【楽天市場】SNS活用で売上最大化する方法をECモールのプロが徹底解説!!
- 約13兆円のEC市場で楽天市場の売上げは約5兆円
- 消費行動の変化が重要なポイント。中でも「キープ消費」が最大の要因に
- 外部からの集客を効果的に利用して楽天市場の売上げを向上させる
- 広告、アカウント運用、第三者の投稿のこの3つをしっかりと行うことが重要
- ブランドアカウントは接着剤や最終地点、いわゆる「CRMチャネル」
- 第三者の投稿が消費者に与える影響は大きい
- 口コミ経由のLTV(顧客生涯価値)は高い
- ギフティングは任意投稿だがメリットが非常に多い
- ブランドタイアップ広告はクリック数が多く、コンバージョン率も高い
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今回は、楽天市場で売上最大化するSNS活用方法についてお話しします。
ECモールの重要性
市場規模とその要因
多くの企業がECモール、特に楽天市場に力を入れています。約13兆円のEC市場の中で、楽天市場とAmazonが約10兆円を占めており、楽天市場だけで約5兆円に達しています。
ECモールに特に注力する企業は増加傾向にあり、いわゆる「DtoC(D2C)」と呼ばれる直販モデルで商品やサービスを提供する通販サイトを運営している企業も多く見られます。しかし、直販でなかなか売上げが伸びない企業は、ECモール、特に楽天市場への注力を高める傾向にあります。
消費行動の変化が重要なポイントとなっており、その中でも「キープ消費」が最大の要因とされています。
キープ消費とは、欲しいものをその場で購入するのではなく、SNS上で保存したり、画面をキャプチャーして一時的に保存したりする行動を指します。これにより、何かイベントのタイミングでまとめて購入を検討するという新しい消費スタイルが生まれています。
こうした消費行動が生まれたのは、ECモールがイベント普及に力を入れてきたことが大きな要因です。
特に楽天市場では、毎月5のつく日にポイントを増加させる施策や、お買い物マラソン、さらに楽天スーパーセールを3ヶ月ごとに開催しています。これに伴い、多くの人がスーパーセールを狙って欲しい商品をリサーチし、保存しておくという行動が見られ、セール開催中にまとめて購入する傾向が強まっています。
SNSを活用して楽天の売上げを上げられるか?
SNSの活用で検索数を伸ばす
SNSを活用することで、一般キーワードで検索した際にブランドワードを目立たせることができます。また、同時に楽天市場での指名検索数も大幅に増加させることが可能です。
外部からの集客を効果的に利用することで、楽天市場の売上げを向上させることができます。
「SNSで、いいなと思う商品に対して、どんな行動をしますか?」という質問に対して、半数ほどの人がSNSで見た後にインターネットで口コミを調べると回答しています。その中でも、さらに半数はInstagram内で口コミを調べたり、とりあえず商品を保存したりしています。
このように、SNSがもたらす直接的な成果だけでなく、インターネットでの口コミ調査が指名検索数の増加に繋がっていることが分かります。
SNSを使う消費者の行動
モノを買う時に参考にする人
一方、「モノを買う時に参考にするのは誰ですか?」という質問に対しては、友達や家族、好きなインフルエンサーの2つが高いという結果が出ています。
SNSを活用する際、企業がたくさん投稿してリーチを獲得したり、フォロワーを増やしたりするだけではなく、第三者に投稿してもらうことが重要になっています。
商品発信で信頼するのは誰か?
「商品発信で信頼するのは誰ですか?」という質問に対して、友達や家族が約60%、好きなインフルエンサーが20%超、ブランドの公式発信が14%という結果が出ています。実際、公式の発信はあまり信頼されていないことが分かります。
まず知ることが重要ですが、その後に信頼を築き、比較検討を経て購入に至るためには、第三者の投稿、いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)を増やしていく必要があります。
Instagram広告から買うか?
