【キープ消費】SNS活用でECモール[楽天/Amazon/Qoo10/Yahooショッピング]/単品通販/で売上最大化する上で知るべき消費行動を徹底解説。
- 「キープ消費」は気に入った商品を一旦保留し、後で購入する行動のこと。
- 「Z世代」を中心に新たな消費行動モデル「EIEEB(イーブ)」が増加。
- いいなと思ったら、半数以上が「インターネットで口コミを調べる」。
- より身近に感じられる人の投稿が自分ごと化でき、自分が買う時の参考になる。
- ブランドの公式発信と第三者発信では効果が異なる。
- コンバージョンする人にもタイプがあるので様々な施策を講じる必要がある。
- ECモールを運営していく上で、SNSの活用は必須になる。
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今回は、ECモールで売上最大化する上で知るべき「キープ消費」についてお話しします。
まず初めに、弊社TaTapのECモール支援実績と事例からご紹介します。
弊社のECモール支援事例
広告費10%以下、立ち上げ1年で年商2億円達成!
弊社は、広告費10%以下で、立ち上げから1年で楽天市場において年商2億円を達成した実績があります。また、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、Qoo10など、各種ECモールでの支援実績が豊富です。さらに、SNSを活用した外部施策により、売上げを伸ばすことを得意としています。
キープ消費とは?
5つの段階を経て行動へ
良いと思ったものを一旦キープしておき、イベントなどのタイミングで購入検討する消費行動のことを「キープ消費」と言います。
- 発見(Discover):自動的にレコメンドされたコンテンツの中から、気になるものを発見する。
- 保存(Keep):気になるものをSNS上やスクリーンショットなどで保存する。
- 想起(Recall):SNSタイムラインなどでセールやイベント情報を知る。
- 比較(Comparison):ハッシュタグなどで情報収集したり、ECモール内でもランキングなどをチェックする。
- 行動(Action):商品名で口コミを検索して購入したり、保存しているものを一気に購入する。
楽天スーパーセールなど、イベントが始まったタイミングで広告を強化しても、もう遅いのです。ECモールのイベントがある1~2週間前からセールに関する情報を出していく必要があります。
Qoo10メガ割事例
Qoo10のメガ割では、人気商品がすぐになくなってしまうので、事前にカートに入れておいた商品をメガ割が始まった瞬間に買っていくということが多いです。
メガ割は3ヶ月に1回開催されるため、ユーザーは開催されない期間中にSNSなどで「この商品良いな」「韓国コスメが欲しいな」といった情報収集を行い、商品を保存しています。
メガ割が始まる約1週間前になると、企業があらかじめ依頼していたインフルエンサーの投稿が出現します。ユーザーは気になった投稿をブックマークしたり、Qoo10内でお気に入り登録を行います。
そして、メガ割が始まった瞬間に、ユーザーはまず目当ての商品を購入します。メガ割では3回クーポンが配布され、合計で9枚ほど使用することができます。そのため、6個しか商品を買わなかった場合でも、残り3枚のクーポンを使い切りたいという気持ちから、もう一度SNSやお気に入り商品を見直し、さらに購入するという流れがよく見られます。
キープ消費はなぜ起きたか
ECモールのイベントが起因
キープ消費が起きるようになったきっけは、ECモールが1年を通して定期的にイベントを開催するようになったからです。そのタイミングで多くの人が購入するようになりました。
Z世代を中心に発生しているEIEEBとは?
1997年以降に生まれた、いわゆる「Z世代」と呼ばれる若い世代では、新たな消費行動モデル「EIEEB(イーブ)」が増加しています。
このモデルでは、消費者が「自分ごと化」できる投稿が最初に表示され、その後に広告をリマーケティング的に出稿することが有効とされています。「EIEEB」はキープ消費に近いものの、その流れが少し異なります。
- 出会う(Encounter):SNSで欲しいものに出会ったら、保存やキャプチャをする。
- 共感(Inspire):情報をさらにSNSで収集し、自分ごと化していく。
- 不安解消(Encourage):使用者の口コミやリアルな声などをさらに深く収集する。
- イベント(Event):リアル店舗での購入、ECモールのイベントでの購入。
- シェア(Boost Up):ときめいたイベントや商品を友だちなどにシェアする
現在ではZ世代に限らず全体的に、このような流れの新消費行動モデル「EIEEB(イーブ)」が広まっています。
いいなと思ったら何をする?
半数以上がネットで検索
弊社では、20~50代の女性4,000人を対象にアンケートを行いました。「良いと思った商品があったら、どのように行動しますか?」という質問に対し、半数以上が「インターネットで口コミを調べる」と答えました。次いで「Instagramで口コミを調べる」と「とりあえず保存する」がほぼ同数の回答を得ています。
全体の約半数はInstagramに留まり、残りの半数は別のチャンネルに移行することが分かりました。
「すぐ買う」と答えたユーザーは5.9%で、他社のパルス消費(衝動買い)に関する調査でも1割以下という結果が出ています。これにより、SNS上で直接的な購買効果を得ることが難しいことが明らかになりました。残りの9割のユーザーは、Googleで商品を指名検索した後に購入するなど、より詳しく調査してから購買行動を行っています。
その結果、実際にはしっかり購買につながっていたにもかかわらず、SNS施策を中止したことで、認知や中間接着剤としての役割を果たす比較検討のためのコンテンツが不足し、最終的なコンバージョンが増えないという事態が発生しています。
モノを買う参考にするのは?
