SNSクリエイティブ 完全ガイド
スクロールを止めるSNSクリエイティブの作り方をまとめた実践ガイドです。「きれい」と「止まる」の違いから、保存される情報設計、動画の冒頭1秒のフック、納品サイズの実務、費用相場、二次利用と権利処理のチェック項目まで解説します。発注側が撮影前に決めておくべきことも収録しました。
内容
- 動画広告8,855億円・縦型155.9%成長という市場データ
- 通常撮影がスルーされる3つの理由と「止まる」3要素
- 「保存される投稿」に共通する5つの情報設計
- 動画の冒頭1秒|5つのフックの型と避けたい冒頭
- 媒体別最適化(Instagram / TikTok / X / Shorts)
- 納品サイズと書き出しの実務(9:16 / 4:5 / 1:1 / 16:9)
- 発注側が撮影前に決めておく7項目
- 費用相場8区分と、相見積りで必ず揃える3点
- 二次利用・権利処理のチェック項目
こんな方におすすめ
投稿・動画の反応を上げたい方
きれいに撮っているのに伸びないと感じている方
縦型動画(リール・TikTok・Shorts)に対応したい方
撮影・動画制作の発注を検討していて、相場を知りたい方
社内に撮影・編集のリソースがない方
撮った素材を広告にも使いたい方
投稿がスクロールで流されていく、きれいに撮っているのに伸びない、制作リソースが足りない——SNSのビジュアルで詰まる場所は、だいたいこの3つです。共通しているのは、「きれいに撮ること」と「タイムラインで止まること」が別物だと認識されていない点にあります。
本ページでは、SNSクリエイティブについて、市場データ・止まるビジュアルの3要素・保存される情報設計・冒頭1秒のフック・納品サイズの実務・費用相場・二次利用と権利処理のチェック項目まで、支援する側の立場からまとめました。発注側が撮影前に決めておくべきことも収録しています。
結論:SNSで伸びる画は「作品としての正解」ではない
カタログ的な「きれいさ」と、SNSで「止まる」は別物です。一般的なカメラ・照明の標準的な設定では、タイムラインで勝てる画づくりにはなりません。タイムラインで目立つことを最優先に、拡散・保存・購入という行動から逆算して撮る——これがSNS最適化撮影の考え方です。
もうひとつ、実務で最も痛い失敗が比率です。16:9だけで納品された素材は、リールにもストーリーズにも使えません。撮影後に気づくと撮り直しになります。動画広告のうちスマートフォン向けが80%を占めるいま、9:16が成立する構図で撮ることは前提条件になりました。
ビジュアルシフトの現在地
動画広告市場は4年で約2倍へ
| 年 | 国内動画広告市場規模 | 備考 |
|---|---|---|
| 2025年(実績) | 8,855億円 | 前年比122.2% |
| 2026年(予測) | 1兆437億円 | 1兆円を突破 |
| 2029年(予測) | 1兆6,336億円 | 2025年比 約1.8倍 |
出典:サイバーエージェント/デジタルインファクト「2025年 国内動画広告の市場調査」(2026年3月発表)。
内訳を見ると、投資すべき場所がはっきりする
| 区分(2025年) | 市場規模 | 前年比 |
|---|---|---|
| 動画広告市場 全体 | 8,855億円 | 122.2% |
| うち スマートフォン向け | 7,053億円(全体の80%) | 122.7% |
| うち 縦型動画広告 | 2,049億円(スマホ向けの29.1%) | 155.9% |
| うち コネクテッドTV向け | 1,295億円 | 127% |
縦型動画広告は2026年に2,771億円、2029年には5,648億円(スマートフォン向けの42.5%)まで拡大する予測です。「横で撮って縦に切る」では対応しきれない比率になります。
ビジュアルが「保存→購買」の起点になる
| 段階 | 起きること | ポイント |
|---|---|---|
