業のため、自動化した分がそのまま時間の削減になり、効果を説明しやすくなります。次に投稿案の洗い出しと下書きへ広げてください。画像や動画は、権利とラベルのルールを決めてからにしてください。

AIに任せてはいけない工程はどこですか?

結論、何を出すかの判断、数値の解釈と次の一手、公開の可否の3つです。ここを任せると、なぜその投稿にしたのかという理由が社内に残らず、担当者が代わったときに再現できなくなります。手順が決まっている作業は任せ、判断は人が持ってください。

思ったような文章が出てきません。どうすればよいですか?

結論、指示に役割・条件・出力形式の3点を入れてください。「〇〇の紹介文を書いて」の1行では前提が伝わりません。誰として答えてほしいか、商材とターゲットと目的、表か箇条書きかと件数を書くだけで結果が変わります。ツールを変える前に、指示を見直してください。

AIが作った文章をそのまま投稿してもよいですか?

結論、下書きとして扱ってください。事実と異なる内容が含まれることがあり、数値や成分に触れる投稿では景品表示法や薬機法の問題になります。また、前提を知らないAIの文章には担当者しか知らないことが入りません。事実確認と加筆の2つを必ず入れてください。

AI生成コンテンツにラベルは必要ですか?

結論、実在の人物や出来事に見える画像・動画を使う場合は必要です。主要なプラットフォームがAIで生成・改変したリアルな内容へのラベル表示を求めています。ルールは変更されるため、各プラットフォームの最新の案内を確認し、投稿前の手順に組み込んでください。

画像生成AIで作った画像を商用利用してもよいですか?

結論、ツールの利用条件を確認したうえで、既存の作品に似ていないかを公開前に確認してください。特定の作家名や作品名をプロンプトに入れないこと、生成した画像を画像検索で確認することの2点を運用手順に入れます。なお、商品そのものをAIで生成した画像は使わないでください。

機密情報をAIに入力しても大丈夫ですか?

結論、入力してよい情報の範囲を社内で決めてください。未公開の商品情報、顧客の個人情報、社外秘のデータは、入力先の契約条件によって扱いが変わります。個人向けのプランと法人向けのプランでデータの扱いが異なるため、導入前に条件を確認してください。

AIを導入したのに成果が変わりません。なぜですか?

結論、何を出すかが決まっていない可能性があります。AIが答えられるのは「どう作るか」であって「何を作るか」ではありません。誰に向けて何を伝えるかは、事業を知っている人しか決められません。ツールを変えるより、この部分を言語化してください。

社内にAI活用を定着させるには何が必要ですか?

結論、使う工程を絞ること、プロンプトを共有の資産にすること、確認する人と範囲を決めることの3つです。「AIを活用する」ではなく「月次レポートの集計に使う」まで絞ってください。プロンプトを個人が持つと、担当者が代わったときに消えます。

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最終更新:2026年9月7日/執筆:株式会社TaTap 編集部(監修:代表取締役 富田竜介)

記事監修
富田竜介 プロフィール写真
富田 竜介 Ryusuke Tomita
株式会社TaTap 代表取締役|SNSマーケティングコンサルタント

Instagram・TikTok・X(旧Twitter)・YouTubeを中心に、企業のSNS運用設計・コンテンツ制作・改善まで一気通貫で支援。累計300アカウント以上の支援実績をもとに、業種・予算規模を問わず再現できる運用モデルを体系化している。
現場の一次情報にもとづいた実践的なノウハウを強みとし、自社メディア「SOCIAL TALK」ではSNSトレンドの解説や運用事例を継続発信中。

富田竜介 著書

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本記事の内容は2026年9月時点の情報にもとづいています。生成AIツールの機能・料金、各プラットフォームのAI生成コンテンツに関するルール、関連法令は随時変更されるため、最新の情報は各公式の案内をご確認ください。料金は税別です。

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