2024.09.26

SNS運用においてペルソナ設定は必要かどうか、またどのように設定すれば良いのか。

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Pointこの記事でわかること

読了目安:約

目次

今回のテーマは、「SNSでのペルソナ設定は必要か否か」です。マーケティングの世界では、特にSNSにおいて「ペルソナ」の大切さがよく語られており、サービスやブランドを広げる際には、ペルソナを作成することが一般的です。

妄想でペルソナを作りがち

ペルソナとは、企業がターゲットにしたい顧客像のことを指します。このペルソナを明確にすることで、特にインフルエンサーを使うときに「自社のサービスやブランドを利用している人たちはどんな人たちか」ということを考える助けになります。具体的には、ペルソナによって、マーケティング戦略の方向性が決まり、訴求するメッセージや広告の内容がよりターゲットに響くものになるのです。これにより、インフルエンサーマーケティングやアカウント運用、広告運用がスムーズに進められるようになります。

要するに、ペルソナが必要かどうかを考えると、「ペルソナはあった方がいい」という結論になります。ペルソナを設定することで、ターゲット層に対してより効果的にアプローチしやすくなります。しかし、ペルソナを設定する際にはいくつかの注意点があります。実際、多くの企業は、つい妄想に基づいてペルソナを設定してしまうことが少なくありません。この妄想に基づく設定にはいくつかの典型的なパターンがあります。

最初のパターンは、「自分たちのサービスやブランドを使っている人たちは、たぶんこんな感じだろう」と決めつけてしまうことです。例えば、「20代の女性で、好きな化粧品のブランドは〇〇で、暮らし方は△△…」というように、企業側が勝手なイメージを持ち、それに基づいてペルソナを作り上げてしまうのです。このようなアプローチでは、実際のユーザーとはかけ離れたペルソナができあがってしまい、結果としてマーケティング施策が効果を上げないことにつながります。妄想で構築されたペルソナでは、顧客の実際のニーズや行動パターンが反映されず、効果的な戦略を練ることが難しくなります。

次に、データを使ってペルソナ像を作成する企業もあります。この場合、実際に商品やサービスを利用してくれた方々の「顧客属性」をもとにペルソナを構築していきます。確かに、データを使うことである程度のリアルさは得られますが、これもまた「妄想に近い」アプローチと言えるかもしれません。なぜなら、データをもとにしたペルソナ設定でも、データが示すのはあくまで過去の事実であり、未来のニーズやトレンドを十分に反映しているわけではないからです。顧客の嗜好や行動は時とともに変化しますので、過去のデータだけに頼ると、時代遅れのペルソナが出来上がってしまう可能性があるのです。

このように、ペルソナ設定においては、実際のユーザーとの接点を大切にしなければなりません。顧客の声や行動を無視したペルソナは、いかに企業側で作り上げたものでも、実際のマーケティングには役立たないのです。顧客を理解し、彼らのリアルな生活やニーズを捉えるためのアプローチが求められます。

顧客インタビューは複数回行うのがおすすめ

本来のペルソナ設定において最も重要なことは、顧客としっかり対話をすることです。実際のお客様の声を聞くことで、ペルソナの理解を深めることができます。これを実現するために、顧客インタビューが欠かせません。お客様が実際に購入された商品や利用したサービスについての実態を把握することが求められます。その際、普段どのような生活をしているのか、どのSNSを使っているのか、さらにどのような人々(知人やインフルエンサーなど)を参考にしているのか、根掘り葉掘り聞いていくことが大切です。

インタビューは、1人1回だけで終わらせず、何回か行うことをおすすめします。これは、より深い理解を得るために必要なプロセスです。ペルソナ像を性別や年齢で分けるなど、いくつ設定しても構いませんが、最も重要なのは、妄想ではなく、生身の人間にインタビューを行って作成することです。これによってペルソナの存在意義が高まります。

また、インタビューを通じて、どのSNSが効果的なのか、どのインフルエンサーが参考にされているのかも明らかにすることができます。これにより、マーケティング戦略の質が向上し、結果的に自社のサービスやブランドの認知度を高めることが可能になります。

具体的なアプローチ

ここで、ペルソナ設定における具体的なアプローチについて考えてみましょう。まず、インタビューの際に使用する質問リストを用意することが重要です。例えば、顧客の年齢、性別、職業、趣味、好きなブランドなどを尋ねることで、より詳細なペルソナを描く手助けになります。この質問リストは、顧客との対話を円滑に進めるためのガイドラインとなります。

次に、インタビューの実施方法についても工夫が必要です。対面でのインタビューだけでなく、オンラインでのヒアリングも取り入れることで、より多くの顧客にアプローチできるようになります。特に最近では、リモートでのやり取りが一般的になっているため、オンラインツールを活用することで、幅広い顧客層からの意見を収集することが可能です。

さらに、顧客の生活環境や価値観についても深堀りすることが大切です。具体的には、どのような生活習慣を持っているのか、日常の中でどのような課題を抱えているのか、どのような解決策を求めているのかといった情報を引き出すことが求められます。これにより、よりリアルなペルソナを形成することができ、マーケティング施策におけるターゲティング精度が向上します。

継続的な見直しが重要

ペルソナ設定は一度きりではなく、継続的に見直していくことが重要です。市場の変化や顧客のニーズが変わる中で、ペルソナもそれに応じて進化させていく必要があります。定期的に顧客とのコミュニケーションを行い、新しい情報を収集することで、ペルソナを常に最新の状態に保つことが求められます。

まとめ「ペルソナは作った方がいい」

結論として、SNSにおけるペルソナ設定が必要かどうかを考えると、ペルソナは必要であると結論付けることができます。ペルソナを設定することにより、マーケティング戦略がより具体的になり、ターゲット層に対して効果的にアプローチすることが可能になります。ただし、設定方法には十分な注意が必要です。妄想に基づいたペルソナ作成を避け、実際の顧客の声を重視することが重要です。

ペルソナ設定は、ただの手段ではなく、顧客との深いつながりを築くための重要なステップです。このようにして、SNSマーケティングにおいて効果的なペルソナを設定し、サービスやブランドの拡大を目指していくことができます。実際の顧客と対話を重ねることで、信頼性の高いペルソナを作り出しましょう。

ペルソナをしっかりと設定し、実際のデータと顧客の声を基にしたアプローチを行うことで、SNSでのマーケティングはより効果的になります。ユーザーが何を求め、どのような情報に興味を持っているのかを把握することが、企業の成長にとって重要な要素となるでしょう。信頼できるペルソナを持つことで、顧客とのコミュニケーションが円滑になり、より良いサービスを提供する手助けになります。

プロフィール

富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。

著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング

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