2024.08.14

無形商材のSNSアカウント運用の思考法。売上、フォロワーを伸ばしたい企業/ブランドの担当者必見。

snsX(旧Twitter)instagramTikTokSNSマーケティングUGC・クチコミ調査・分析集客・PRアカウント運用
Pointこの記事でわかること

読了目安:約

目次

今回のテーマは「無形商材のSNSアカウント運用」です。無形商材の企業がどのようにアカウント運用していけばよいのか、どんな指標を目的にやればよいのかについて解説していきます。

無形商材とは

「無形商材」は実際にものがなく、UGCや口コミが非常に出づらい商品のことを指します。

「PASONA」のような人材系の企業、「楽天トラベル」「楽天証券」のような無形サービス、「ゼクシィ」のようなブライダル関連サービスなどがそれに該当します。

これらはすべてサービスですが、商品として形のない無形商材になります。こういった無形商材はUGCが非常に出づらいです。例えば、ブライダルについては〇〇という結婚式場で結婚をしたと言っても、わざわざゼクシィで予約して結婚式をしたとは言いませんし、旅行に関しても〇〇の旅館に行ったことは話しても楽天トラベルで予約したとはなかなか言いません。

SNSの持つ役割の分類

SNSの役割には大きく分類して2つあります。「知識を得る(役に立つ)」「感情を探す(共感)」です。

「知識を得る(役に立つ)」については、情報型のコンテンツで解決できます。一方、「感情を探す(共感)」は企業が生み出すことは非常に難しいので、共創を活用してUGCなどで情感を得られます。SNSを活用することで、この2つを解決することが可能です。

SNSの役割ごとのKPI

他社の調査でもSNSで見た商品やサービスを気になった方の半数以上は、その後にGoogleなどのインターネットで検索して、さらに口コミなどを調べた上でコンバージョンすることが分かっています。

そのため、SNS内はあくまでもKPI(中間目標)として見るに留め、KGI(最終目標)は売上げに設定します。様々なファネルそれぞれで目的設定してください。

また、情報型のコンテンツに関しては、「認知」「興味」「関心」の獲得が主な目的なので、無形商材のKPIは「フォロワー数」「リーチ数」です。フォロワー数が多ければ多いほど信頼されやすくなり、リーチが伸びる分だけサービスのことを知ってもらえます。

一方、共感に関しては、「UGCの数」「共感の数」といった投稿に対するエンゲージメントの数が注視されます。UGCの数とはブランドのハッシュタグを付けて投稿してくださっている方の数や、アカウントにタグ付けしてくださっている方の数になります。

無形商材でのSNS活用

無形商材は商品が目に見えないのでUGCが発生しづらいです。自分たちで情報発信して認知や信頼を得るか、有形商材の場合にできるギフティングがなかなかうまくできないので、有償でインフルエンサーマーケティングを行い、第三者視点での口コミ投稿を増やす必要があります。インフルエンサーの選定次第できちんと効果が出せるので、ぜひ活用しましょう。

無形商材のSNSアカウント運用でやるべきこと

無形商材のSNSアカウントがやるべきことは大きく分けて3つあります。

  1. 認知向上
  2. ブランド好意度向上による想起向上
  3. 第三者との共創によるサービスの自分ごと化

ブランドのアカウント運用は「認知」に関して影響はありますが、比較検討や購入の意思決定に関しては第三者の投稿が重要です。そのため。自分ごと化する「共創」が必要不可欠です。

事例1:オカネコ

実際の事例として1つ目にお金の健康診断サービス「オカネコ」を紹介します。お金のプロからアドバイスが届くと書いてありますが、ここでは情報型のコンテンツを発信しています。「オカネコはお金に関するわかりやすい情報を発信してくれているんだ」と知ってもらえたり、信頼を得ることができ、結果的にサービスを使っていただくという流れで認知拡大に成功しています。

オカネコさんのXアカウントについては、広報的な役割として運用しています。

事例2:B/43

家計簿プリカ「B/43(ビーヨンサン)」もXに関しては、オカネコと同じように広報的な扱いをしています。一方でInstagramではショート動画を活用して認知拡大をしつつ、第三者とのタイアップである共創として投稿を様々な方法で増やしています

事例3:トキハナ

結婚式場の見学予約サイト「トキハナ」のXは、診断コンテンツや広報的な役割の投稿をしています。一方、Instagramでは情報型のコンテンツを配信し、結婚式に興味のある方に対して認知を拡大しています。そこからサービスを知ってもらって好きになってもらい、使ってもらうという活用方法をしています。

事例4:楽天トラベル

宿泊予約サイト「楽天トラベル」のXは、キャンペーンなどでRP(リポスト)の機能を使用し、Xならではの拡散性を活かして認知を拡大しています。Instagramでは情報型のコンテンツを発信しています。4:5(4対5)の比率で画像を投稿しており、実際に投稿として流れてきた際には投稿画像の上部に「rakuten travel」というロゴが表示されているので、視覚的な認知拡大も行っています。

事例5:ANBI

スカウト転職サービス「ANBI(アンビ)」のXは、様々な情報をポストしています。ANBIはテレビコマーシャルの出稿量が多いので、アカウントを見ただけで「あのANBIか」と分かるように統一感をもたせています。さらにInstagramのアカウントに関してはフォロワー外ではなく、知ってくださっている方に対して配信しています。

フォロワー外への発信はテレビコマーシャルやSNS広告で行い、InstagramのアカウントではANBIを活用して転職した方へのインタビューを掲載し、興味を持っている方への発信とリーチを取ることを目的に発信しており、「この人は自分と同じ職場から行きたい会社に転職できている」「じゃあ、このサービスを使ってみよう」という流れで、自分ごと化できるコンテンツを配信しています。

SNSマーケティングの役割

「感情を揺さぶる事」がSNSマーケティングの役割。ここが何かしらのユーザーの消費行動の中に1つとして入っていて、結果的に感情を揺さぶることで、口コミを調べに行ったり、検索をしたりという形に動いていく。

さらに、提供価値として、「情報の配置を整えること」があります。適切な情報を届けてあげて、適切な情報に最短でアクセスできるようにしてあげる。というようなことが情報の配置を整えるということだと思います。

無形商材のSNSマーケティングは有形商材とは異なるので、ただブランディングやコミュニケーションを行うのではなく、有効な情報型のコンテンツを配信することとコミュニケーションが重要です。ギフティングではなかなか出づらい第三者の投稿を引き出すために有償のSNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングを活用する必要があります。

ここまでのことを踏まえて、ぜひアカウント運用の参考にしてください。

プロフィール

富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。

著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング

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