| 目に留まる | スクロールが止まる(最初の1秒) | タイムラインで他の投稿より印象的であることが大前提 |
| 保存される | 「後で見返したい」と思わせる | 保存=検討候補入りのシグナル。キープ消費の起点になる |
| 想起される | 買うタイミングで思い出される | セール・必要になった瞬間に保存から呼び出される |
| 購買へ | 指名検索や直接来訪につながる | アルゴリズムも保存・滞在を高く評価するため、リーチ自体も伸びる |
なぜ投稿がスルーされるのか
| 理由 | 何が起きているか | 対策 |
|---|---|---|
| 低〜中彩度で、印象に残らない | 自然光メインの通常撮影は彩度が上がりにくく、鮮やかな投稿が並ぶタイムラインでは埋没する | 高彩度の設計 |
| コントラストが弱く、流される | ふんわりした均一なライティングは「きれい」だが、輪郭が立たずスクロール中の目に引っかからない | 高コントラストの設計 |
| 平坦に見えて、質感が伝わらない | 立体感のない物撮りでは素材の質感・シズル感が出ず、商品の魅力が半減する | 立体感の設計 |
一般的な撮影と、SNS最適化撮影の違い
| 観点 | 一般的な撮影で起きること | SNS最適化撮影で変わること |
|---|---|---|
| 彩度 | 低〜中彩度で、印象に残りにくい | 高彩度で、フィード内でも目を引く発色 |
| コントラスト | コントラストが弱く、スクロールされやすい | エッジの効いた輪郭と高コントラスト |
| 立体感 | 平坦に見えがちで、立体感が出ない | 質感が立つ立体表現で、ブランド力が上がる |
| 納品比率 | 16:9のみの納品で、縦型に流用できない | 9:16/1:1/16:9を書き出し段階から最適化 |
とくに最後の1行が見落とされがちです。16:9だけで納品された素材は、リールにもストーリーズにも使えません。
「止まる」ビジュアルの3要素
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 高彩度 | 目を引く鮮やかな発色。タイムラインの中で「色」で勝つ。プロのライティングと編集で、破綻なく彩度を上げるのがポイント |
| 高コントラスト | エッジの効いた輪郭で、スクロール中の視線を止める。明暗差の設計が「引っかかり」を生む |
| 立体感 | 質感が立つライティングでシズル感・ブランド感を演出。平坦な物撮りとの決定的な差になる |
3つの同時達成は一般的な機材・設定では難しく、プロのライティング×編集技術の領域です。
「保存される投稿」に共通する5つの情報設計
| 型 | 入れる情報 | 具体例 | 向いている商材 |
|---|---|---|---|
| 比較 | 選択肢を並べて違いを示す | サイズ別・色別・タイプ別の並べ比較、使用前後 | アパレル・コスメ・家具 |
| 手順 | 順番に沿って再現できる | 使い方、お手入れ、レシピ、組み立て方 | 食品・雑貨・家電 |
| 一覧 | あとで探す手間を省く | 全ラインナップ、サイズ表、価格表、素材一覧 | 物販全般 |
| 基準 | 判断の物差しを与える | 選び方の3基準、失敗しないためのNG例 | 高単価・比較検討が長い商材 |
| 数値 | 具体で記憶に残す | 容量・所要時間・成分比・耐荷重 | 汎用(説明が必要な商材ほど有効) |
原則は「あとで必要になる情報を1枚に収める」ことです。そして文字は画像に焼き込んでください。キャプションにしか書かれていない情報は、保存しても見返せないため保存されません。
動画の冒頭1秒:5つのフックの型
| フックの型 | 冒頭に何を見せるか | 向く商材 |
|---|---|---|
| 結論先出し | 完成形・ビフォーアフターの「アフター」から入る | コスメ・インテリア・食品 |
| 変化 | 動きのある一瞬(注ぐ・切る・広げる・光る) | 食品・雑貨 |
| 異物感 | 見慣れない画・意外なスケール感 | ガジェット・アパレル |
