【SNSマーケティング】SNS運用の運用体制を徹底解説。経営者やマネージャーは必見!!
- SNS運用は責任者を中心にアカウント運用、口コミ施策、広告担当の3つのセクションに分かれる
- 各役割に必要なリソースは異なり、アカウント運用が最も多く、月あたり80~160時間、口コミ施策が30~80時間、広告担当が30~50時間
- SNS成功の9割は戦略設計にかかっており、目的に合わせた戦略が重要
- 各チームの横串の連携が売上最大化に繋がる
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今回は「SNSのチームビルディング大全」というテーマでお話しします。よくいただく質問の一つに、「SNS担当をアサインする際、どんな体制を整え、どれくらいのリソースを投入すれば良いのかがわからない」というものがあります。この疑問について、詳しく解説していきます。
SNSの組織全体像
上の図は、SNSの全体を捉えた場合の組織の全体像を表わしています。
まず、マーケティングブランドの責任者を中心に、大きく3つのセクションに分かれます。1つ目はSNSアカウントの運用担当です。ここでは、ブランドの公式アカウント、メディアアカウント、さらにはスタッフ個人のアカウントも含まれます。2つ目は口コミ施策担当で、主にKOL(キーオピニオンリーダー)やKOC(キーオピニオンコンシューマー)への対応、またクリエイターやインフルエンサーとの協力による施策が中心です。具体的には、投稿にブランドハッシュタグを付けたり、タグ付けを行ったりして訴求します。3つ目は広告担当です。広告には3種類があり、ブランド広告の中にプロフィールアクセス広告とパートナーシップ広告(第三者配信広告)が含まれます。Instagramではパートナーシップ広告、TikTokやSparkAdsでは第三者配信広告が代表的です。
役割分担
役割分担は、主に3つのセクションとマーケティング責任者の4つの役割に分かれます。
マーケティングブランド責任者
1つ目は、マーケティングブランド責任者で、主に売上の追求が求められますが、最も重要なのは最終的なKGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)の達成です。ブランドの成長を推進するため、部門全体で円滑に進行していないボトルネックを発見し、改善・修正を行います。また、組織全体での横串の連携を促進するために、マーケティングブランド責任者がその舵取りを担当します。いわゆるプロジェクトマネージャー(PM)的な役割を担うのが、マーケティングブランド責任者です。
アカウント運用担当
2つ目のアカウント運用担当は、アカウントの投稿、企画、作成、編集、分析、撮影を担当します。この役割に関わる人としては、コンテンツディレクターやデザイナー、さらにはインターン生やアルバイトを採用する企業もあります。
口コミ施策担当
3つ目の口コミ施策担当は、インフルエンサーやギフティング先の選定、やり取り、商品の発送業務などを担当します。この役割に関わる人としては、コンテンツディレクターやインターン生、アルバイトが挙げられます。
広告出稿担当
4つ目の広告出稿担当は、さまざまなSNSプラットフォームでの広告運用・管理を行います。この役割に関わる人としては、コンテンツディレクターや広告運用の経験者が主に担当することが多いです。
各役割のリソースについて
マーケティングブランド責任者のリソース
大体のリソースとしては、1ヶ月あたり0.25~1人、50~150時間のリソースが必要です。ただし、SNSの運用だけでなく、マーケティング全体の戦略設計やKGI、KPIの設定にかかる時間も含まれているため、実際の作業時間はそれより少なくなります。
重要なのは、責任者がSNSのアルゴリズムをしっかり理解し、最新の情報をキャッチアップすることです。もしこれが難しい場合、弊社や戦略コンサルティングを提供している企業にパートナーとして依頼することも選択肢となります。実際、弊社もSNSに関する情報提供でサポートを行うことが多いです。
アカウント運用担当のリソース
アカウント運用担当の役割に対するリソースは最も多くなります。TikTokなどの縦型ショート動画の撮影・投稿、Instagramの場合はリール(縦型動画)やフィード(静止画)の撮影と投稿が求められます。編集においては、ユーザーの滞在時間が重要であるため、コンテンツをリッチにすることが必要です。作成したコンテンツを投稿し、分析を行い、さらにDMやコメントへの返信、ストーリーズでのコミュニケーションやLIVE配信など、多岐にわたる業務があります。これに伴い、1ヶ月あたり1~2人、80~160時間のリソースが必要です。
口コミ施策担当のリソース
口コミ施策担当に関するリソースとしては、1ヶ月あたり0.2~0.5人、30~80時間のリソースが必要です。企業がどの程度まで自社で対応するかによって異なりますが、フォロワーが多いインフルエンサーに依頼する場合、事務所や代理店を通さなければならないため、その分の手間やコストが削減可能です。
広告担当のリソース
広告担当に関するリソースとしては、1ヶ月あたり0.2~0.4人、30~50時間のリソースが必要です。以前と比べて広告の精度が大幅に向上したため、主な業務はクリエイティブの改善にシフトしています。また、SNSの運用とは直接関係ありませんが、ランディングページやエントリーフォームに関連するLPO(ランディングページ最適化)やEFO(エントリーフォーム最適化)も広告担当の重要な役割となります。
責任者の存在意義
最初にSNSの責任者についてお話ししましたが、「責任者がいなくてもできるのか?」という問題については、責任者がいるのといないのでは大きな違いがあります。責任者がいることで、1つの大きな目的に対して役割を分担し、円滑に連携することができます。このように横串で連携することにより、アカウント運用チームは投稿作成だけでなく、他のファネルを意識して取り組むことができます。たとえば、口コミを増やすだけでなく、どのような口コミを発信するべきかを考え、第三者の広告配信にも活用することができます。さらに、インフルエンサーチームと広告チームが連携し、広告チームはアカウント運用チームやインフルエンサーチームと協力するなど、さまざまなチームが横串で連携することで、売上最大化を実現できるようになります。
事例:3coins
事例として、3coinsを挙げます。ブランド全体が一丸となってSNSに取り組むことで、ファンが増え、売上の最大化を実現しました。アカウント運用においては、インフルエンサーの役割をスタッフに与え、「スタッフインフルエンサー」という形で50~70のアカウントを社内で運用しています。このような施策は、本部が管轄しつつ、スタッフとのコミュニケーションがしっかりと取れているため、うまく機能していると言えます。
SNSは戦略設計が9割
SNSは部門ごとにやるべきことが決まっていますが、それらをどのように横串で連携させていくか、またどういう目的で運営するのかという「戦略設計」が全体の9割を占めます。戦略がしっかり決まれば、その後に誰に依頼するかという「組織設計」に進み、さらにその上で施策を実行することになります。そのため、うまくいかない原因のほとんどは、施策が先行してしまっていることです。たとえば、「プレゼントキャンペーンでフォロワーを増やそう」といった施策が先に立ってしまうと、うまくいかないことが多いです。戦略設計にお困りの企業の方は、ぜひ弊社にお問い合わせください。
【実績】
【プロフィール】
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」