2024.08.13

SNSマーケティングの正しい指標の置き方と効果を出すためにやるべき基本のキ

snsX(旧Twitter)instagramTikTokSNSマーケティングUGC・クチコミ調査・分析ブランディング集客・PRアカウント運用
Pointこの記事でわかること

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目次

今回は「SNSマーケティングの正しい指標の置き方と効果を出すためにやるべき基本のキ」と題してお話ししていきます。

SNSマーケティングで指標としてよく挙げられるのは「フォロワー数」です。しかし、フォロワー数が増えても売上げや利益と直接の相関関係がないことが多いです。

では、正しい指標とは一体何でしょうか? 結論として、売上げや利益を最大化するものが正しい指標です。

有形商材と無形商材

おもにBtoCの企業に向けてのお話しになりますが、まずは有形商材から見て行きます。

①有形商材のメインKPI

有形商材を扱う企業が主に注視すべきKPI(重要業績評価指標)は、「UGC(口コミ)数」および「タグ付け数」です。第三者による口コミ数が増加すると、売上げや利益との相関関係が高くなるとともに、指名検索においても相関関係があると言われています。

そのため、有形商材を扱う企業がSNSでやるべきことは、自分たちの投稿のリーチ数やフォロワー数を増やすことではなく、UGC(口コミ)の数を増やしていくことが最優先事項です。

②無形商材のメインKPI

一方で、無形商材を扱う企業が主に注視すべきKPIは、「リーチ数」です。無形商材の場合、有形商材とは異なり、こちらからの働きかけがないとUGCはなかなか発生しません。

そのため、無形商材を扱う企業がSNSでやるべきことは、自分たちの無形商材(サービス)を具体化し、情報として価値を提供することです。そして、その情報がどれだけの人に届いたかを示すリーチ数を見ていくことが重要です。これにより、潜在層に対するブランドリフトを目的とした戦略が展開できます。

③有形商材のサブKPI

有形商材を商材を扱う企業が主に注視すべきメインのKPIは「UGC(口コミ)数」や「タグ付け数」ですが、サブのKPIとして「リーチ数」と「エンゲージメント数」も重要です。第三者の投稿のリーチ数やエンゲージメント数、自社の投稿のリーチ数やエンゲージメント数をしっかりと計測し、見ていくことが大切です。

④無形商材のサブKPI

無形商材を扱う企業がメインで注視すべきKPIは「リーチ数」です。それに対して、サブで見ていくべきKPIは「エンゲージメント数」と「フォロワー数」です。フォロワー数を第一の指標とするのではなく、リーチ数を伸ばすためにエンゲージメントを獲得し、その結果としてプロフィール訪問者数が増え、フォロワーの増加に繋がるという考え方です。

フォロワー数を第一の指標にしてしまうと、プレゼントキャンペーンのようなフォロワーを増やすための施策が先行してしまう恐れがあります。あくまでサブの指標としてフォロワー数を位置付けるよう注意しましょう。

⑤マーケティング全体におけるKPIとKGI

有形商材と無形商材のどちらにも共通しますが、マーケティング全体におけるKPIとKGIは基本的に売上げを見ていきます。しかし、SNSはなかなか直接売上には繋がりづらいため、SNS施策を注力する前後で「指名検索」や「売上げ」を比較していきます。また、有形商品がある場合には「GA4(Webサイトへの訪問数を集計するための指標)」におけるセッション数も前後比較します。さらに、「何がきっかけで購入しましたか?」といった定性調査を行うことで、SNSがどの程度貢献しているかを把握することができます。

有形商材の売上最大化のためにやるべきこと

ブランドを体現した世界観の発信

「20%OFFやっています」「新商品出ました!」といった宣伝やキャンペーンのみを投稿するアカウントに対し、インフルエンサーはタグ付けしたいと思いません。トンマナを統一し、世界観を体現したブランド型の投稿を行うブランディングが非常に大切です。また、ブランディングするだけで終わらせず、コメントやDMをしてくれた方や既存のフォロワーに対してもきちんとコミュニケーションを取ることを忘れてはいけません。

無形商材の売上最大化のためにやるべきこと

有益な情報発信とコミュニケーション

自分たちの無形商材(サービス)を具体化し、情報として価値を届けることが重要であると先述しましたが、それに加えて、有形商材のケースと同様にコメントやDMをしてくれた方や既存のフォロワーに対してもきちんとコミュニケーションを取ることも重要です。

効果を出すためにやるべき基本のキ

①専任担当をアサインする

SNSとひと言にいっても、YouTube、TikTok、Instagram、Xと多岐に渡ります。それなのに、未だに他の業務と兼務していることが多く、全体の8~9割を占めています。そろそろ専任担当をアサインするべきではないでしょうか。そのくらいのリソースの割き具合でないと、なかなか成長しづらくなっていますし、売上に関してもそのくらいの貢献度があるはずです。

②コメントやDMのすべてに返信する

UGC数を最大化することと、SNSは次に購入してもらえる可能性を上げていくためのものなので、ブランドの好意度を上げることが大変重要になります。そのためには、すべてのコメントやDMに返信することが不可欠です。

なぜなら、SNSの個人アカウントは主に友人とのコミュニケーションを目的として利用されます。その次に、知りたい情報を探すために利用されることが多いです。企業の宣伝を目当てにSNSを利用しているわけではありません。個人同士のコミュニケーションと同様に、きちんとコミュニケーションを取ることを心がけましょう。

③定点観測をする

多くの場合、企業は定点観測ができていません。週次、月次、前月比、昨対比をきちんと見ていくことが必要です。

④1つのプラットフォームで完結させない

顧客は比較検討の際に、多くのプラットフォームを行き来しながら情報を収集します。そのため、各プラットフォームにはそれぞれ異なる役割があります。たとえば、ある媒体はブランド認知を高めるのに適している一方で、別の媒体は顧客の興味や関心を引き出すために有効です。また、特定の商品に対する理解が深いユーザーが購入するための媒体も存在します。これらの役割は、企業やサービスの運用方針によってさらに細分化されます。したがって、単一のプラットフォームで全ての指標を完結させるのではなく、各ファネル段階ごとに適切なプラットフォームを使い分け、効果的に活用することが理想的です。

⑤直接的効果だけを追わない

つい直接的な成果に注目しがちですが、SNSにおける直接的な成果は売上全体のわずか1割程度に過ぎません。実際、SNSの影響はもっと広範囲にわたっており、顧客とのヒアリングを通じて、目に見えない価値や影響をしっかりと把握することが重要です。SNSの利用が売上げに与える影響は直接的な数字だけでは測りきれないため、その効果を理解し、見えない部分も含めて評価することを忘れずに行いましょう。

⑥メディアミックスで考える

SNSアカウント運用、インフルエンサーマーケティング、そして広告は、しばしば異なる部署で担当されることが多いです。このため、部門間での連携がうまくいかず、戦略が一貫しないことがあります。したがって、各部署が効果的に連携できるような環境を整えることが重要です。各部門が共通の目標に向かって協力し、情報を共有することで、マーケティング活動の全体的な効果を最大化することができます。

プロフィール

富田竜介:株式会社TaTap代表
企業様向けSNSアカウント運用代行/コンサルティング/社内化支援/社内研修承ります。

著書:「99%の経営者は知らない中小企業のための正しい SNSマーケティング

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