| 数字 | 「3秒で」「1,980円」など具体的な数値を大きく | 汎用 |
| 疑問 | 「これ、何だと思いますか?」と問いかける | BtoB・説明が必要な商材 |
避けたい冒頭
- ロゴやタイトルカットから始まる
- 人が「こんにちは」と話し始める
- 引きの絵から入り、何の動画か分からない
- BGMだけが流れて画に動きがない
いずれも「まだ見る理由が提示されていない」状態です。1秒で離脱されると、アルゴリズム側の評価も下がります。
媒体別最適化:4つのプラットフォームの勝ちパターン
| 媒体 | フォーマット | 求められる画づくり | 制作のポイント |
|---|---|---|---|
| フィード/リール/ストーリーズ | 世界観の統一・保存される情報性 | トンマナ設計と表紙画像の作り込み | |
| TikTok | 縦型ショート動画 | 冒頭1秒のフック・テンポ | 最初のカットで結論・変化を見せる |
| X(旧Twitter) | 画像・短尺動画 | 話題性・一目で伝わる構図 | テキストと画像の役割分担 |
| YouTube Shorts | 縦型ショート動画 | 検索にも残る情報密度 | テロップ設計と音声の質 |
同じ素材でも、媒体別のトリミング・色味・尺の最適化で成果は大きく変わります。1つの素材を全媒体に使い回すと、どこでも中途半端になります。
納品サイズと書き出しの実務
| 用途 | 比率 | 推奨サイズ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| リール/TikTok/Shorts | 9:16 | 1080×1920 | 上下にUIが重なる。重要な要素は中央に寄せる |
| フィード(縦) | 4:5 | 1080×1350 | フィードで最も表示面積が大きい比率 |
| フィード(正方形) | 1:1 | 1080×1080 | プロフィールのグリッド表示で揃う |
| 横型・YouTube・広告 | 16:9 | 1920×1080 | 縦型に流用できないため、単独では不足 |
※ 各SNSの仕様は変更されることがあります。撮影・納品前に最新のガイドラインをご確認ください。
撮影時点で決まること
最も重要なのは、9:16と1:1の両方が成立する構図で撮っておくことです。
- 主役を中央寄りに配置し、上下左右に逃げしろを作る
- 横位置だけで撮ると、縦に切ったとき主役が見切れる
- テロップを入れる余白を撮影段階で確保する
後からのトリミングでは間に合いません。撮り直しは、最初から縦を意識するより高くつきます。
発注側が撮影前に決めておく7項目
- 撮る商品の最終仕様・パッケージが確定している
- 使用シーンの参考画像を3枚以上共有した
- NG表現・NG色・ロゴの扱いを伝えた
- カット数と優先順位を決めた(時間切れ時に何を捨てるか)
- 納品後にどの媒体で使うかを伝えた(=必要な比率)
- モデル・小物・背景の手配範囲を確認した
- 二次利用の想定(広告に転用する可能性があるか)を、契約前に伝えた
とくに4と7が抜けやすい項目です。優先順位が決まっていないと当日に迷い、二次利用は後から交渉すると割高になります。
商品撮影・SNS動画制作の費用相場
| 依頼内容 | 費用の目安 | 費用の考え方 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 商品撮影(1カット単位) | 1カット 2,000〜10,000円 | カット数課金。背景・ライティング指定で上がる。白背景の量産は下限に近づく | 点数が多く、絵づくりが決まっている場合 |
| 商品撮影(半日パック) | 5〜10万円 | 3〜4時間で20〜50カット。1カット単価は最も下がる | まとめ撮りで素材を確保したい場合 |
| 出張撮影(店舗・空間) | 8〜20万円 | 移動・機材搬入込み。交通費は別途が一般的 | 店舗や現場の空気感を出したい場合 |
