SNSアカウント運用のリーチが伸びなくなってきた今、企業/ブランドは何をすればいいのか。
- SNSでリーチが伸びづらくなってきた
- リーチの減少は主にSNSのアルゴリズムが変化したことによる
- フォロワーの数に関係なく質の高いコンテンツが高く評価され
- 企業がリーチを最大化するためには新しいアプローチが必要
- アカウントの分身化とUGCの活用が成功の鍵
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SNSでリーチが伸びづらくなってきたと言われています。そこで今回は、どのようにしてリーチを伸ばしていけばよいのかについてお話しします。
SNSリーチの減少とその背景
最近、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、YouTubeなど、主要なSNSでリーチが以前よりも伸びにくくなっているという話をよく耳にします。リーチとは、再生回数やインプレッションのことで、簡単に言えば、投稿がどれだけ多くの人に届いているかを示す指標です。このリーチが低下していることで、特に多くのフォロワーを抱える企業アカウントにおいても、思うようにリーチが伸びず、担当者が悩んでいるケースが増えています。
かつては、フォロワー数が多ければ多いほど、そのアカウントのリーチも比例して増加するのが一般的で、これが当然の結果とされていました。フォロワーが多いということは、それだけ多くのユーザーにコンテンツが届きやすく、リーチも自然と増えると考えられていたのです。しかし、最近ではその法則が通用しなくなりつつあります。このリーチの減少は、主にSNSのアルゴリズムが変化したことによるものだと考えられています。
アルゴリズムの変更によって、フォロワー数が多いだけではリーチが確保できない状況が生まれています。以前は、フォロワーの数が多ければ、その分リーチも増えるという方程式が成立していましたが、現在ではこの方程式が必ずしも当てはまらなくなってきています。これは、SNSプラットフォームが、より質の高いコンテンツを優先的にユーザーに届けるようにアルゴリズムを調整しているためです。その結果、フォロワー数が多くても、エンゲージメントが低い場合にはリーチが伸び悩むことが多くなっています。
アルゴリズムの変化がもたらす影響
TikTokの台頭以降、SNSのアルゴリズムは劇的に変化しました。かつては「フォロワー数が多い=リーチが大きい」というシンプルな構図が基本で、多くのフォロワーを持つアカウントがリーチを拡大するのが当然とされていました。しかし、今では「コンテンツファースト」の時代へと移行しています。これは、フォロワーの数に関係なく、質の高いコンテンツが高く評価され、それによってリーチが伸びる仕組みになってきたことを意味しています。
具体的には、「いいね」「コメント」「シェア」「動画の視聴時間」などのエンゲージメントが高い投稿が、優先的にユーザーのフィードに表示されるようになりました。これにより、フォロワー数が少なくても、エンゲージメントをしっかりと獲得できる投稿はリーチを大きく伸ばすことが可能です。一方で、フォロワーが多いアカウントであっても、エンゲージメントが低い場合にはリーチが期待したほど伸びないという結果になりがちです。
この現象はInstagramでも同様に見られます。以前はフォロワー数に比例してリーチが自動的に得られていた企業アカウントでも、最近ではフォロワー数が多いにもかかわらず、リーチが著しく減少していることが増えています。これは、やはりアルゴリズムの変化が主な原因です。しかし、エンゲージメントが高いアカウントについては、依然として安定したリーチを維持し、さらには増加させることも可能であることが確認されています。
企業アカウントが直面するリーチの壁
企業アカウントは、もともと個人アカウントと比べてリーチを伸ばすのが難しいとされています。それは、企業の投稿が宣伝色が強く、ユーザーからのエンゲージメントを得にくいからです。しかし、アルゴリズムの変化によって、その難易度はさらに上がっています。こうした中で、企業がリーチを最大化するためには、新しいアプローチが必要です。
まず、SNS全体の現況をしっかり把握することが重要です。SNSの利用者数は増加し続けており、それに伴いアカウント数や投稿数も増加しています。これにより、競争が激化し、一つの投稿が目立つのが難しくなっています。
特にInstagramのリールやYouTube Shorts、TikTokといったショート動画が登場した当初は、投稿数が少なく、一つの動画が何百万回も再生されることがありました。しかし、今ではショート動画の数が膨大に増えたため、バズる動画を作るのが一層難しくなっています。
このような状況では、1つのアカウントでリーチを最大化するのは限界があります。そこで「分身化」というアプローチが注目されています。
アカウントの分身化とUGCの活用
「分身化」とは、企業が複数のアカウントを運用し、それぞれでリーチを獲得することで、全体としてのリーチを最大化する方法です。例えば、パルグループの「3COINS」や「salut!」では、スタッフをインフルエンサー化し、数百のアカウントを展開してリーチを広げています。このように、企業アカウントを複数持つことで、各アカウントのリーチを積み上げ、結果的に企業全体のリーチを拡大させることができます。
しかし、この手法には課題もあります。社内のスタッフにアカウント運営を依頼しても、全員が積極的に取り組むわけではありませんし、モチベーションを高く保ちながら運用するのは容易ではありません。ここで重要になるのが、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用です。
UGCを活用することで、企業が自力でリーチを拡大するだけでなく、第三者が自然に企業やブランドのサービスに触れ、その価値を広める手助けをしてくれます。消費者やユーザーが企業の投稿をシェアしたり、口コミとして発信してくれることで、企業のリーチはさらに拡大し、結果的にブランドの認知度も高まります。
これからのSNS戦略の鍵
企業がこれからSNSで成功するためには、アルゴリズムの変化に柔軟に対応し、ユーザーとのエンゲージメントを高める工夫が必要です。また、UGCを積極的に活用し、ユーザーに自発的にブランドやサービスを広めてもらう戦略が求められます。さらに、企業アカウントの分身化を行い、複数のアカウントを通じてリーチを拡大することも効果的です。
SNSは日々進化しており、それに伴って企業のアプローチも進化し続けなければなりません。時代の変化に対応しながら、効果的なSNS戦略を模索することが、今後の成功の鍵となるでしょう。
TATAPの紹介
弊社TATAPは、SNSマーケティングに特化した成果にこだわる戦略コンサルティング会社です。
SNSの広告運用、インフルエンサーマーキング、ギフティングなど施策の実績も豊富です。
SNSに関しては、各プラットフォーム累計で300アカウント以上、さらに600万フォロワーのグロース実績があります。
クリエイターを活用したインフルエンサーのサポートや、新商品の販売支援、さらにはKPIの戦略策定やSNS全体の戦略設計など、幅広いサポートを一気通貫して提供いたします。SNSで何かお困りでしたら、ぜひお問い合わせください。
プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」