「Instagramの広告から何か買ったことがあるか?」という質問に対して、買ったことがあると答えた人は約半数で、買ったことがない人と同数でした。この結果から、広告だけでは売上げが上がりづらいことが分かります。
広告、アカウント運用、第三者の投稿のこの3つをしっかりと行うことが重要です。
楽天市場で売上げを最大化するためのSNSの活用方法
SNS活用3ステップ
ここからは実際に、楽天市場で売上げを最大化するためのSNSの活用法を3ステップで説明します。
1.ブランドアカウントを作っていく
アカウントがないとユーザーが何か欲しいと思ったときに、SNSがホームページの役割を果たせません。そのため、まずはアカウントを設計する必要があります。
2.ギフティング
そうして、バケツの穴をふさいだ状態でセカンドステップとして、ギフティングやインフルエンサーなど第三者の投稿を増やします。それにより、比較検討や購買を考えている人たちに対してのコンテンツの創出をします。
3.ブランドタイアップ パートナーシップ広告を活用する
ここまでできたタイミングで、ようやく広告を出稿していきます。広告に関しても、ブランドからの発信ではなく、ブランドタイアップ、パートナーシップ広告を活用します。
Step1.ブランドアカウント
ブランドアカウントはあくまで接着剤・最終地点
ブランドアカウントは、あくまで接着剤や最終地点、いわゆる「CRMチャネル」として活用するべきです。そのため、アカウント運用で流入を大量に得ようとするのではなく、あらゆるチャネルの最終到着点および経由地点として位置づける必要があります。このブランドアカウントで購入してもらうために、必要な情報が不足しないように設計する必要があります。
Step2.なぜギフティングなのか
第三者の投稿が消費者に与える影響
ここからセカンドステップへ移行しますが、なぜギフティングが有効なのかについて説明します。いわゆる「第三者の投稿を増やす」ことですが、一般ユーザーによって作られたUGCに関する「比較検討・購入の際にレビューを信頼しますか?」という質問に対して、女性の約7割、男性の約6割が「信頼する」と回答しています。
口コミを見て一度購入したり来店した方の約6割が、継続的に商品を購入したり再度来店しています。実際にデータを突き合わせてみると、LTV(顧客生涯価値)が非常に高いことが分かります。
注意するべきポイント2つ
ギフティングは、商品を提供して「よかったら投稿してください」というもので、任意投稿です。その中でも、各プラットフォームややり方によってステマに該当するケースがあります。きちんとルールに基づきながらやっていく必要があります。
ギフティングの目的は、認知の獲得ではなく、広告では得づらい「興味喚起」や「ブランド好意度の向上」、さらには「購入時の比較検討における信頼性の向上」が主な目標です。広告を活用して認知を拡大することがギフティングの目的であり、ギフティングだけで売上げや認知を増やすことは難しいことを理解しておく必要があります。
ギフティングの依頼先の選定方法は、「ブランドとのトンマナの相性」「投稿内容との相性」「エンゲージメント数」がポイントです。フォロワーの数ではないことを理解しておく必要があります。
各SNSでは、フォロワー数だけ見て依頼してもリーチが伸びないアルゴリズムへ変化しています。フォロワー数ではなく、エンゲージメントを重視するようにしましょう。
実際の投稿例「生活感のある投稿」
ギフティングの投稿では、企業が自分たちでは作れないような生活感のある投稿をしてもらうことができます。
ギフティングによって、発見タブにエンゲージメントの高い投稿が出現するだけでなく、狙いたいキーワードやハッシュタグの上位をハックすることも可能です。これにより、指名検索や売上げの向上も期待できます。ギフティングの数を増やすことで検索ハックができる点もメリットの1つです。
指名検索・ブックマーク数の向上
ギフティングを行うと、Googleでの指名検索数も増加します。ただし、この点に関しては楽天モールのみで運営しているショップでは確認できません。楽天モール内での指名検索の増加を、月ごとに定点観測することも有効だと思います。
楽天モール内でのブックマーク数がギフティングによって増加することが分かりました。また、登録ユーザー数の月間増加や総ユーザー数の増加も確認されています。
ギフティングの強み
弊社では、ギフティング施策において豊富な実績とノウハウがあります。送付先の選定ノウハウやDMの返信率の高さ、さらにその後の任意投稿数の多さにも自信があります。
また、ギフティングを行うだけでなく、ギフティング投稿の活用も積極的に行っています。
Step3.第三者の投稿を活用
ブランドタイアップ広告の効果
ギフティングなどの施策を実施した後、初めて第三者のブランドタイアップ広告を活用します。この広告は通常の広告と比較してクリック数が多く、コンバージョン率も高いことが確認されています。
見るべきKGI
4つの重要項目
楽天市場で売上最大化を目指す際に、SNSで注目すべきKGIとKPIについて解説します。
KGIとしては、もちろん売上が最も重要ですが、特に以下の4点に注目していただきたいです。まず、モール上での指名検索数、モール上でのブックマーク数、そして楽天Roomでの投稿数が増えることで、楽天アフィリエイトの売上も向上します。また、モール内の商品売上やセッション数の前後比較も重要です。SNS施策の実施前後でこれらの指標を比較し、効果を確認することをお勧めします。
見るべきKPI
リーチの和と質・投稿保存数
見るべきKPIに関しては、SNSにおける投稿のリーチ数があります。リーチ数は、アカウントによるものなのか、ギフティングなどインフルエンサー施策によるものなのか、広告によるものなのかによって、その価値が異なります。投稿のリーチ総数だけでなく、どの経路からどれくらいのリーチが取れたのかも確認する必要があります。
また、SNSの投稿における保存数も重要です。保存数とECモール上のブックマーク数には相関関係があるため、保存が増えるほどブックマークも増加し、ブックマークが増えるほど、スーパーセールなどのイベント時に購入を検討しているウェイティングリストとして機能します。したがって、ブックマーク数を増やすことが目標となります。
TaTapの楽天市場の支援実績
楽天内のRPP広告をはじめ、楽天での広告比率を10%以下に抑えながら、立ち上げから1年で年商約2億円を達成した支援実績があります。
また、弊社はECモールにおいてSNSを活用し、売上向上を成功させた実績も多数ございます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」