| モデル起用 | +3〜15万円/名 | モデル料+肖像権の使用範囲で変動。期間・媒体を限定すると下がる | 使用シーンを見せたい場合 |
| ショート動画(編集のみ) | 1本 8,000〜3万円 | 素材支給・尺60秒以内。テロップ量とアニメーションで変動 | 素材はあるが編集リソースがない場合 |
| ショート動画(撮影+編集) | 1本 5〜15万円 | 企画・撮影・編集込み。1日で複数本まとめ撮りすると単価が下がる | 継続的にリールを出したい場合 |
| ブランドPV・会社紹介動画 | 30〜150万円 | 企画・絵コンテ・撮影・MA。尺と出演者数で大きく変動 | 通年で使う基幹コンテンツをつくる場合 |
| 撮影+SNS運用(月額) | 月30〜60万円 | 撮影・編集・投稿管理・レポート。投稿本数で変動 | 素材づくりから運用まで任せたい場合 |
※ 上記は一般的な市場水準の目安です。実際の見積りはカット数・拘束時間・使用範囲で変わります。
TaTap Creative Studioの料金プランはミニマム5万円〜(約1時間・スタジオ撮影)から、ライト10万円〜、スタンダード15万円〜(出張・静止画+簡易動画)、プレミアム20万円〜(モデル起用+出張)、SNS運用セット月40万円〜(撮影+編集+投稿管理・月4投稿)の5プランです。いずれも税別で、交通費・スタジオ費・モデル料は実費が別途かかる場合があります。
撮影代行・動画制作会社の選び方:6つの判断基準
| 判断基準 | 確認すること |
|---|---|
| 1. SNSのアルゴリズムを踏まえて撮るか | 「綺麗に撮ります」で終わる会社は、商品カタログの延長でしか撮れません。フィードでどう表示され、なぜ指が止まるのかを説明できるかを確認してください |
| 2. 静止画と動画を同日に撮れるか | 別日・別会社に分けると、撮影費も移動費も2倍になります。1回の拘束で両方を押さえられる体制かどうかは、年間の制作コストに直結します |
| 3. 納品が媒体別に最適化されるか | 16:9だけの納品では、リールにもストーリーズにも使えません。9:16・1:1・16:9をどう書き出すかを、契約前に確認しておきましょう |
| 4. 素材の二次利用範囲が契約で明確か | 撮った写真を広告に転用できるか、期間の制限はあるか。モデル・BGM・フォントの利用範囲も含めて書面化されているかを見てください |
| 5. 撮って終わりか、運用まで見ているか | 素材は投稿されて初めて価値が出ます。どの投稿に、どの順番で使うかまで一緒に考えられる相手のほうが、同じ撮影費でも成果が変わります |
| 6. カット数と修正回数が見積書に書かれているか | 「一式」の見積りは、あとから追加費用が発生しやすい形です。含まれるカット数、レタッチの範囲、修正の上限回数を明記してもらってください |
相見積りで必ず揃える3点
- 何カットまで含むか(レタッチ済みの納品点数)
- 修正は何回まで無料か(範囲と上限)
- 二次利用の範囲(媒体・期間・広告転用の可否)
この3点が揃っていない見積りは、金額だけを並べても意味がありません。
こんな進め方には注意してください
| 進め方 | なぜ注意が必要か |
|---|---|
| 「綺麗に撮ります」以上の設計の話が出てこない | カタログの延長になり、タイムラインで止まりません |
| 納品が16:9のみで、縦型・正方形のトリミングがない | リール・ストーリーズに使えず、撮り直しになります |
| モデル・BGM・フォントの利用範囲が契約書に書かれていない | 後から使えないことが判明するのが最も痛い失敗です |
| 撮影会社と編集会社が分かれ、修正のたびに往復が発生する | 納期が延び、修正のたびに追加費用が発生しがちです |
| カット数・修正回数の上限が見積りに書かれていない | あとから追加費用が発生しやすい形です |
支援する側として書いていますが、TaTapに当てはめても同じ基準で確認してください。
二次利用・権利処理のチェック項目
| 対象 | 確認すること | 見落としたときに起きること |