好きなインフルエンサーが1位
弊社の調査によると、モノを買う際に参考にするのは好きなインフルエンサーが1位という結果が出ています。次いで、友達や家族がほぼ同列で2位という回答が続きます。やはり、より身近に感じられる人の投稿が自分ごと化でき、自分が買う時の参考になることが分かります。
商品発信で信頼するのは?
友達や家族が圧倒的に多い
商品発信において信頼されるのは、モノを購入する際に参考にされる人と同様に、友達や家族が圧倒的な1位で60%以上を占めています。次いで、好きなインフルエンサーが20%弱、ブランドの公式発信が15%弱という結果です。つまり、ブランドの公式発信は認知にはつながるものの、信頼には結びつかないため、第三者の口コミやUGCが重要になってきます。
インスタ広告で行動に移す?
半数は行動しないという結果
「Instagramの広告を見て何か行動を起こしたことがありますか?」という質問に対して、「(商品を)買ったことがある」と「買ったことがない」と回答した人はそれぞれ約半数でした。
広告を見て「アカウントを見に行ったことがある」という人は15%弱であり、広告に反応しない人がいるため、広告一辺倒でマーケティングをしている会社は、半分程度の機会損失をしていると言えます。
ハッシュタグとキーワード検索
日本ではハッシュタグが多用されている
ハッシュタグ検索を活用する人は約7割にのぼります。Instagram公式では、ハッシュタグは「ジャンル認識」として活用されていると公表されていますが、日本ではグローバル平均の5倍もハッシュタグが活用されており、検索機能としても重要な役割を果たしています。
キーワード検索の活用が6割
「ニキビ 化粧水」など複数のキーワードで検索する「キーワード検索」が増加しており、全体の6割ほどの方が利用しています。そのため、Instagram内のSEOを上げるための投稿文章を作ることも重要になっています。
消費者に合わせたフェーズへの有効施策
コンテンツの発信を要検討
Instagramの投稿がフィードなのか、リールなのか、またはストーリーズなのか。また、インフルエンサーマーケティングにおいて有名な方に投稿してもらうのか、ギフティングで一般の方に投稿してもらうのか。広告がブランドの公式発信なのか、第三者による配信なのかによって、それぞれ効果が異なります。
そのため、様々な施策には各部署間の連携が必要不可欠です。
コンバージョンする人にもタイプがある
様々な施策を走らせよう
コンバージョンする人にもタイプがあり、広告では絶対にコンバージョンしない人もいれば、さまざまな要素を考慮した上でコンバージョンする人もいます。これらすべてを網羅するためには、様々な施策を講じる必要があります。
ECモール売上最大化の3step
ECモールにおける売上最大化の3stepとしては、次のとおりに施策を行います。
- ブランドアカウントの設計
- ギフティング/インフルエンサー投稿
- ブランドタイアップ広告
この3stepについては、別の動画でお話ししていますので、気になる方はそちらをご覧ください。
見るべきKPI・KGI
6つの指標を確認
ECモールのキープ消費がある場合、基本的にはSNS内の指標だけではなく、SNS外の施策もセットでSNS施策を連動していく必要があります。
- モール上での指名検索数:施策前後でどのぐらい変化があるかを見る。
- モールのブックマーク数:SNSのリーチが増えるほど最終的に売上げに繋がる。
- Instagramの保存数:その他Xなども含めたSNS内での保存数も見逃さない。
- (楽天のみ)楽天Roomの投稿数:自社の商品に関する投稿数が増えているかを確認する。
- 商品セッション前後の比較
- 売上げの前後比較
これらを確認することにより、SNSの効果を推測することができます。
まとめ
今回は「キープ消費」についてお話しましたが、今後、ECモールを運営していく上で、SNSの活用は必須になると考えています。ぜひ、消費行動を理解し、今後の運営に役立ててください。
TATAPの紹介
弊社TATAPは、SNSマーケティングに特化した成果にこだわる戦略コンサルティング会社です。
SNSの広告運用、インフルエンサーマーキング、ギフティングなど施策の実績も豊富です。
SNSに関しては、各プラットフォーム累計で300アカウント以上、さらに600万フォロワーのグロース実績があります。
クリエイターを活用したインフルエンサーのサポートや、新商品の販売支援、さらにはKPIの戦略策定やSNS全体の戦略設計など、幅広いサポートを一気通貫して提供いたします。SNSで何かお困りでしたら、ぜひお問い合わせください。
プロフィール
富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。
著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング」