SNSアカウント運用をやる意味はあるのかについて徹底解説
- SNSアカウントを運用する一番のメリットはコストがかからない点
- 無料で顧客とのコミュニケーションを図れる点がSNSの最大の魅力
- Instagramアカウントのプロフィールへのアクセスの約3分の2がフォロワー以外
- 従来のリマーケティングの効果が薄れつつある
- SNSはユーザーとブランドを結びつける「中間接着剤」的な役割
- 複数のプラットフォームを活用することが今後ますます重要に
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今回は、SNSのアカウント運用をやる意味はあるのか、という素朴な疑問についてお話しします。
現在、Instagram、TikTok、YouTube、X(旧Twitter)など、多くのSNSが存在し、個人から企業まで様々な目的で利用されています。各プラットフォームには独自の特長があり、それぞれにやる意味が十分にあります。特に企業やブランドにとって、SNSアカウントを運用することは顧客との重要な接点を築くための有力な手段です。本記事では、SNS運用の具体的なメリットや活用方法について、詳しく掘り下げていきます。
無料で始められるSNSアカウント運用
SNSアカウントを運用する一番のメリットは、何と言ってもコストがかからない点です。アカウントの作成や基本的な運用に関しては、すべて無料で始めることができます。もちろん、企業として効果的に運用するためには、専任のスタッフや人材リソースの確保が必要になることもあります。しかし、基本的には運用にかかるコストは低く、限られた予算であっても十分に活用できるツールです。
一方で、広告配信には費用がかかります。SNSプラットフォームでは、リーチしたいターゲット層に的確に広告を配信できる高度なターゲティング機能が用意されており、これは有料ですが大きな効果を発揮します。しかし、アカウント自体の運用に費用はかからず、無料で顧客とのコミュニケーションを図れる点がSNSの最大の魅力です。
SNSがもたらす顧客とのコミュニケーションの価値
企業にとって、SNSは単なる広告配信の手段にとどまりません。顧客と直接的なコミュニケーションを図る場としての価値が非常に高いです。InstagramやXでは、顧客のコメントやメッセージに対して迅速に反応することで、企業の姿勢や価値観を直接伝えることができます。また、顧客からのフィードバックを即座に受け取れるため、商品やサービスの改善に活かすことも可能です。
特に最近では、消費者は企業との距離感を大切にしています。SNSを通じて、より親しみやすく、アクセスしやすいブランドであると感じてもらうことで、顧客ロイヤルティを高め、リピート率の向上にもつながります。
プロフィールへのアクセスが購買行動に与える影響
Instagramの運用において特に注目すべき点は、ユーザーがプロフィールを訪れる頻度です。メタ社によると、Instagramアカウントのプロフィールへのアクセスの約3分の2がフォロワー以外から来ていると報告されています。これはつまり、投稿や広告を通じて興味を持ったユーザーが、ブランドや個人のアカウントを訪れるケースが非常に多いということです。
Instagramだけでなく、他のSNSでも同様のことが言えます。広告を出稿しても、その広告を見たユーザーが興味を持ち、アカウントにアクセスした際に受け皿がしっかりと整っていないと、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性があります。SNSアカウントの運用は、ブランドの認知度を高めるだけでなく、潜在顧客にブランドの魅力を伝え、購買意欲を引き出すための重要な役割を果たします。
リマーケティングの効果とSNSの役割
近年、従来のリマーケティング(広告を繰り返し表示する手法)の効果が薄れつつあると言われています。理由の一つとして、同じプラットフォーム上で何度も同じ広告を表示することが、ユーザーにとって逆効果となるケースが増えているからです。消費者が繰り返し同じ広告を目にすることで、かえって興味を失ったり、不快感を覚えることがあります。
そこで、複数のプラットフォームを活用したSNS運用が効果的になります。異なるSNSプラットフォームで、ユーザーが同じブランドや商品に繰り返し接触することで、自然な形で認知度が高まり、購買行動へと繋がる可能性が増します。「この商品、TikTokでも見た」「Instagramで見かけた」「YouTubeでも紹介されていた」という具合に、ユーザーが異なるメディアで同じブランドを目にすることで、人気のある商品として認識され、ブランドの印象が強く残ります。
このような積み重ねが、ユーザーの購買行動を後押しします。ECサイトでのセール時に「この商品、SNSで見かけたから買ってみよう」と思わせたり、実店舗で商品を見かけた際に「あ、これInstagramで話題だった商品だ」と気づき、購入に繋がることがよくあります。
SNSアカウントの「中間接着剤」的役割
SNSアカウントは、単に商品やサービスを宣伝するだけでなく、ユーザーとブランドを結びつける「中間接着剤」的な役割を果たしています。ユーザーが商品やブランドに触れる最初のきっかけは広告かもしれませんが、実際に購買やサービス利用へとつなげるためには、継続的な接点が必要です。その接点を提供するのが、SNSアカウントの運用です。
SNSでは、商品やブランドのストーリーを伝えたり、消費者と対話したりすることで、単なる広告以上の価値を提供できます。例えば、Instagramではビジュアルを通じてブランドの世界観を伝えることができ、TikTokでは短い動画でユーモラスな商品紹介が可能です。また、Xではリアルタイムな情報発信やキャンペーンの告知を行うことができ、YouTubeでは詳細な商品レビューやハウツー動画を配信して、ユーザーに製品の魅力を深く理解してもらうことができます。
複数プラットフォームを活用する重要性
一つのSNSプラットフォームだけに依存せず、複数のプラットフォームを活用することが、今後ますます重要になってきます。それぞれのSNSは異なるユーザー層や特性を持っているため、複数のプラットフォームを連携させることで、より幅広い層にアプローチすることができます。例えば、若年層が多く集まるTikTokと、ビジネス層が多く利用するXを併用することで、異なるターゲット層にリーチできるのです。
さらに、プラットフォームごとに異なるコンテンツを発信することで、ユーザーに新鮮な情報を提供し続けることができます。TikTokでは短くインパクトのある動画を、Instagramではビジュアル重視の投稿を、YouTubeではより深堀りした情報を提供する、といった形で、各SNSの強みを活かして運用することが効果的です。
まとめ
SNSアカウントの運用は、現代のビジネスにおいて不可欠な要素となっています。無料で始められるという手軽さと、顧客とのコミュニケーションの機会を提供するという大きなメリットがあります。また、複数のプラットフォームを活用し、リマーケティングや認知拡大を図ることで、購買行動を効果的に促進することができます。SNSは、商品やブランドの魅力をユーザーに伝え、長期的な関係を築くための強力なツールです。SNS運用を活用し、次なる成功へとつなげましょう。
プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」