|---|---|---|
| 写真・動画 | 使用媒体・期間・地域。広告への転用が可能か | 撮った素材を広告に使えない |
| モデル | 肖像権の使用範囲と期間。期間・媒体を限定すると費用は下がる | 掲載期限が切れて差し替えが必要になる |
| BGM | 商用利用の可否。SNSの音源ライブラリは広告転用が不可の場合がある | 広告配信時に音声を差し替える手戻り |
| フォント | 商用ライセンスの範囲(映像内での使用可否) | 納品後にライセンス違反が判明する |
| 背景・小物 | 他社商品・ブランドロゴの写り込み | 特定のカットだけ公開できなくなる |
| 撮影場所 | ロケ地の撮影許可・SNS公開の可否 | 撮影後に掲載を断られる |
原則は「広告に使う可能性がある」と契約前に伝えておくことです。後から交渉すると割高になり、最悪の場合は使えません。とくにモデル起用時は、期間と媒体を最初に確定させてください。
「止まるビジュアル」で出た成果
| 成果 | 業種・施策 | 内容 |
|---|---|---|
| +38% | D2Cコスメ | 世界観に合わせた高彩度ビジュアルでフォロワー増加率が向上 |
| 20万回超 | カフェ | スイーツ×日常系の動画制作。複数投稿での再生数 |
| 1.8倍 | 雑貨ブランド | 商品ページ用カットの最適化でEC転換率が向上 |
| 3倍 | ファッション | モデル撮影+投稿運用支援。保存率とフォロワー増加が3倍に |
| 117% | 指名検索(昨対比) | ビジュアル刷新×SNS運用の統合支援。世界観の統一が指名検索の増加につながった |
※ 支援先の実測値です。業種・商材・投稿本数により成果は変動します。制作実績はInstagram @tatap.creative で公開しています。
よくある誤解
| よくある誤解 | 実際に起きていること | |
|---|---|---|
| 品質 | きれいに撮れば伸びる | カタログ的な正解とSNSで止まる正解は別物。タイムラインで目立つことが最優先 |
| 比率 | 16:9で撮っておけば後から切れる | 縦に切ると主役が見切れる。9:16が成立する構図で撮らないと撮り直しになる |
| 情報量 | 写真がきれいなら文字は不要 | 保存されるのは「あとで必要になる情報」。文字は画像に焼き込む必要がある |
| 使い回し | 1つの素材を全媒体に使える | 媒体別に尺・トリミング・色味を最適化しないと、どこでも中途半端になる |
| 契約 | 二次利用は後から相談すればよい | 事後交渉は割高になり、モデル・BGM次第では広告に使えないこともある |
売れるクリエイティブの実践チェックリスト 10項目
- 最初の1秒で「止まる」画になっているか確認した
- タイムラインに並べて埋没しないか比較した
- 彩度・コントラスト・立体感を設計している
- 保存したくなる情報性を組み込んだ
- 媒体別にトリミング・色味を最適化した
- 縦型動画(リール等)に対応している
- 冒頭カットで結論・変化を見せている
- 世界観・トンマナに一貫性がある
- 投稿の反応をクリエイティブ別に分析している
- 勝ちビジュアルを広告・LPに二次活用している
| チェック数 | いまの状態 |
|---|---|
| 0〜3個 | 設計前の段階。まず1・2(タイムラインで比較して埋没しないか)から始めてください |
| 4〜6個 | 画づくりはできている状態。4・5(保存される情報性と媒体別最適化)が伸びしろ |
| 7個以上 | 「止まる」クリエイティブの設計ができています。あとは検証と二次活用の精度 |
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| SNS最適化撮影 | 商品撮影・動画制作をSNSに特化させること。カタログ的な「きれいさ」ではなく、タイムラインで止まることを優先して設計する |
| 縦型動画 | 9:16の比率で制作する動画。リール・TikTok・Shortsが該当。2025年の市場は前年比155.9%成長 |
| シズル感 | 食品や素材の質感・みずみずしさが伝わる表現。立体感のあるライティングで生まれる |
| セーフエリア | UIボタンやテロップが重なる領域。縦型動画では上下におよそ15%程度を見込み、重要な要素を中央に寄せる |
| フック | 動画の冒頭で視聴を継続させる仕掛け。結論先出し・変化・異物感・数字・疑問の5型がある |
| 保存率 | リーチに対する保存数の割合。検討候補に入ったことを示すため、いいね数より購買との相関が高い |
| トンマナ(トーン&マナー) | 発信の世界観・色調・語調の統一ルール。一貫性が指名検索の増加につながる |
| 二次利用 | 撮影素材を当初の用途以外(広告・LP・店頭POP等)に転用すること。媒体・期間・地域を契約時に定める |
| 同日スイッチ収録 | 静止画と動画を1回の撮影でまとめて収録する方法。別日発注に比べ撮影費と移動コストを抑えられる |
| RAW | カメラが記録した未現像のデータ形式。後から色や明るさを大きく調整できるが、そのままでは投稿できない |
まとめ
- 動画・縦型へ市場が移動。動画広告8,855億円(前年比122.2%)、うちスマホ向けが80%。縦型は155.9%成長でフィードの主役に。
- きれい ≠ 止まる。カタログ的な正解ではなく、タイムラインで目立つ「SNSで勝つ正解」で撮る。高彩度×高コントラスト×立体感を同時に設計する。
- 保存から逆算する。比較・手順・一覧・基準・数値のいずれかを1枚に収める。文字はキャプションではなく画像に焼き込む。
- 比率は撮影時点で決まる。9:16と1:1が両立する構図で撮る。16:9だけの納品は、後からでは取り返せない。
- 見積りは3点で比べる。カット数・修正回数・二次利用の範囲。この3つが揃わない見積りは、金額を並べても比較できない。
- 権利処理は契約前に。「広告に使う可能性がある」と最初に伝える。モデル・BGM・フォント・写り込みまで確認しておく。
よくある質問
- 商品撮影の費用相場はいくらですか?
- 依頼の仕方で大きく変わります。1カット単位なら2,000〜10,000円(背景・ライティング指定で上がり、白背景の量産は下限に近づきます)、半日パックなら5〜10万円で3〜4時間・20〜50カットが目安で、1カット単価は最も下がります。店舗や空間の出張撮影は8〜20万円(交通費別途が一般的)、モデル起用は+3〜15万円/名です。TaTapのミニマムプランは5万円〜(税別・約1時間・スタジオ撮影)です。
- ショート動画・リールの制作費用はいくらですか?
- 素材を支給して編集だけを依頼する場合は1本8,000〜3万円(尺60秒以内、テロップ量とアニメーションで変動)、企画・撮影・編集込みなら1本5〜15万円が目安です。1日で複数本まとめ撮りすると1本あたりの単価は下がります。ブランドPVや会社紹介動画のように企画・絵コンテ・MAまで含む場合は30〜150万円です。
- きれいに撮っているのにSNSで伸びないのはなぜですか?
- カタログ的な「きれいさ」とSNSで「止まる」は別物だからです。通常撮影は自然光メインで彩度が上がりにくく、ふんわりしたライティングは輪郭が立たないため、鮮やかな投稿が並ぶタイムラインでは埋没します。また立体感がないと質感・シズル感が伝わりません。高彩度×高コントラスト×立体感の3つを同時に設計することが「止まる」条件です。
- 保存される投稿には何を入れればいいですか?
- 「あとで必要になる情報」を1枚に収めることです。型は5つあります。比較(サイズ別・色別の並べ比較)、手順(使い方・お手入れ・レシピ)、一覧(全ラインナップ・サイズ表・価格表)、基準(選び方の3基準・NG例)、数値(容量・所要時間・成分比)。重要なのは、文字をキャプションではなく画像に焼き込むことです。キャプションにしかない情報は、保存しても見返せないため保存されません。
- 動画の冒頭は何を見せればいいですか?
- 5つの型があります。結論先出し(完成形やビフォーアフターの「アフター」から入る)、変化(注ぐ・切る・広げるなど動きのある一瞬)、異物感(見慣れない画・意外なスケール感)、数字(「3秒で」など具体的な数値を大きく)、疑問(「これ、何だと思いますか?」)。逆に避けたいのは、ロゴやタイトルから始まる、人が「こんにちは」と話し始める、引きの絵から入る、BGMだけで画に動きがない、の4つです。いずれも「まだ見る理由が提示されていない」状態で、1秒で離脱されるとアルゴリズムの評価も下がります。
- 納品形式とサイズはどう指定すればいいですか?
- 用途ごとに必要な比率が違います。リール・TikTok・Shortsは9:16(1080×1920、上下にUIが重なるため重要な要素は中央に)、フィードの縦は4:5(1080×1350、表示面積が最も大きい)、正方形は1:1(1080×1080)、横型・YouTube・広告は16:9(1920×1080)です。最も重要なのは、撮影時点で9:16と1:1の両方が成立する構図にしておくこと。後からのトリミングでは主役が見切れます。
- 撮影した写真や動画を広告に使えますか?
- 契約内容によります。だからこそ「広告に使う可能性がある」ことを契約前に伝えておくのが重要です。確認すべきは、写真・動画の使用媒体と期間と地域、モデルの肖像権の使用範囲と期間、BGMの商用利用可否(SNSの音源ライブラリは広告転用が不可の場合があります)、フォントの商用ライセンス、背景に写り込んだ他社商品やロゴ、ロケ地の公開許可の6点です。事後に交渉すると割高になり、最悪の場合は使えません。
- 撮影会社を選ぶときの判断基準は?
- 6つあります。(1)SNSのアルゴリズムを踏まえて撮るか(なぜ指が止まるのかを説明できるか)、(2)静止画と動画を同日に撮れるか(別日発注は撮影費も移動費も2倍)、(3)納品が媒体別に最適化されるか(9:16・1:1・16:9の書き出し)、(4)二次利用の範囲が契約で明確か、(5)撮って終わりか運用まで見ているか、(6)カット数と修正回数が見積書に書かれているか。
- 相見積りを取るときは何を揃えればいいですか?
- 3点です。何カットまで含むか(レタッチ済みの納品点数)、修正は何回まで無料か(範囲と上限)、二次利用の範囲(媒体・期間・広告転用の可否)。この3点が揃っていない見積りは、金額だけを並べても比較になりません。とくに「一式」とだけ書かれた見積りは、あとから追加費用が発生しやすい形です。
- 撮影前に発注側が準備しておくことはありますか?
- 7項目あります。商品の最終仕様・パッケージの確定、使用シーンの参考画像を3枚以上共有、NG表現・NG色・ロゴの扱いの共有、カット数と優先順位の決定(時間切れ時に何を捨てるか)、納品後にどの媒体で使うか(=必要な比率)の共有、モデル・小物・背景の手配範囲の確認、二次利用の想定の事前共有。とくに優先順位と二次利用の2つが抜けやすく、当日の迷いと後々の追加費用につながります。
記事監修
富田 竜介 Ryusuke Tomita
株式会社TaTap 代表取締役|SNSマーケティングコンサルタント
累計300アカウント・600万フォロワー以上の支援実績をもとに、企業のSNS運用設計・広告運用・クリエイティブ制作を一気通貫で支援。
PDF版に入っているもの
- 全29ページのスライド版(社内提案・稟議にそのまま添付できます)
- 動画広告市場・縦型動画の推移を図解したチャート
- 保存される情報設計の5つの型(比較・手順・一覧・基準・数値)
- 冒頭1秒のフック設計シート
- 納品サイズ早見表(比率・推奨サイズ・セーフエリア)
- 撮影前チェックリスト7項目の記入用シート
- 二次利用・権利処理のチェック表
- 実践チェックリスト10項目の記入用シート